山岡和雅が大胆予想、為替相場はこう動く! <GW特集>
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2026年の外国為替市場は、2月28日に始まった米軍の対イラン軍事作戦「オペレーション・エピック・ヒューリー(壮絶な怒り作戦)」により流れが一変し、先行きの不透明感が強まる展開となった。事態の収束に向けた道筋が依然として見えぬ中、2026年これからの相場を左右する3つの大きなポイントがある。 ■注視すべき3つのポイント 1) 中東情勢の行方 米国とイランとの関係が落ち着き、ホルムズ海峡が開放されない限り、市場の不透明感は払拭されない。封鎖前まで世界の原油の20%以上が同海峡を経由しており、封鎖が続く限り需給バランスが乱れたままとなる。原油価格への影響は事態が鎮静化するまで続き、相場にも大きな影響を与える。基本的には紛争の長期化・激化はドル買い材料となる。有事のドル買いに加え、ドルベースで取引される原油などの費用を賄うための実需面でのドル需要も拡大するためである。一方、状況が落ち着けば、それまでのドル買いに対する調整が入るだろう。当面は情勢をにらみながらの展開が続く。 2) 紛争を受けて変化した各国の金融政策動向 紛争前の段階における2026年内の主要通貨の金利見通しは、円が複数回の利上げを織り込む一方、ドルは複数回の利下げ、ユーロは年内据え置き、ポンドは1回もしくは2回の利下げという状況であった。 しかし、紛争による原油高が世界的な物価上昇圧力につながる中、ユーロとポンドは早期利上げの見通しへと大きく転換した。円は利上げ期待が残るものの、先行き不透明感から利上げ時期の後ろ倒しが見込まれ、ドルは利上げ・利下げの両見通しの間で揺れつつも、据え置き期待が広がる状況となっている。 これまでは主要通貨の中で円のみに利上げ期待が広がり、金利差縮小による円高が予想されていたが、ユーロやポンドも利上げ見通しに転じたことで状況が変化した。4月に入りユーロ・円が史上最高値を更新するなど、円安の流れが加速している。欧州はハイパーインフレの歴史もあり、日米に比べてインフレへの警戒感が根強い。紛争が早期に終結へ向かったとしても、物価上昇圧力が残るとみられることから、利上げの流れが継続する可能性は高い。2026年中は欧州通貨買い・円売りの流れが継続する可能性がある。 ドル・円に関しては判断が難しい。パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の任期満了が5月15日に迫っており、次期議長候補であるウォーシュ元FRB理事の手腕次第という面がある。ウォーシュ氏はパウエル氏より利下げに前向きなハト派との見方が広がっているが、同氏はFRB理事時代、当時のバーナンキ議長による量的緩和(QE2)に反対して任期を残して退任するなど、過度な緩和には消極的な一面も持つ。FRBでは議長提案が過去一度も否決されたことがなく、議長の姿勢が金融政策に与える影響は極めて大きい。新議長の下で利下げが進められ、同時に日銀が利上げサイクルを再開させればドル売り・円買いとなるが、その実効性は依然として未知数である。 3) 米国中間選挙の影響 2026年は米国中間選挙の年である。現在は大統領・上院・下院をすべて共和党が占める「トリプルレッド」の状態だが、選挙によって勢力図に変化が生じれば、相場にも影響が及ぶ。紛争を受けてトランプ米大統領の支持率は低下しているが、選挙への影響は限定的との見方もある。上院は共和党が多数派を維持する公算が極めて大きい。 焦点は下院であり、現状は与野党がほぼ互角の争いを繰り広げている。仮に民主党が下院を奪還し、上下院で多数派が異なる「ねじれ現象」が生じれば、トランプ大統領の残り2年の任期はレームダック(死に体)化する可能性が高まる。これは大きなドル売り材料となるため、注視が必要である。 ■2026年これからの為替相場は? 米国とイランの紛争が落ち着かない限り、相場の先行き不透明感が拭えない状況が続く。そうした環境下で、投機的な動きにより円安が進んだ場合は、日本の通貨当局によるドル売り・円買い介入の実施が見込まれるため、有事警戒でのドル買い・円売りは限定的なものになりやすい。もっとも、状況の悪化により即座にドル買いが膨らむ可能性がある中で、ドル売り・円買いを進めることも困難である。中東情勢をにらんで相当に神経質な動きとなりつつも、値幅自体は抑制されるという展開が見込まれる。 紛争が落ち着けば、各国の金融政策動向が相場の注目材料となるだろう。ドル安の流れが見込まれる中、ドル・円は大きく下げる可能性がありそうだ。ポイントは155.00円である。同水準を明確に割り込むと、年内150.00円割れに向けた動きが加速する可能性がある。 ただ、留意すべきはユーロ・円などクロス円の堅調さである。ユーロやポンドが利上げに向かう中で米国が利下げに転じるようだと、ユーロ・ドルやポンド・ドルの上昇が強まり、ユーロ・円やポンド・円は、欧州通貨買いと円買いが交錯する展開となる可能性がある。中間選挙による相場への影響もドル中心となるだけに、ユーロ・円などは年内を通じてやや不安定な動きとなる可能性がある。 2026年4月28日 記 株探ニュース