今週の【早わかり株式市況】反落、半導体セクターの下落が重荷に
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■今週の相場ポイント 1.日経平均は3週ぶり反落、4万1000円割れ 2.週初は軟調地合い、前週急上昇の反動で 3.日米で金融会合、どちらも政策変更なし 4.イベント通過で買い戻し、円安も追い風 5.企業の決算発表本格化、東エレク株急落 ■週間 市場概況 今週の東京株式市場で日経平均株価は前週末比656円(1.6%)安の4万799円と、3週ぶりに下落した。 今週は、週前半は日米の金融会合を控え買い手控え感が強まったが、結果判明後はイベント通過で買い戻しの動きに。ただ、決算発表を巡って半導体セクターが軒並み安となり、市場センチメントが悪化。日経平均は4万1000円台を維持できなかった。 7月28日(月)の東京株式市場は売り優勢の地合い。この日早朝に米国と欧州連合(EU)が関税交渉で合意したと伝わり、これが好感され日経平均は朝方高く始まったが、その後は買いが続かず下落に転じた。前週の日米関税合意を受けた急上昇の反動で利益確定売りが出やすくなっていたもよう。29日(火)も軟調。引き続き下値を探る動きとなった。米国株市場でもNYダウが反落するなど買い疲れ感が出ており、東京市場でもこの流れに追随した。30日(水)は強弱観対立のなか、日経平均は狭いゾーンでのもみ合いに終始。大引けは小幅マイナス圏で着地した。日本時間翌未明の米連邦公開市場委員会(FOMC)とパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の記者会見、また同日昼ごろに判明する日銀金融政策決定会合の結果を前に様子見ムードが強まった。31日(木)は買い優勢に転換。注目されたFOMCは市場予想通り利下げ見送りで政策変更は行われなかったが、その後の会見でパウエル議長はややタカ派的な姿勢を示した。一方、日銀会合についてはこちらも想定通り利上げ見送りとなり現状維持に。日米金利差縮小への思惑が後退し、外国為替市場ではドル高・円安が進行。先物買いを通じて日本株全体に浮揚力が働いた。企業の決算発表が本格化し、個別株の売買も活発だった。8月1日(金)は再び軟調地合いに。前日に業績下方修正を発表した東京エレクトロン <8035> [東証P]が一時ストップ安と急落。他の半導体関連株にも売りが波及し、全体相場の重荷となった。 ■来週のポイント 来週は決算発表のピークを迎えるため、個別に明暗が分かれる展開となるだろう。また、自民党の両院議員総会の行方にも注目が集まる。全体相場は日経平均が不安定だが内需株の堅調さが際立っており、来週もTOPIX優位の展開となりそうだ。 重要イベントとしては、国内では7日に発表される6月景気動向指数、8日朝に発表される6月全世帯家計調査、オプションSQ算出が注目される。海外では5日に発表される米国6月貿易収支、米国7月ISM非製造業景気指数、7日に発表される中国7月貿易収支、9日に発表される中国7月の消費者物価指数と生産者物価指数に注視が必要だろう。 ■日々の動き(7月28日~8月1日) 【↓】 7月28日(月)―― 続落、半導体関連中心に利益確定が売り優勢 日経平均 40998.27( -457.96) 売買高17億1693万株 売買代金 4兆501億円 【↓】 7月29日(火)―― 3日続落、半導体関連や自動車株が売られる 日経平均 40674.55( -323.72) 売買高16億740万株 売買代金 4兆90億円 【↓】 7月30日(水)―― 4日続落、日米の金融政策会合を控え小動き 日経平均 40654.70( -19.85) 売買高19億7694万株 売買代金 4兆9430億円 【↑】 7月31日(木)―― 5日ぶり急反発、日銀現状維持で買い優勢 日経平均 41069.82( +415.12) 売買高21億2974万株 売買代金 5兆3877億円 【↓】 8月 1日(金)―― 反落、半導体株関連などの下落が響く 日経平均 40799.60( -270.22) 売買高22億1907万株 売買代金 5兆6149億円 ■セクター・トレンド (1)全33業種中、19業種が値上がり (2)上昇率トップはフジクラ <5803> など非鉄。資源株はコスモHD <5021> など石油、INPEX <1605> など鉱業も高い (3)ヤマトHD <9064> など陸運、東急不HD <3289> など不動産、関電工 <1942> など建設といった内需株も堅調 (4)金融株はまちまち。かんぽ生命 <7181> など保険、みずほリース <8425> などその他金融は上昇したが京都FG <5844> など銀行は売られた (5)HOYA <7741> など精密機器が下落率トップとなったほか、輸出株は東エレク <8035> など電機、シマノ <7309> など輸送用機器も安い ■【投資テーマ】週間ベスト5 (株探PC版におけるアクセス数) 1(1) データセンター 2(2) 人工知能 3(5) 下水道 4(3) 半導体 ── 引け後のアドテストの決算発表に関心集まる 5(9) 地方銀行 ※カッコは前週の順位 株探ニュース