午後:債券サマリー 先物は急伸、円高・株安で債券選好 長期金利0.845%に低下

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市況

 11日の債券市場で、先物中心限月12月限は大幅に上昇した。この日は12月限の売買高が9月限を上回り、事実上の限月交代となった。中国経済の減速懸念などを背景に、米原油先物相場が大幅に下落した。原油安がインフレを鈍化させ、世界的に金利に低下圧力(債券価格に上昇圧力)が強まるとの見方が広がった。円高が急速に進み、日経平均株価が一時900円を超す下落となったことも、安全資産とされる国債への資金流入を誘う形となった。

 日銀は11日、定例の国債買い入れオペを4本実施した。このうち中期ゾーンとなる「残存期間3年超5年以下」の応札倍率は2倍を下回った。全体的には無難との受け止めがあったが、中期ゾーンの落札利回りの水準から債券の保有ニーズの高さも意識され、オペの結果発表後に先物に買いが入った。

 この日は日銀の中川順子審議委員が秋田県金融経済懇談会で挨拶を行い、日銀の経済・物価見通しが実現していくとすれば、「金融緩和の度合いを調整していくことになる」との考えを示した。外国為替市場では日銀による早期の追加利上げの可能性が意識され、一時1ドル=140円台後半まで円高が進んだ。更に、午前中に米大統領選の候補者である共和党のトランプ前大統領と、民主党のハリス副大統領のテレビ討論会が行われた。米メディアのCNNテレビは緊急世論調査の結果を発表し、勝者としてハリス氏と回答する割合が63%になったと報じた。取引時間中に米株価指数先物に下押し圧力が強まったことも、円債相場には支援材料となったようだ。

 先物12月限は前営業日比43銭高の144円68銭で取引を終えた。9月限は同45銭高の145円24銭で終了した。新発10年債利回り(長期金利)は0.845%と、同0.045ポイント低下した。


出所:MINKABU PRESS

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