話題株ピックアップ【夕刊】(1):日電硝、ファナック、安川電
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■日本電気硝子 <5214> 6,335円 +569 円 (+9.9%) 本日終値 東証プライム 上昇率2位 日本電気硝子<5214>は朝高後に下げに沈む場面があったが持ち直し、その後年初来高値を更新した。同社は2日午前10時ごろ、AIサーバーにおける最先端半導体とともに用いられる低誘電ガラスファイバー「D2ファイバ」を開発し、販売を始めると発表。将来的な業績への貢献を期待した買いが入り、株価を下支えしたようだ。同社によると第2世代と呼ばれる低誘電ガラスファイバーとして世界トップの誘電正接を実現。信号の伝送損失を抑えて通信の高速化・大容量化につなげ、AIサーバーやデータセンターの性能向上に貢献する。また。通信ロスによる熱発生を低減できることから、冷却負荷や消費電力の抑制も可能になるとしている。 ■ファナック <6954> 5,366円 +328 円 (+6.5%) 本日終値 東証プライム 上昇率7位 ファナック<6954>は物色人気加速。朝方カイ気配で始まる人気となり、きょうで6連騰と上げ足を強めている。同社は前日に東京都内で開催した技術発表会で米半導体大手エヌビディアと協業することを明らかにした。同社は工作機械用NC装置の世界トップメーカーで産業用ロボットでも屈指の商品競争力を誇る。現在、人工知能(AI)とロボットを融合させ自律的に作動させる「フィジカルAI」が世界的にテーマ視されており、同社はエヌビディアとの連携でその流れを捉え、業容拡大に本腰を入れる構えだ。これがポジティブサプライズとなり機関投資家などの大口買いを呼び込む格好となった。 ■FFJ <7092> 2,306円 +123 円 (+5.6%) 本日終値 東証プライム 上昇率8位 Fast Fitness Japan<7092>は大幅高。1日取引終了後、投資ファンドの日本成長投資アライアンス(東京都港区)と組み、MBOを実施すると発表した。買い付け価格は1株2315円で、これにサヤ寄せする格好となった。買い付け予定数は990万5452株(下限325万4600株、上限設定なし)、買い付け期間は12月2日~来年1月20日。TOB成立後に上場廃止となる予定で、これを受けて東京証券取引所は1日付で同社株を監理銘柄(確認中)に指定した。 ■安川電機 <6506> 4,212円 +188 円 (+4.7%) 本日終値 安川電機<6506>が反発。同社は1日、ソフトバンク<9434>とフィジカルAIの社会実装に向けて協業を開始したと発表しており、これが材料視されたようだ。両社はロボティクスに人工知能(AI)と通信技術を融合し、ロボットが対応できる作業領域を拡張することで、より多様な環境でロボットが力を発揮し、人と同じ空間で安全かつ柔軟に協働できる未来の実現を目指す構え。その第一歩として、オフィス環境で活躍するフィジカルAIロボットのユースケースを共同で開発し、今月に開催される国際ロボット展で公開するとしている。 ■ケイアイスター不動産 <3465> 6,290円 +230 円 (+3.8%) 本日終値 ケイアイスター不動産<3465>は3連騰。連日で年初来高値を更新した。SMBC日興証券が1日付で投資評価を「2(中立)」から「1(アウトパフォーム)」へ、目標株価を5500円から7300円へ引き上げたことが材料視された。同証券によると、26年3月期は分譲戸建ての需給バランスや仕入れ注力エリアの変化が寄与し、販売単価は会社想定を上回っていると推察。注文住宅事業は低調だが、その他の事業でカバーできるとみており、これらを踏まえると第3四半期決算公表時での上方修正が期待できるという。27年3月期は棟数増加による増益が予想され、海外事業の進展にも注目としている。 ■太陽誘電 <6976> 3,474円 +118 円 (+3.5%) 本日終値 太陽誘電<6976>は6日続伸。