午後:債券サマリー 先物は反発、長期金利0.950%で推移
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16日の債券市場で、先物中心限月12月限は反発した。前日の米国市場で長期債相場が上昇(金利は低下)したことが支援材料となった。もっともこの日は財務省による利付国債の入札や日銀による国債買い入れオペといった需給イベントがなく、買い一巡後は方向感の乏しい展開となった。 日銀の安達誠司審議委員が香川県高松市での金融経済懇談会であいさつし、基調的なインフレ率の目標2%の持続的・安定的な実現に向けて、基本的には緩和環境を維持しつつ、「きわめて緩慢なペースで政策金利を引き上げていく」考えを示した。その後の記者会見で、追加利上げに関し、何月と意識しているわけではない、と述べるなど安達審議委員の発言が伝わった。従来からハト派的とされていた安達審議委員の一連の発言に対し、市場の反応は限定的なものとなった。 日経平均株価はこの日、下げ幅が一時800円を超えたが、午後は下げ渋る展開だった。債券先物は高値圏でのもみ合いに終始し、次第に見送りムードが優勢となった。 先物12月限は前営業日比24銭高の144円01銭で取引を終えた。新発10年債利回り(長期金利)は同0.020%低下の0.950%での推移を続けた。 出所:MINKABU PRESS