午後:債券サマリー 先物は大幅反落、30年債入札結果は不調

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市況

 8日の債券市場で、先物中心限月6月限は大幅反落。米関税政策に対する過度な警戒感がいったん和らいだほか、きょう実施された30年債入札が不調となったことが影響した。

 欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長は7日、相互関税を公表したトランプ米政権に「工業製品でゼロ対ゼロの関税を提案した」ことを明らかにした。貿易摩擦が激化するとの過度な懸念がいったん薄らぎ、7日の欧米市場で債券が売られた流れが東京市場に波及。また、7日夜にトランプ米大統領と石破茂首相が電話会談を行ったことで関税見直しへの期待が高まったこともあり、債券先物は朝方に一時140円73銭まで軟化した。その後は下げ渋る動きとなったが、この日に中国商務省が「米国が中国に対し50%の追加関税を課すといった脅しを実行に移した場合、中国は自国の権利を守るために必要な措置を講じる」と表明したことから貿易戦争が世界経済に影響するとの見方は残ったまま。財務省が実施した30年債入札の結果で需給の緩みが意識されたことも相場の重荷となった。なお、入札結果は小さければ好調とされるテール(平均落札価格と最低落札価格の差)が75銭と前回(3月6日)の12銭から急拡大し、投資家需要の強弱を反映する応札倍率は2.96倍と前回の3.50倍を下回った。

 先物6月限の終値は、前日比1円23銭安の141円04銭となった。一方、現物債市場で10年債の利回りは、午後3時時点で前日に比べ0.150%高い1.260%で推移している。

出所:MINKABU PRESS

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