27日の株式相場見通し=上値追い続く、米株高で強気優勢の地合いに
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27日の東京株式市場はリスクオンの地合いが継続し、日経平均は4日続伸する公算が大きい。ただ、前日に日経平均は640円あまりの急伸をみせているほか、直近3営業日で1200円以上水準を切り上げていることで目先高値警戒感から上値が重くなる場面も想定され、買い一巡後の値動きが注目される。前日の欧州株市場は高安まちまちの展開で、独DAXは反発したものの、仏CAC40はわずかながら続落、オランダの主要株価指数であるAEXも続落した。ドイツでは軍需・防衛大手のラインメタルが大幅高に買われるなど防衛関連株への買いが顕著となり、全体相場を支えた。イスラエルとイランの停戦で中東情勢の緊迫感が和らいだ一方、NATO首脳会議を経て今後国防費を増額する動きが進むとの見方が関連銘柄の株価を刺激している。一方、米国ではNYダウが400ドルを超える上昇で切り返し、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は4連騰でついに2万大台を回復した。同時に年初来高値更新となったが、取引時間中は昨年12月につけた史上最高値2万173を上回る場面があった。中東リスクの後退に加え、人工知能(AI)関連株への物色人気が続き全体相場を牽引した。個別にAI半導体大手のエヌビディア<NVDA>が連日で上場来高値を更新したほか、マイクロソフト<MSFT>も最高値街道を走っている。FRBによる年内利下げ観測が強まっていることもハイテク株や景気敏感株などをはじめ幅広い銘柄に買いを後押しした。この米株市場のリスクオンの流れを引き継ぎ、きょうの東京市場も強調展開が予想される。外国為替市場で1ドル=144円台前半まで円高が進んでいることは買い手控え要因となるケースも考えられる。なお、直近の情報では米中の関税交渉で進展がみられたとの報道もあり、これが株価動向に影響を与える可能性がある。 26日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比404ドル41セント高の4万3386ドル84セントと反発。ナスダック総合株価指数は同194.36ポイント高の2万167.91だった。 日程面では、きょうは5月の有効求人倍率、5月の失業率、5月の都区部消費者物価指数(CPI)、5月の商業動態統計(速報値)、1~3月期資金循環統計(速報値)など。海外では1~5月の中国工業企業利益、5月の米個人所得・個人消費支出・PCEデフレーターなど。このほか、クックFRB理事がクリーブランド連銀主催の討議に参加する予定にある。 出所:MINKABU PRESS