【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─ "3多企業"が支える株式市場、恩恵享受の証券セクター!

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コラム

「3多企業”が支える株式市場、恩恵享受の証券セクター!」

●見逃されている有望セクター

 いまは半導体やデータセンター、自動車関連株に目が行きがちだ。これらは旬の株式テーマなのだから投資家の関心が向かうのは当然だし、やむを得ないとさえいえる。だが、その結果、見逃してしまうセクターがあるのではないか。ふとこんな気がして改めて市場を見回してみると……、確かにそんなセクターがあった。

 東京市場は8月19日に日経平均株価が4万3876円をつけて史上最高値を更新。その後やや調整色を帯びているものの、基調は依然として強いと見てよい状況だ。背景として、

 ・4-6月期決算が市場予想を上回った企業が多い
 ・増配を約束する企業が多い
 ・自社株買いを積極的に打ち出す企業が多い

 などが挙げられる。いわば「3多企業」の存在が市場の下支えとなっている、といってよいだろう。

 こうした環境を踏まえた場合、最も恩恵を受けやすいセクターはどこか。答えはすぐに出る。証券各社だ。改めて説明するまでもなく、株式市場が活況を呈すれば売買委託手数料が増え、投資信託やNISA(少額投資非課税制度)関連商品の販売も拡大する。しかも、金融庁とこども家庭庁は来年度の税制改正要望でNISA「つみたて投資枠」の対象年齢を現在の18歳以上からさらに引き下げるよう要請している。すぐの実現は難しいとしても、将来的に若年層の投資参加が広がれば、証券各社の顧客基盤は大幅に拡大し、業績の押し上げにつながるのは明らかだ。

●物色の広がり期待される証券セクター

 このような材料を考えると、証券株はもっと注目を集めてよいし、今後もそれが続いて当然といえる。大手から準大手、ネット専業まで幅広く恩恵を受けるのだから、全面的に買われる可能性がある。

 そこでまず注目は、業界最大手であることに敬意を評して野村ホールディングス <8604> [東証P]になる。8月18日に新値を更新したあとは調整しているため、いまは仕込みどころと見てよい。

 中堅企業に目を向けると、岩井コスモホールディングス <8707> [東証P]がある。国内株中心ではあるものの、米国株に強いことで知られている。米国株は一頃ほどの盛り上がりはないが、根強い人気があり、取り扱い量も増え続けていると見てよいため、同社株も期待が持てる。

 一方、中国株に強いのは東洋証券 <8614> [東証P]。低迷を続けていた中国株は、上海総合指数の動きを見れば分かるように、4月初旬以降明らかに回復基調に転じており、いまもそれは続いている。当然、中国株投資に前向きな投資家たちは売買を増やしたくなる状況だろう。今後それは加速すると見てよく、株の上昇トレンドも継続と見る。

 ネット証券の草分け、松井証券 <8628> [東証P]も忘れてはならない。SBI証券や楽天証券などの拡大戦略には大きく水を開けられているものの、ベテラン投資家の間では根強い人気があり、株価もそれに支えられ堅調高を続けていて、当面それが崩れる確率は低そうだ。

 最後に、楽天証券を擁する楽天グループ <4755> [東証P]を。ネット民の間では「楽天経済圏」という言葉は目にしない日がないほど。多くの人がその経済圏の一員であることを半ば誇らしげに語っている。そんなに愛されている企業は他にないのではないか。ということで取り上げておきたい。ただ、値動きはかなりスローになりそうなので、それでも構わないという人向きになる。

2025年8月29日 記

株探ニュース

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