話題株ピックアップ【夕刊】(2):トヨタ、アイスペース、不二越

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■トヨタ自動車 <7203>  2,974円   +134.5 円 (+4.7%)  本日終値
 トヨタ自動車<7203>が大幅高で3000円大台復帰を視界に入れている。4日に行われた自民党総裁選では大方の予想を覆し高市早苗氏が勝利したことから、その政策期待が株式市場でリスク選好の地合いを加速させている。高市新総裁は財政拡張と金融緩和路線を経済政策の主眼に置いていることで、外国為替市場では足もとで急速にドル高・円安方向に振れている。これが自動車株など輸出セクターには追い風材料となるが、そのなか為替感応度の高さで際立つトヨタは円安恩恵を享受する代表格として、投資マネーを誘引した。同社の26年3月期想定為替レートは1ドル=145円で実勢よりも4円以上円安に設定されており、収益押し上げ効果が期待される。

■ispace <9348>  554円   +25 円 (+4.7%)  本日終値
 ispace<9348>は3連騰。この日の寄り前、ヨーロッパ現地法人を通じて、米国マグナ・ペトラ社(デラウェア州)とペイロードサービス契約を締結すると発表しており、好材料視された。マグナ・ペトラ社は、月面でのヘリウム3同位体の探査、採掘及び地球への帰還を目指す初の月面資源開発企業で、アイスペースとは昨年12月に将来的な月面探査実施に向けた覚書締結で合意している。今回の契約はミッション3(正式名称「Team Draper Commercial Mission 1」)での打ち上げを前提として契約しており、契約金額は約32億円に上る。なお、26年3月期業績予想に織り込み済みとしている。

■不二越 <6474>  3,900円   +160 円 (+4.3%)  本日終値
 不二越<6474>が後場終盤に急伸。年初来高値を更新。同社は6日午後3時、25年11月期第3四半期累計(24年12月~25年8月)の連結決算を発表。経常利益は前年同期比2.7倍の51億4100万円となった。6~8月期では同4.8倍と急拡大しており、ポジティブ視した買いが入ったようだ。第3四半期累計の売上高は同2.9%減の1741億9400万円だった。機械工具事業では中国でのロボット需要の減少が響いた半面、工作機械において操業度が改善し利益を押し上げた。部品事業では一部自動車メーカーの生産回復によりカーハイドロリクスの需要が拡大。構造改革の効果も出た。なお、同社は構造改革費用12億7200万円を特別損失に、政策保有株の縮減に伴う投資有価証券売却益19億3300万円を特別利益に計上した。第3四半期累計の最終利益は同31.0%増の36億4000万円だった。

■データセクション <3905>  2,200円   +85 円 (+4.0%)  本日終値
 データセクション<3905>は大幅続伸。前週末3日の取引終了後、豪・シドニーで構築を予定している新たなAIデータセンターに関して、業務提携先であるナウナウジャパン(東京都中央区)を通じて、大口の利用契約を締結したと発表しており、好材料視された。受注金額は年2億6600万ドル(約395億円)で、顧客の企業情報は非開示。なお、26年3月期業績への影響は精査中としている。

■Appier <4180>  1,518円   +54 円 (+3.7%)  本日終値
 Appier Group<4180>が大幅続伸。前週末3日の取引終了後に提出された大量保有報告書で、資産運用会社のブラックロック・ジャパンと共同保有者による株式保有割合が5.67%と、新たに5%を超えたことが判明。これを受けて、需給思惑的な買いが入ったようだ。保有目的は純投資としており、報告義務発生日は9月30日としている。

