【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─ 年末相場の「勝ち筋6銘柄」をピックアップ!
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「年末相場の『勝ち筋6銘柄』をピックアップ!」 ●「企業収益+国策テーマ」での選別が基本に 東京市場はいま日銀による年内利上げ観測と、財務省の財政拡張方針という相反する政策を意識しながら、積極的には動きにくい状況が続いている。それでもトレンドが大きく崩れているわけではなく、高値圏での小さな押し目を挟みつつ、11月初旬の高値からのもみ合いが継続している。 気掛かりなのは、日経平均株価が25日移動平均線を割り込んで横ばいで推移してきた点だ。これは出来高が細っており、上抜けの勢いを欠いているためで、12月4日に上抜いたかとみられたが週末5日には再び同線近くまで押し戻されている。まずは25日線を上放れることができるかが当面の焦点となる。 一方、米国では雇用指標が強く、新規失業保険申請件数や継続受給者数が大きく減少した。本来なら景気の底堅さを示す好材料となるはずだが、市場は「利下げの後ずれ」を懸念し、株価にはむしろ下落圧力となっている。株式市場で、好材料が必ずしも株高につながらない典型例と言えるだろう。したがって、いまの相場では「経済の強さ=金利高=株価下押し」という構図を常に意識する必要がある。 こうした中、日銀の植田総裁が「12月の金融政策決定会合では利上げを議題にする」と明言し、市場は年内0.25%の利上げを織り込み始めた。0.5%のサプライズ引き上げは現状では可能性が低く、日銀としては「正常化の第一歩」を慎重に踏む姿勢とみられる。利上げ直後は円高に振れやすく、輸出株が一時的に売られる可能性もあるが、銀行株や保険株には追い風になる。本来、利上げを行えるのは景気に底力がある証拠でもあり、悲観する必要はないのだ。 対応策としては、為替に敏感な輸出関連株が円高で下押しした局面を押し目買いすること、金融株の上昇期待を素直に取りに行くことが重要になる。短期の振れに惑わされず、企業収益と国策テーマを軸に判断することが、年末相場の勝ち筋になるからだ。 ●有望株は高市関連だけではない そこで、具体的にどんな銘柄に投資すべきか。引き続き「高市革命」とも言うべき高市政権が選定した成長戦略17分野に関連する銘柄に乗りたい。 これが基本となるものの、すでに多くの銘柄を取り上げてきたため、今回はやや視点を変えて「高市革命」関連とはいえない銘柄から選ぶことにしよう。 まずは久しぶりにFOOD & LIFE COMPANIES <3563> [東証P]になる。回転寿司「スシロー」を運営する企業で業界首位。世界展開にも積極的で、このほど発表された11月度の国内既存店売上高を見ると、前年同月比9.4%増。28カ月連続の増収という好結果だ。寿司人気の強さを改めて知らされた思いだが、今後は季節柄、集客力がさらに高まる。こう見てよいため、株も続伸が見込める。 メック <4971> [東証P]という会社をご存じだろうか。パッケージ基板用の銅表面処理、つまりメッキに強い企業だ。特殊技術のため世界的にも存在感があり、需要も拡大基調となっている。なかなか人気は沸きにくいものの、高い技術力に支えられているため、株価は高値圏ながら続伸する確率が高いとみる。 フジテレビ問題でテレビ局株は手掛けづらくなっていたが、それでも私は日々テレビを見ている。事務所では一日中テレビを点けて仕事をしており、特によく見るのがテレビ東京だ。朝の韓国ドラマから始まり、ジャパネットのショッピング番組、「あなたのご飯を見せてください」や午後の映画などの番組を流しているのだが、困るのはやたらにCMが多いこと。だが、それだけ広告収入を得ていることになり、テレビ東京ホールディングス <9413> [東証P]も好業績と見てよい。株価は目先調整中となっているため、押し目狙いの好機に見える。 自動車株にも目を向けておくと、東海理化電機製作所 <6995> [東証P]がある。トヨタ自動車 <7203> [東証P]系の自動車部品会社で、トヨタが30%超の株式を保有しており、主力製品はスイッチ、キーロック、シートベルトなどだ。そのほとんど、80%近くはトヨタ向けで、収益は当然トヨタグループ各社製品の販売動向に左右される。いまはそれがプラスに働いており、米国の関税引き上げにもかかわらず、販売は拡大が続いている。今期配当は105円と10円増配するほどの余裕があり、株も続伸確率が高い。 最後に、アサヒグループホールディングス <2502> [東証P]とアスクル <2678> [東証P]を。ともにランサムウエアの攻撃を受けて業務運営が滞っていたが、ようやく正常化のメドが立つようになったとのこと。株式市場は両社が被害者であるにもかかわらず株を叩き売り、いまもまだ売り目線となっているものの、今後次第に見直し買いが入ってくる。こう見てよく、少し時間はかかるだろうが現在水準あたりで投資しておきたい。 2025年12月5日 記 株探ニュース
