前週末28日に「買われた株!」総ザライ (2) ―本日につながる期待株は?―

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材料

■エンビプロ <5698>  607円 (+41円、+7.2%)

 エンビプロ・ホールディングス <5698> [東証S]が7日続急伸。金属スクラップや産業廃棄物を収集し分別加工を行う資源リサイクル事業を展開する。中国の レアアース輸出規制の動きなどを背景に、東京市場ではここ都市鉱山関連株への波状的な買いが続いていた。既にアサカ理研 <5724> [東証S]は前日27日までの直近2週間あまりで株価は2倍近くに上昇するなど上値指向の強さが際立っていた。そうしたなか、株価500円台に位置していた同社株もレアアース関連の出遅れ株としてにわかに注目度が高まっていた。株式需給面でも信用買い残が直近ピーク時であった10月中旬から大幅に整理が進んでいたことで、上値の軽さが意識されていた。

■INCHD <7078>  417円 (+28円、+7.2%)

 INCLUSIVE Holdings <7078> [東証G]が急反発。同社は27日、地域創生を推進する47partners(東京都豊島区)と同分野で業務提携を開始したことを明らかにしており、これが材料視されたようだ。これは地域資源を生かした事業開発及び情報発信に関するもの。協業の主な取り組みとして「メディア事業で培ったノウハウを生かした地域プロジェクトのマネジメント及び広報・情報発信支援」「埋もれた地域資源を都市や海外からも選ばれる商品・ブランドへ磨き上げる企画・プロデュース」などを挙げている。

■JCRファ <4552>  783円 (+50円、+6.8%)

 東証プライムの上昇率9位。JCRファーマ <4552> [東証P]が6日続急伸。同社は遺伝子組み換え天然型ヒト成長ホルモン製剤「グロウジェクト」を主力とし、直近は薬価引き下げの逆風を数量増で補っており、26年3月期は営業黒字転換が見込まれている。再生医薬品では健康な人の骨髄から抽出した間葉系幹細胞を使った細胞医薬品「テムセル」などでニーズに応えるほか、ハンター症候群治療酵素製剤「パビナフスプ アルファ」など新薬開発に向けた動きも注目されている。極めて高難度の血液脳関門の通過技術「J-Brain Cargo」を活用した世界初の医薬品「イズカーゴ」を上市して耳目を集めた経緯があり、開発力の高さにも定評がある。株価は10月末の決算発表を契機に中段もみ合い圏を離脱、今月下旬に入って機関投資家とみられる波状的な投資資金の流入が観測され、株価は動兆しきりとなっていた。

■中発条 <5992>  3,800円 (+205円、+5.7%)

 中央発條 <5992> [東証S]が3日続急伸。28日午後2時ごろに26年3月期の連結業績予想について、最終利益を19億円から105億円(前期比5.7倍)へ上方修正したことが好感された。為替相場が想定よりも円安に推移していることで、保有する外貨建資産に対する為替評価差が発生していることに加えて、保有していた投資有価証券を売却したことによる売却益が発生することが要因としている。なお、売上高1100億円(同0.1%減)、営業利益25億円(同43.0%減)は従来見通しを据え置いた。

■マンダム <4917>  2,513円 (+85円、+3.5%)

 マンダム <4917> [東証P]が大幅高で3日続伸。同社は27日の取引終了後、MBO(経営陣が参加する買収)の一環としてカロンホールディングス(東京都千代田区)が実施するTOB(株式公開買い付け)に関し、買付価格が1株2520円(従来は1960円)に引き上げられたと発表。マンダムの株価はTOB価格にサヤ寄せをする動きをみせた。あわせて、旧村上ファンド系のシティインデックスイレブンスや野村絢氏らが、TOBに応募する契約を締結したことも明らかにした。買付期間の期限は12月4日から18日までに延長する。

■アルコニクス <3036>  2,375円 (+68円、+3.0%)

 アルコニックス <3036> [東証P]が反発。28日午後1時ごろ、子会社の富士カーボン製造所が進める中国拠点再編の一環として2026年12月に昆山の中国拠点を閉鎖すると発表。選択と集中に向けた動きを受け、買いが入ったようだ。昆山の拠点が行っている自動車電装部品などに使う各種カーボンブラシの製造は、広州の拠点などに移管する。