2日、2012サイズ(2.0×1.25ミリメートル)の基板内蔵対応型の積層セラミックコンデンサー(MLCC)として、世界初の大容量となる100μFを実現した商品を11月から量産していると発表しており、将来の業績への貢献を期待した買いが集まった。太陽誘電によると、AIサーバーをはじめ高度な情報処理能力を持つ機器には電力消費が極めて多い集積回路(IC)が搭載されており、大電流に対応するためデカップリング用途へ小型で大容量のMLCCが必要になる。同社は今後、更なる大容量化などを視野に入れた商品開発を進めていくという。 ■NEC <6701> 5,883円 +186 円 (+3.3%) 本日終値 NEC<6701>が6日ぶりに反発した。同社は2日、製造業の調達業務において最良の取引条件を自律的に生成し、サプライヤーと交渉するAIエージェントサービスの提供を開始すると発表。これを材料視した買いが入ったようだ。複雑な納期・数量調整交渉を自動化し、業務効率の大幅な向上を実現するという。 ■三井住友FG <8316> 4,918円 +147 円 (+3.1%) 本日終値 三井住友フィナンシャルグループ<8316>が9日続伸。大和証券は1日、同社株の投資判断「2(アウトパフォーム)」を継続するとともに、目標株価を4400円から5400円に引き上げた。同証券では、25年度の連結純利益は1兆5000億円(前期比27%増)と会社目標の達成を予想。26年度の同利益は1兆6500億円、27年度は1兆7500億円と増益継続を見込んでいる。株価に割安感があるほか、今後の自己資本利益率(ROE)上昇も期待でき「短期・中長期ともに投資魅力は大きい」と指摘している。 ■マネックスグループ <8698> 751円 +20 円 (+2.7%) 本日終値 マネックスグループ<8698>は3日ぶり反発。政府・与党が仮想通貨(暗号資産)の取引で得た所得に分離課税を適用する方向で調整に入ったと、複数のメディアが1日に報じた。分離課税の対象になると株式などの金融商品と同じく、一時20%の税率が課されるようになる。現行の総合課税方式では最大55%の税率が課されている。税負担軽減による将来的な暗号資産取引の活発化が期待され、国内取引所大手のコインチェックをグループ傘下に持つ同社に追い風になるとの見方から思惑的な買いが向かったようだ。マネックスGはコインチェックの中間持ち株会社コインチェック・グループ を2022年に設立し、24年に米ナスダック市場への上場を果たしている。1日の米国株市場でコインチェック・グループ株は前営業日比2.4倍の7.88ドルと急騰しており、これも刺激材料になったとみられる。 ■ハーモニック <6324> 3,200円 +85 円 (+2.7%) 本日終値 ハーモニック・ドライブ・システムズ<6324>が5日移動平均線をサポートラインに上値指向鮮明、きょうで6連騰となり約1カ月半ぶりに3300円台まで上値を伸ばす場面があった。人工知能(AI)をロボットや自動運転分野に実装することで、人間の指令なしで自律的に作動する「フィジカルAI」が世界的にテーマ視されている。同社は精密減速機メーカーでヒト型ロボットへの展開を摸索していることで、その関連有力株としてスポットが当たった形だ。きょうは、ファナック<6954>が米半導体大手エヌビディア と協業してフィジカルAI分野を深耕する方針を明らかにしたことから大幅高に買われ、マーケットの注目を集めた。これに先立ち10月には、ソフトバンクグループ<9984>が大商いで10%を超える急騰を演じマーケットで話題となった経緯があるが、株価を突き動かしたのは、スイスの大手重電メーカーであるABBのロボット事業買収を発表したこと。ソフトバンクGはAIロボティクスに経営資源を惜しみなく投入し、会見の席で孫正義会長兼社長が、次世代成長分野としてフィジカルAIに積極的に舵を切る考えを標榜したことが材料視されたものだ。これらが伏線となって、ファナックとエヌビディアとの連携発表が起爆剤となり、ハーモニックなど同分野に着目するロボット周辺企業に投資資金を誘導する契機となっている。 株探ニュース