■ハイデイ日高 <7611>  3,665円   +100 円 (+2.8%)  本日終値
 ハイデイ日高<7611>が後場終盤になって上げ幅を拡大。午後3時ごろに発表した8月中間期単独決算が、売上高307億5400万円(前年同期比14.4%増)、営業利益36億6300万円(同31.8%増)、純利益24億9000万円(同31.9%増)と大幅増収増益となったことに加えて、配当予想を中間・期末各22円の年44円から中間・期末各23円の年46円に引き上げたことが好感された。11店舗の新規出店に加えて、既存店の来店客数の持続的な伸長や各種ポイントやキャッシュレス関連キャンペーン、コロナ禍で短縮した営業時間の延長などに取り組んだことが奏功し、売上高は上期として過去最高を更新した。一方でコメ、豚肉、卵などの食材価格上昇で原価率が上昇したほか、販管費も増加したが、増収により吸収した。なお、26年2月期通期業績予想は、売上高600億円(前期比7.9%増)、営業利益60億円(同8.8%増)、純利益41億円(同0.2%増)の従来見通しを据え置いている。同時に、オーシャンシステム<3096>と新潟県における「熱烈中華食堂日高屋」の出店を目的としたフランチャイズ契約を締結する。同件によりロイヤルティ収入などが見込まれるものの、短期的に業績に与える影響は軽微としている。

■アイスタイル <3660>  471円   +11 円 (+2.4%)  本日終値
 アイスタイル<3660>が高い。5日朝に放送されたTBSテレビ系経済情報バラエティ番組「がっちりマンデー!!」で紹介されたことが好材料視された。「ランキングでがっちりビジネス!」の特集で取り上げられた3社のうちの1社として、同社が運営するコスメ・化粧品・美容の総合情報サイト「アットコスメ」や実店舗である「アットコスメストア」などが紹介された。

■住友重機械工業 <6302>  3,561円   +82 円 (+2.4%)  本日終値
 住友重機械工業<6302>が反発。この日、米国レオ・キャンサー・ケア(ウィスコンシン州)と立位型陽子線治療システムに関する技術協力を締結したと発表しており、好材料視された。従来の陽子線治療では患者は寝台に寝た状態で治療を受けていたが、立位型陽子線治療システムでは患者は立った姿勢、あるいは座った姿勢で受けるのが特徴。設置に必要なスペースや導入コストを大幅に低減することに加え、立位姿勢による患者の快適性向上や、ガントリーまたは寝台を連続的に回転させながら陽子線を照射することで腫瘍により線量集中できる陽子線アーク照射の導入が期待できるという。今回の技術協力により、同社の超電導サイクロトロンを、レオ社が開発した立位型位置決めシステムに組み合わせた、新たな陽子線治療システムの実現を目指すとしている。

■コシダカHD <2157>  1,352円   +29 円 (+2.2%)  本日終値
 コシダカホールディングス<2157>は続伸。前週末3日取引終了後、固定資産の譲渡に伴い、特別利益を計上すると発表した。譲渡するのは子会社が神奈川県厚木市に保有する「厚木ビスタホテル」で、譲渡益は約9億円(現状想定概算値)。今月10日に発表予定の25年8月期決算短信において公表する26年8月期業績予想の算出に加味するという。これが材料視されたようだ。

■三陽商会 <8011>  3,420円   +70 円 (+2.1%)  本日終値
 三陽商会<8011>が3日続伸。午前11時ごろに発表した8月中間期連結決算は、売上高270億4200万円(前年同期比3.1%減)、営業損益2億1300万円の赤字(前年同期5億9900万円の黒字)と営業赤字となったものの、従来予想の売上高269億円、営業損益3億円の赤字を上回って着地したことが好感された。中高級品市場の低迷や百貨店の不振、イレギュラーな気象条件などによるプロパー販売不振により第1四半期が落ち込み、中間期としても赤字を余儀なくされたが、盛夏プロパー商品の投入や春夏商品の最終消化促進に努めたことで8月の売上高が前年を大きく上回ったことで従来予想は上回った。なお、26年2月期通期業績予想は、売上高599億円(前期比1.0%減)、営業利益23億円(同15.3%減)の8月28日に発表した修正見通しを据え置いている。

株探ニュース

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