【杉村富生の短期相場観測】 ─チャートの“足型”が悪すぎる局面に!

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コラム

「チャートの“足型”が悪すぎる局面に!」

●好悪材料の綱引きだが、地合いは弱い?

 いやはや、忙しい相場である。ボラティリティ(株価変動率)が極端に高い。6月22日には日経平均株価が7万2831円と、ザラバベースの史上最高値をつけた。それが23日には2565円(3.55%)安の6万9788円と急落だ。しかし、25日は3191円(4.61%)高の7万2366円と反騰、終値ベースの史上最高値更新である。

 23日と25日、どちらが本物なのか。投資家としては迷う局面だろう。26日には再び3005円(4.15%)の大幅安だ。この背景には高値圏での強弱感の対立に加え、年金資金などの四半期決算(6月末)を控えたリバランスの動き、日米欧の金融当局のタカ派シフトといった株価の抑制要因がある。過熱気味のテクニカル的な要因もあろう。

 さらに、中東情勢の不透明感、1987年10月のブラックマンデーに類似した外部環境、メモリーバブルに関する懐疑的な見方などがある。この秋にはエヌビディアがGPU(画像処理半導体)の新製品「Vera Rubin(ヴェラ・ルービン)」を発売する。「Hopper(ホッパー)」→「Blackwell(ブラックウェル)」の時には買い控えが起こった。「新製品を待とう」と。

 これらの気掛かり材料の半面、日本市場の場合、高市政権の成長戦略(17分野に40年度までに370兆円超を投入)、AI(人工知能)・ 半導体、 データセンター(DC)エフェクト(効果)のメリットを受ける企業群の存在、個人金融資産(現預金)の株式市場への流入、世界的には第4次産業革命の進展がある。これが潮流(トレンド)だろう。

 要するに、好悪材料の綱引きだ。そこに、海外投資家主導のマーケットだけに、アメリカ市場、海外投資家の動向が影響を与える。さらに、高値警戒感があって、利食い急ぎの展開になりやすい。まあ、最近の投資家は順張りが多い。ひたすら、値動きを追う。下げのケースではためらわず売る。ヘッジファンドは売りを浴びせる。なにしろ、AIとか、機械が運用している。

●基本は突っ込み買いの吹き値売り!

 こんな激しい相場展開での投資戦術は現状を正しく認識し、トレンドを確認するとともに、突っ込み買いの吹き値売り作戦が有効だろう。トレンドは“株高”である。良好な市場環境に加え、好業績&好需給が株価を支える。経常増益率は2027年3月期、28年3月期ともに2ケタ増となる。自社株買いは4~6月に8.7兆円(発表分)あった。年間32兆円強ペースである。

 アクティビストの暗躍もある。彼らの投資資金は18兆円に達する。最近は富士急行 <9010> [東証P]、近鉄グループホールディングス <9041> [東証P]などに介入している。2社とも「保有不動産が有効に活用されていない」という。不動産会社だって、安穏としてはいられない。三井不動産 <8801> [東証P]にも食指を動かしている。

 物色面ではまず、セオリー通り、逆行高銘柄を狙いたい。具体的にはヨウ素のトップ企業の伊勢化学工業 <4107> [東証S]、IPO(新規株式公開)のLiNKX <584A> [東証G]、半導体製造装置のブイ・テクノロジー <7717> [東証P]、電力関連のパワーエックス <485A> [東証G] 、仕手妙味のサクシード <9256> [東証G]などはどうか。

 AI・半導体、データセンターでは堺化学工業 <4078> [東証P]、アール・エス・シー<4664> [東証S]に注目できる。堺化学工業は積層セラミックコンデンサーの主要部材のチタン酸バリウムを手掛けている。主要顧客は村田製作所 <6981> [東証P]、太陽誘電 <6976> [東証P]など。絶好調グループに属する。

 アール・エス・シーはソフトバンクグループ <9984> [東証P]の子会社のソフトバンクロボティクスと資本業務提携している。フィジカルAI(AIとロボティクスの融合)分野での協業だ。ソフトバンクグループは人型ロボットの開発に注力している。将来的に、ビルメンテナンス、警備ソリューションなどの事業に進出する、という。

 なお、地合いは非常に悪い。台風襲来だ。古来、「嵐のときは動くな」という。今月一杯は様子見姿勢が正解か。注目銘柄は取りあげているが、「少玉での小すくい戦法」に徹してほしい。あせる必要はない。チャンスは必ず到来する。目先的には日米両市場ともチャート的に“足型”が不穏だ。ここは無理は禁物のタイミングと思う。

2026年6月26日 記

株探ニュース

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