■大同特鋼 <5471>  1,581円 (+43.5円、+2.8%)

 大同特殊鋼 <5471> [東証P]が4日続伸。同社は28日、ロボットの小型化につながる光学式エンコーダー用赤外点光源LEDを開発したと発表。12月からサンプルの受注受付を開始するとしており、これが買い手掛かりとなったようだ。

■TKP <3479>  1,842円 (+47円、+2.6%)

 ティーケーピー <3479> [東証G]が7日続伸。28日、10月31日付でVRエンターテインメントの企画・制作を手掛けるAquaVision(東京都新宿区)株式の30%を取得して関連会社とし、VR事業に参入したと発表したことが好材料視された。また、同時に資本・業務提携契約を締結し、第1弾プロジェクトとして12月23日から東京タワーでプラド美術館のVRアート展「Art Masters:プラド美術館所蔵品VR展」を開催するとしている。

■DyDo <2590>  2,548円 (+62円、+2.5%)

 ダイドーグループホールディングス <2590> [東証P]が反発。27日の取引終了後に発表した第3四半期累計(1月21日-10月20日)連結決算は、売上高1849億5000万円(前年同期比2.7%増)、営業利益52億1800万円(同18.3%減)、最終利益4億6800万円(同93.5%減)と増収減益となったものの、最終損益が通期計画を上回って着地したことが好感されたようだ。海外飲料事業で主力のトルコ飲料事業において、戦略的な価格改定と機動的な販売促進活動、広告投下の効果などにより増収となったことで、全体の売上高も増収となった。ただ、国内事業は消費者の節約志向などで飲料の販売数量が減少したほか、サプリメント通販チャネルにおける定期顧客の減少などもあって減収減益となり、全体の営業利益も減益となった。なお、26年1月期通期業績予想は、売上高2434億円(前期比2.6%増)、営業利益18億円(同62.4%減)、最終損益30億円の赤字(前期38億400万円の黒字)の従来見通しを据え置いた。

■渋沢倉 <9304>  1,184円 (+18円、+1.5%)

 澁澤倉庫 <9304> [東証P]が3日続伸。28日午後2時ごろ、保有するフジテック <6406> [東証P]株式全てを、Bospolder1が実施する公開買い付けに応募すると発表。これに伴い、26年3月期第3四半期に投資有価証券売却益26億5800万円を特別利益として計上する見込みであることが好感された。なお、通期業績予想への影響はその他の要因も含め精査中としている。

■アサヒ <2502>  1,812.5円 (+26円、+1.5%)

 アサヒグループホールディングス <2502> [東証P]が反発。27日にサイバー攻撃を受けた勝木敦志社長の会見と事業進捗説明会を開催。今後の業績見通しとして、日本・東アジアでは、10月以降の売上収益や事業利益は計画を大幅に下回る見込みだが、日本の各種システム及び各事業の出荷数量は徐々に回復しており、早期に受注・出荷体制の正常化を目指すとしていることから、業績悪化は避けられないものの、悪材料はいったん出尽くしとの見方が広がったようだ。

■タウンズ <197A>  531円 (+7円、+1.3%)

 タウンズ <197A> [東証S]が反発。27日の取引終了後、丸紅 <8002> [東証P]の100%子会社で、AIやその他先進的技術を適用した医療機器・サービスの開発、製造、販売・貸与を行うクレアボ・テクノロジーズ(東京都中央区)の全株式を12月に取得し子会社化すると発表しており、好材料視された。タウンズでは、30年6月期までの中期経営計画において、「診断技術とデータで、社会課題を解決する」というビジョンを掲げ、重要施策として「慢性疾患分野を対象とする新たな診断技術の導入」や「医療研究を加速するためのデータ活用基盤の構築」を推進。クレアボの事業基盤と製品パイプライン群はこれらの重要施策の遂行を加速し、中期経営計画の達成に大きく寄与することが期待されている。なお、同件が業績に与える影響は軽微としている。

■コクヨ <7984>  932.5円 (+9.3円、+1.0%)

 コクヨ <7984> [東証P]が反発。27日の取引終了後に、自社株2200万株(消却前発行済み株数の4.75%)を12月25日付で消却すると発表しており、好材料視された。なお、消却後の発行済み株数は4億4096万9852株となる。

※28日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

株探ニュース

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