笹木和弘氏【リスクオフ加速、期末目前の急落相場の行方】(2) <相場観特集>

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コラム

―日経平均は一時5万円トビ台に、一段の下落余地は?―

 23日の東京株式市場は日経平均株価が続急落となった。一時は2600円以上の下げをみせ5万円トビ台まで水準を切り下げるなどリスク回避ムード一色に染まった。中東情勢の緊迫化を背景に原油価格の高騰や長期金利の上昇などが株式市場でも強く警戒される状況となっている。外部環境が厳しさを増すなか、ここからの相場展望について、目利きの市場関係者はどういう見解を示しているのか。今回は松井証券の窪田朋一郎氏、フィリップ証券の笹木和弘氏の2人に意見を聞いた。

●「約4年サイクルの下落局面入りの可能性、高値から2割下落も」

笹木和弘氏(フィリップ証券 リサーチ部長)

 イラン情勢が緊迫化し、ホルムズ海峡の封鎖解除に向けて市場の関心は高まっている。ただ、すでに中東地域の石油関連設備の損壊は進み、国際エネルギー機関(IEA)は市場の復旧には半年程度はかかる、との見方を示しており、原油価格は高止まりする可能性がある。また、原油価格の上昇を受けて、日米欧の中央銀行はインフレ加速を警戒している。中東情勢の影響は、本丸の金融政策にも出始めている。米国の主要指数はすでに200日移動平均線を下回る状態にある。

 もっとも、今回の相場の下落は、中東情勢はきっかけに過ぎず、景気循環の側面から調整に入った可能性もある、とみている。景気サイクルでは平均40ヵ月周期の「キチンの波」が知られているほか、米中間選挙の年は株価が安いと言われる。干支のアノマリーで言えば今年は「午(うま)尻下がり」の年にもあたる。

 年初までは韓国や日本、台湾などが買われたが、足もとでは原油価格の上昇に強い資源国のブラジルやマレーシアなどが買われグローバルな資金の流れにも変化がみられる。

 日経平均株価は、4年半前の21年9月高値3万795円から22年3月安値の2万4681円まで約20%下落した。コロナショック時を除けば、18年10-12月には約22%、15年6~16年2月には約29%下落している。

 おおまかに4年前後のサイクルで2割強の下落に見舞われているとみるなら、今回の下落の下値メドは4万7000円前後と試算できる。これは昨年10月の高市早苗自民党総裁の誕生の頃の水準だ。当面の戻りの上値メドは5万3000円前後だと思う。

 個別銘柄では、原油相場などの影響が少ない企業に注目したい。スポーツ関連のミズノ <8022> [東証P]は、28年のロサンゼルス五輪に絡み見直し余地があると思う。同五輪では野球が復活するほか、約128年ぶりにクリケットが採用される。ミズノはインド向けなどでクリケット用具の販売にも注力している。また、コーポレートガバナンス・コード改定を背景とした親子上場の解消に絡んだ動きからも目が離せない。イオン <8267> [東証P]系のキャンドゥ <2698> [東証S]はシールブームも追い風となっている。また、東映 <9605> [東証P]子会社でキャラクター関連の東映アニメーション <4816> [東証S]なども注目できる。

(聞き手・岡里英幸)

<プロフィール>(ささき・かずひろ)
証券会社にて、営業、トレーディング業務、海外市場に直結した先物取引や外国株取引のシステム開発・運営などに従事。その後は個人投資家の傍ら投資セミナー講師として活躍。2019年1月にフィリップ証券入社後は、米国・アセアン・香港・日本市場にまたがり、ストラテジーからマクロ経済、個別銘柄、コモディティまで多岐にわたる分野でのレポート執筆などに精力的に従事。


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