明日の株式相場に向けて=イベントラッシュ、静寂は嵐の前触れか

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 きょう(25日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比328円高の6万5856円と3日ぶりに反発。売買代金はかろうじて7兆円台に乗せたが、約4カ月ぶりの薄商いとなった。様子見ムードといえばその通りだが、何というか緊張感のない相場つきではある。通常、様子見ムードの後には相場のトレンドを左右するようなビッグイベントが控えており、嵐の前の静けさというイメージがつきもの。しかし、足もとの相場は夏枯れ相場の色合いが強く、ダラダラと様子を見ているような雰囲気が漂う。結果的に、朝安後に切り返す格好となったが、押し目買いニーズが反映されたというのではなく、ショート筋の手仕舞いに伴う買い戻しで浮揚力が働いたような地合いとなった。

 時系列でみると、あす26日の日本時間夜に7月の米PCEデフレーターが開示され、日本時間27日早朝に発表されるエヌビディア<NVDA>の決算、そして同日の氷見野日銀副総裁の記者会見を経て、28日のウォーシュFRB議長のジャクソンホール会議での講演へとつながっていく。このスケジュールが様子見の正体だが、一つひとつ繙(ひもと)くと、今回のケースではそれぞれに全体相場のベクトルの向きを左右するような影響力はないように思える。

 まず、PCEデフレーターについては「前年比でコアCPIに関して伸び率は鈍化傾向とみられる。事前のコンセンサスを大きく外さない限り株式市場への影響は限定的だろう」(国内証券ストラテジスト)という声が聞かれる。いずれにしても、9月のFOMCまでにまだ重要経済指標の関門をいくつか控えており、金融政策への思惑が醸成されるにはまだ相応の時間を要しそうだ。また、エヌビディアの決算発表に関しては、かなり強い数字となることが確実視されるが、株価的には市場予想のハードルの高さが問題で、フタを開けて見なければ分からない。もっとも、同社に対するマーケットの視線はそこよりも8~10月期のガイダンスの方に向いている。「(エヌビディアの)売上高コンセンサスは1040億ドル(日本円で約16兆5400億円)前後というところだが、これを20億ドル以上は上回らないと株価へのインパクトは小さい」(ネット証券アナリスト)という認識が示されていた。ただし同社の株価は決算を前にかなり調整色を浮き彫りとしており、その意味では予想ラインを大きく跳び越えるような内容ではなくても、見直し買いに乗る可能性はある。

 一方、インフレ警戒感を底流に日米中銀の一挙一動にマーケットは神経を尖らせているが、要人発言に関してはどうか。27日の後場取引時間中になると思われる氷見野副総裁の会見は、9月の金融政策決定会合での0.25%利上げを完全に織り込ませるような役回りという見方もある。ただ、マーケットは既に9月の利上げに対するサプライズは皆無といってよさそうだ。むしろ今の為替や物価情勢を考慮すると0.25%で事足りると考えている関係者は少ないはずで、「12月とあわせ年内あと2回で計0.5%の利上げを徐々に織り込みに行く段階」(生保系エコノミスト)という見方が妥当に思える。

 そして、ジャクソンホール会議のウォーシュ氏の基調講演だが、注目度の高さとは裏腹に肩透かしに終わる可能性もある。ジャクソンホールは歴代のFRB議長の発言が常にマーケットでは気にされてきた経緯があるが、今回はフォワードガイダンスに否定的なスタンスを標榜するウォーシュ氏ということもあって、「FRBの改革などについては饒舌に語る可能性はあっても、金融政策で言質を取らせるようなことはない」(前出のエコノミスト)とする。いわく「ここまでのウォーシュ氏の発言内容をみると、実動が伴わず二枚舌的な部分が目立つ。その点はトランプ米大統領と似た印象がある」(同)という意見が聞かれた。

 ウォーシュ氏はマエストロと称されたグリーンスパン元FRB議長をロールモデルに掲げている。ところが、グリーンスパン氏の名句である「根拠なき熱狂」は、警告の役割を果たすことなく、その後のドットコムバブルの崩壊へと舞台を回した。マエストロは実動が伴わなかったのである。何か現在進行中のAI革命と時代描写が似ているのは気になるところだ。今回のジャクソンホール講演は、年内の利上げの可能性(実質的には12月利上げの可能性)を探ることはできなくても、ウォーシュ氏のグリーンスパン氏への傾倒の度合いを推し量るうえで、マーケットは大きなヒントを得られるかもしれない。

 あすのスケジュールでは、朝方取引開始前に日銀から開示される7月の企業向けサービス価格指数に耳目が集まる。また、前場取引時間中に7月の白物家電出荷額が発表される。海外ではタイ中銀が政策金利を決定するほか、この日は米国で重要指標の発表が相次ぐ。7月の米個人所得・個人消費支出・PCEデフレーターに市場の注目度が高いが、これ以外に4~6月期米実質国内総生産(GDP)の改定値、7月の米耐久財受注などがある。米5年物国債の入札も予定されている。なお、個別にエヌビディア、セールスフォース<CRM>などの5~7月期決算発表にマーケットの関心が高い。(銀)

出所:MINKABU PRESS

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