午後:債券サマリー 先物は反発、日銀の政策維持決定を受け上げに転じる
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30日の債券市場で、先物中心限月12月限は反発。午前は前日の米債券安が影響したものの、日銀が金融政策の現状維持を決めたことをきっかけに上げに転じた。 29日まで開かれた米連邦公開市場委員会(FOMC)では0.25%の利下げが決まったが、米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長はFOMC後の記者会見で「12月会合での利下げ決定は既定路線ではない」などと発言。タカ派的と受け止められ、29日の米長期債相場が反落(金利は上昇)した流れが東京市場に波及し、債券先物は午前10時30分すぎに一時135円80銭まで軟化した。ただ、日銀が金融政策決定会合で大方の予想通り利上げ見送りを決め、政策金利の据え置きに反対したのは前回と同様の2人(高田創審議委員と田村直樹審議委員)にとどまったことが分かると買い安心感が台頭。あわせて公表された「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」では、25年度の実質国内総生産(GDP)の伸び率や、26年度の生鮮食品とエネルギーを除く消費者物価指数(CPI)の上昇率見通しが前回から小幅に引き上げられたが、市場では次回会合での利上げを示唆する内容ではないとの見方が多かった。ただ、夕方に行われる植田和男総裁の記者会見を見極めたいとして、先物は午後2時40分すぎに136円26銭をつけたあとは上げ一服となった。 先物12月限の終値は、前日比8銭高の136円21銭となった。一方、現物債市場で10年債の利回りは、午後3時時点で前日に比べて0.005%低い1.645%で推移している。 出所:MINKABU PRESS
