次世代産業革命の原動力、「超電導関連」に流れ込む激アツ投資マネー <株探トップ特集>

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コラム

―核融合発電でも重要なポジションを担う、高市トレードの隠れた主役として浮上気配―

 「エネルギー革命」や「移動革命」が現実化する過程において、その裏側にはほぼ確実に一つの技術が存在する。それは「超電導」である。 リニアモーターカーから核融合炉の巨大磁場の生成まで、未来産業の根幹を支える基盤技術の一つであり、関連テーマがクローズアップされるにつれ、その底流で超電導の重要性が増してきているともいえる。株式市場でも超電導関連の銘柄が人気化素地を開花させる可能性が出てきた。

●「リニア」だけではない超電導の活躍ステージ

 「超電導」という言葉は、これまで株式市場的な文脈で言えば、例えばJR東海 <9022> [東証P]が現在建設を進めている「リニア中央新幹線」などで見聞きするのが最も身近だったのではないだろうか。開業予定日に関しては何とも言えない部分はあるが、開通すれば時速500キロメートルで走り、東京・大阪間をほぼ1時間(現在は2時間20分程度)でつなぐようになる。現在の東京への一極集中的な日本の人口の在り方にも、大きな変化をもたらす可能性がある。その意味でもリニア中央新幹線は非常に大きな意義があるとされている。

 再確認しておくと超電導は、特定の条件が揃うことで電気抵抗がゼロになる現象であり、電力損失をほぼ完全に排除できることが利点となる。例えば従来の電動機や送電では発熱によるエネルギー損失が避けられないほか、重量増加(冷却装置・配線・鉄心)による効率低下がボトルネックだった。ただ、超電導モーターやケーブルを用いれば、装置を大幅に小型・軽量化できるため、結果として航続距離や積載量の改善にもつながる。

 前述したリニアモーターカー以外にも、ジェットエンジン機に替わる次世代の「電動航空機」の実用化に際し、「重量」と「効率」という二大制約の解決にも超電導(高温超電導)が大きくかかわっている。また、最近の投資テーマとして急速に注目度が高まりつつある「核融合発電(フュージョンエネルギー)」についても超電導は存在感を発揮する。超電導がなければ、強磁場を作るコイルの電気抵抗によって巨大なジュール損失が発生する。その結果、電力消費が極めて大きくなり、発熱問題から長時間運転も困難になるため、超電導磁石を使わない方式を除いて核融合発電の商用化は成立しない、といっても過言ではない。

●フジクラ筆頭に電線大手は超電導でもコア銘柄に

 今後の日本という国家を考えるうえで、重要な成長ファクターとなるであろうさまざまな技術に関連している超電導。この基盤技術に、今後株式市場でテーマ買いの対象となる機会が高まる可能性を念頭に置きたい。

 超電導関連で中核となる銘柄はフジクラ <5803> [東証P]である。同社の高温超電導線材は、高温時でも超電導状態を維持し、極めて強い磁場を生成できるという特長がある。約60億円の投資を実行し、2027年度の高温超電導線材の生産能力が従来の約3~4倍になるよう工場を拡張しているが、今年の2月には56億円の追加設備投資を決定しており、生産能力は更に拡大する見通しだ。そのほか、古河電気工業 <5801> [東証P]や住友電気工業 <5802> [東証P]、SWCC <5805> [東証P]など電線セクターの銘柄群がコアになりそうだ。

 大手電線株以外では、三菱マテリアル <5711> [東証P]も注目。同社の子会社で中核商社である三菱マテリアルトレーディングが、銅などの非鉄金属、超硬工具、セラミックス、シリコンなどの素材を扱っている。電導線材では低温超電導(LTS)線材の世界的なリーディングカンパニーであるフィンランドのLuvata(ルバタ)社の日本市場向け正規代理店として、LTS線材の販売を行っている。

●今からマークしておきたい超電導5銘柄

◆東陽テクニカ <8151> [東証P]~世界の最先端計測技術を国内の研究開発現場に提供する技術専門商社であり、自社開発を行うメーカーの側面も持つ。米Lake Shore(レイクショア)社の超電導磁石用バイポーラ電源625型を扱っており、同製品は高感度物性研究で使われる中・小型の超電導磁石に適した理想的な電磁石電源である。

◆ティアック <6803> [東証S]~音響機器と情報機器領域で製品やソリューションを展開している。超電導体などの主要デバイスは手掛けていないが、高精度な測定データを記録するため、データレコーダーやトランスデューサー(計測器)は、周辺インフラとして注目される。

◆昭和真空 <6384> [東証S]~真空技術を核とした水晶デバイス製造装置や光学薄膜形成装置、電子部品用成膜装置を手掛ける。超電導体を用いた電子回路やセンサーの製造には、高純度な薄膜形成技術が必要であり、同社の蒸着装置やスパッタリング装置は、先端材料の試験・開発用装置として注目される。

◆神島化学工業 <4026> [東証S]~セラミックスの優れた特性に加え、固体レーザー発振素子をはじめとしたさまざまな分野で広く用いられているレーザー増幅用の核心素材「YAGセラミックス」を製造している。高熱伝導フィラーである合成マグネサイト「マグサーモ」は、超電導状態の維持に必要な冷却に関連した製品として注目。

◆助川電気工業 <7711> [東証S]~一貫して熱と計測の分野に取り組んできた研究開発型メーカーであり、原子力や核融合といったエネルギー分野で不可欠な技術を有している。核融合発電では、強力な磁場を発生させるために巨大な「超電導マグネット」が使われるため、同社の温度管理・計測技術が実験インフラとして期待される。

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