午後:債券サマリー 先物は反落、10年債入札は強めの結果も株高が重荷

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市況

 3日の債券市場で、先物中心限月12月限は反落。この日に財務省が実施した10年債入札は強めの結果となったが、株高が重荷となりプラス圏に浮上するまでには至らなかった。

 2日に米民間雇用サービス会社ADPが発表した9月の全米雇用リポートで、非農業部門雇用者数が市場予想を上回ったことから米連邦準備理事会(FRB)による大幅利下げ観測が後退。同日の米長期債相場が下落(金利は上昇)したことが国内債への逆風となり、債券先物は寄り付き直後に144円88銭まで下押す場面があった。ただ、前日に石破茂首相が「個人的には現在、追加の利上げをするような環境にあるとは考えていない」などと述べたことで、市場では日銀が早期の追加利上げに動きにくくなったとの見方もあり、朝方の売りが一巡したあとは下げ渋り。この日に日銀の野口旭審議委員が長崎県金融経済懇談会での講演で、「緩和的な金融環境を忍耐強く維持し続けることが重要だ」との認識を示したことも売りを抑制させたようだ。午後に入ると10年債入札の結果を好感した買いが流入し、先物は一時145円03銭まで下げ幅を縮小した。とはいえ、日経平均株価の大幅高を受けて投資家のリスク選好姿勢が強まるなか、安全資産とされる債券への買いは続かなかった。なお、10年債入札の結果は、小さければ好調とされるテール(平均落札価格と最低落札価格の差)が2銭と前回(9月3日)の9銭から縮小し、応札倍率は3.53倍と前回の3.17倍を上回った。

 先物12月限の終値は、前日比11銭安の144円94銭となった。一方、現物債市場で10年債の利回りは、午後3時時点で前日と同じ0.820%で推移している。

出所:MINKABU PRESS

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