午後:債券サマリー 先物は7日続伸、10年債入札結果は弱めも反応限定的
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5日の債券市場で、先物中心限月9月限は7日続伸。この日に財務省が実施した10年債入札は弱めの結果となったが、米金利の先高観が後退していることから堅調な相場展開が続いた。 1日発表の米雇用統計をきっかけに米景気減速懸念が広がっており、市場では米連邦準備理事会(FRB)が次回9月会合で利下げに踏み切るとの観測が強まっている。前日4日には米長期金利が4.19%と約1カ月ぶりの水準に低下し、この流れが東京市場に波及。また、日銀の植田和男総裁が7月31日の記者会見で追加利上げを急がない姿勢を示していたことや、米金融政策の行方を見極めるまで日銀は利上げに動きにくいとの思惑も円債の買い安心感につながっている様子だった。午後に明らかとなった10年債入札の結果は、小さければ好調とされるテール(平均落札価格と最低落札価格の差)が14銭と前回(7月1日)の3銭から拡大し、投資家需要の強弱を反映する応札倍率は3.06倍と前回の3.51倍を下回ったが、これを嫌気した売りは限定的。FRB理事を退任するクグラー氏の後任に、トランプ米大統領が金融緩和に積極的な人物を指名するとの思惑もあって、米長期金利の更なる低下を見込む向きもあるなか、債券先物は午後0時50分ごろに138円92銭まで上伸する場面があった。 先物9月限の終値は、前日比32銭高の138円87銭となった。一方、現物債市場で10年債の利回りは、午後3時時点で前日に比べて0.030%低い1.470%で推移している。 出所:MINKABU PRESS