今週の【早わかり株式市況】続伸、日米金融政策を手がかりに荒い値動き

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市況

■今週の相場ポイント
 1.日経平均は2週続伸、一時5万1000円台回復
 2.日銀利上げ観測台頭、週明け大幅安スタート
 3.米国は利下げ期待高まる、NYダウなど上昇
 4.日本株も値上がり、米株高に追随し切り返す
 5.フィジカルAIに脚光、ロボット株へ物色広がる

■週間 市場概況
 今週の東京株式市場で日経平均株価は前週末比237円(0.47%)高の5万0491円と、2週連続で上昇した。

 今週は日銀による早期利上げ観測が台頭し、週初はリスクオフの地合いでスタート。一方、米国では利下げ期待の高まりから株高基調が継続。東京市場もこれに追随する格好で週後半にかけては切り返した。日経平均は5万円台を維持して取引を終えた。

 名実ともに師走相場入りとなった1日(月)の日経平均は大幅安。この日の植田日銀総裁による金融経済懇談会での発言を受け、18~19日に開かれる金融政策決定会合で利上げに動く可能性が高まったとの見方から、AI・半導体関連など主力ハイテク株を中心に売りがかさんだ。為替相場が円高に振れたことも嫌気された。2日(火)は前日比ほぼ変わらず。朝方は高く始まったものの、上値の重い地合いだった。引き続き日銀の早期利上げ観測が意識され、積極的に買いポジションを積み上げる動きは限られた。金利上昇が追い風となる銀行株には根強い買いが続いた。3日(水)は大幅高。前日の米国株市場では9~10日に開かれる米連邦公開市場委員会(FOMC)で米連邦準備制度理事会(FRB)が利下げに動くとの見方が広がり、NYダウなど主要株指数が揃って上昇。リスク許容度の高まった海外資金が日本株を押し上げる格好となった。更に買いの勢いが強まり、4日(木)は急伸。日経平均は1000円を超える値上がりで、約3週間ぶりに5万1000円台を回復した。引き続き米国での利下げ期待を背景とした株高の流れが追い風に。個別では「フィジカルAI」のテーマが脚光を浴びるなか、ファナック <6954> [東証P]や安川電機 <6506> [東証P]などロボット関連株に物色が広がった。5日(金)は反落。前日までの上昇の反動が出た。日銀の利上げ観測とそれに伴う円高の進行も手控え要因となった。

■来週のポイント
 来週はまずなんといっても9~10日の米FOMCで実際に利下げが決定されるかに注目したい。また、米オラクルやブロードコムなどの決算発表が予定されており、これらの結果が米ハイテク株を通じて日本市場にも影響する可能性があり、常に米国市場を横目に見ながらの取引となりそうだ。

 重要イベントとしては、国内では11日朝に発表される10-12月期法人企業景気予測調査、12日のメジャーSQ算出が注目される。海外では前述の米FOMCのほか、8日に発表される中国11月貿易収支、10日に発表される中国11月の消費者物価指数と生産者物価指数、11日に発表される米国9月貿易収支に注視が必要だろう。

■日々の動き(12月1日~12月5日)

【↓】  12月 1日(月)――  5日ぶり大幅反落、日銀の利上げ観測を警戒
 日経平均 49303.28( -950.63)  売買高21億6799万株 売買代金 5兆3835億円

【↑】  12月 2日(火)――  小反発、朝高も利上げを警戒し上値は重い
 日経平均 49303.45( +0.17)  売買高21億3871万株 売買代金 5兆2278億円

【↑】  12月 3日(水)――  大幅続伸、半導体関連買われ一時5万円乗せ
 日経平均 49864.68( +561.23)  売買高21億1627万株 売買代金 5兆4222億円

【↑】  12月 4日(木)――  3日続伸、値がさ株が買われ高値引け
 日経平均 51028.42( +1163.74)  売買高21億8294万株 売買代金 5兆7616億円

【↓】  12月 5日(金)――  4日ぶり反落、主力株中心に利益確定売りが優勢
 日経平均 50491.87( -536.55)  売買高20億8922万株 売買代金 5兆4041億円

■セクター・トレンド
 (1)全33業種中、23業種が値下がり
 (2)値下がり率トップは東電HD <9501> など電気・ガス。ディフェンシブ株はキリンHD <2503> など食料品、住友ファーマ <4506> など医薬品も安い
 (3)内需株は大和ハウス <1925> など建設、三井不 <8801> など不動産が大幅安だがSBG <9984> など情報通信は高い
 (4)輸出株はトヨタ <7203> など自動車が下落したがIHI <7013> など機械は値上がり。安川電 <6506> など電機も堅調
 (5)日銀の利上げ観測で三井住友FG <8316> など銀行が値上がり率首位。野村 <8604> など証券、T&D <8795> など保険も上昇
 (6)資源株はINPEX <1605> など鉱業が大幅安の一方、ENEOS <5020> など石油、住友電 <5802> など非鉄は高い

■【投資テーマ】週間ベスト5 (株探PC版におけるアクセス数)
 1(7) 地方銀行 
 2(1) レアアース 
 3(3) 人工知能 
 4(20) バイオテクノロジー 
 5(26) フィジカルAI 
 ※カッコは前週の順位

株探ニュース

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