午後:債券サマリー 先物は大幅反発、株安で債券選好 長期金利一時1.285%に低下
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16日の債券市場で先物中心限月6月限は大幅反発した。政府・与党が補正予算案について今国会での提出を見送る方向で最終調整に入ったと15日夜以降、国内メディアが相次いで報じた。財政拡張路線を見込んで売られていた超長期債への買い戻しを誘い、円債相場全体においても支援材料となった。午後は日経平均株価が一段安となり、投資家のリスク許容度が低下するなかで安全資産とされる国債への買い需要が拡大した。 16日は未明に産経新聞電子版が日銀の植田和男総裁の単独インタビューを配信した。植田総裁はトランプ米政権の関税政策が経済にもたらす影響を見極める考えを示した。早期の利上げには慎重な姿勢を示したと市場では受け止められ、債券選好の流れを後押しした。 日銀は16日、定例の国債買い入れオペを4本実施した。総じて債券の保有ニーズの乏しさを示す結果となり、オペ結果が伝わると債券先物は上げ幅をやや縮小する場面があった。だがオランダの半導体製造装置メーカー、ASMLホールディング<ASML>が25年1~3月期決算とともに発表した受注額が市場予想を下回ったことを受け、日経平均株価は後場に一時600円を超す下げとなった。米株価指数先物にも下押し圧力が掛かるなか、債券先物は再び上げ足を速め、取引終了直前に一時141円16銭まで上昇した。 先物6月限は前営業日比66銭高の141円11銭で取引を終えた。新発10年債利回り(長期金利)は午後3時過ぎの時点で同0.075ポイント低い1.290%で推移。一時1.285%まで低下する場面があった。 出所:MINKABU PRESS