午後:債券サマリー 先物は大幅続落、長期金利1.875%に上昇
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1日の債券市場で、先物中心限月12月限は大幅続落。日銀の植田和男総裁が名古屋市で行われた金融経済懇談会に出席し、そこでの発言が12月利上げに向けた地ならしと受け止められた。 高市早苗政権が11月28日に閣議決定した2025年度補正予算案は、一般会計の総額が18兆3034億円と補正予算の規模としては新型コロナウイルス禍以降で最大となり、市場では財政悪化への警戒感がくすぶっている。また、財務省が同日に補正予算案にあわせて国債発行計画を見直し、通常の入札を通じた「カレンダーベース」での市中発行額を2年債と5年債でそれぞれ3000億円増やすと発表したことで、中期債の需給の緩みが意識されたことも相場に影響した。債券先物は売り優勢で始まり、植田総裁が「次回の金融政策決定会合で、利上げの是非について適切に判断したい」との見解を示したことが伝わると、先物は12月利上げを織り込むかたちで下げ幅を拡大。午後には財務省があす2日に実施する10年債入札を前にした調整売りなどもみられ、引け間際には134円38銭まで下押す場面があった。 先物12月限月の終値は、前週末比70銭安の134円43銭となった。一方、現物債市場で10年債の利回りは午後3時時点で、前週末に比べて0.070%高い1.875%と17年半ぶりの高水準で推移している。 出所:MINKABU PRESS
