【杉村富生の短期相場観測】 ─主役はAI、半導体関連セクター!
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「主役はAI、半導体関連セクター!」 ●第4次産業革命の“波”に乗れッ! 再三指摘しているように、トランプ米政権の通商・外交政策によって、世界はデカップリング(経済分断→3極構造)が進展、各国は生き残りを賭け防衛力の増強(GDP比5%)を断行する。さらに、AI(人工知能)を軸に第4次産業革命が進行中である。一方、外部環境の不透明感とは裏腹に、株価は抜群に強い。「なぜだッ」との声が聞かれるほど。 しかし、これが相場である。株式市場には「夢とロマン」があふれている。過去、現在ではない。常に、未来を先取りする。古来、「続く流れに逆らうな、ついていくのが儲けの道」という。テーマ的には防衛、AI、 半導体、データセンター、光ケーブル関連セクターなどが物色のメインとなろう。これらの銘柄が集中物色される。 アメリカ市場ではメタ・プラットフォームズがベンチャー企業のスケールAIに143億ドル(約2兆500億円)を出資、ステーブルコインのサークル・インターネット・グループ、AIサーバーのコアウィーブ 、暗号資産のコインベース・グローバル が急騰するなど、にぎやかである。 さらに、防衛関連のAI企業と称されるパランティア・テクノロジーズ 、エンターテインメント業界でのAI活用企業であるスポティファイ・テクノロジー 、情報セキュリティのクラウドストライク・ホールディングス などが人気を集めている。政治はメチャクチャだが、企業のダイナミズムは健在といえる。 これがアメリカ市場活況の源泉だ。日本市場もそうじゃないか。経済分断を受け、国際マネーのアメリカ一極集中が是正(時価総額上位のマグニフィセント・セブンだけを買っていれば良かった時代が終焉)され、ブラックロック を中心に巨大資本が日本に上陸してきた。4月以降の外国人の買い越し額(現物)は4兆611億円に達する。 ●防衛関連では造船に妙味あり! 生成AIは「ディープシーク」と「チャットGPT」の2強時代を迎えている。半導体の性能は一段と向上し、需要は急増するだろう。製造装置のアドバンテスト <6857> [東証P]、ディスコ <6146> [東証P]、東京エレクトロン <8035> [東証P]、レーザーテック <6920> [東証P]などが潤う。 A&Dホロンホールディングス <7745> [東証P]、タツモ <6266> [東証P]はPER8~9倍と出遅れが著しい。半導体関連セクターの業績は急浮上に転じるだろう。ローム <6963> [東証P]は復活を遂げつつある。PERは100倍を超えているが、PBRは0.79倍だ。日経平均株価に採用された。ジリ高が期待できる。 なお、ロームの第4世代炭化ケイ素(SiC)MOSFET(金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ)ベアチップを搭載したパワーモジュールは、トヨタ自動車 <7203> [東証P]の最新鋭車に搭載が決まった。デンソー <6902> [東証P]が株式取得の意向だ。デンソー、トヨタ自動車など同グループは政策投資株の削減を強力に進めているというのに。 このほか、AIの本格普及を手掛かりに、エッジAIのABEJA <5574> [東証G]、トリプルアイズ <5026> [東証G]、ヘッドウォータース <4011> [東証G]、ジーデップ・アドバンス <5885> [東証S]、AIエージェントのサークレイス <5029> [東証G]、Sapeet <269A> [東証G] などに妙味があろう。 防衛関連では三菱重工業 <7011> [東証P]、日本アビオニクス <6946> [東証S]、菱友システムズ <4685> [東証S]に一貫して注目している。造船関連ではジャパンエンジンコーポレーション <6016> [東証S]、ダイハツインフィニアース <6023> [東証S]、古野電気 <6814> [東証P]が浮上する。 商い面(流動性)の視点だと、三井E&S <7003> [東証P]、名村造船所 <7014> [東証S]を外せない。昔、造船業界が活況のとき、「鬼の佐野安(サノヤス)、地獄の名村、情け知らずの藤永田」といわれたことがあったが、引き続いて造船が主力なのは名村造船所だけだ。藤永田は三井E&Sに吸収されている。 2025年6月27日 記 株探ニュース