前週末28日に「買われた株!」総ザライ (1) ―本日につながる期待株は?―

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材料

■ウイルコHD <7831>  110円 (+30円、+37.5%) ストップ高

 ウイルコホールディングス <7831> [東証S]がストップ高。東京証券取引所が27日、同社株に対する監理銘柄(確認中)の指定を解除すると発表した。改善期間の終了時点で上場維持基準(流通株式時価総額)への適合が確認できていなかったが、ウイルコHDから提出された「株券等の分布状況表」に基づく審査の結果、適合が確認されたため。これが手掛かりとなったようだ。

■ラクオリア <4579>  904円 (+150円、+19.9%) ストップ高

 ラクオリア創薬 <4579> [東証G]がストップ高。27日の取引終了後、子会社のファイメクスがアステラス製薬 <4503> [東証P]と取り組む共同研究について、新規標的を2つ追加することで合意し一時金4億円を受領することになったと発表しており、材料視した買いが集まった。両社は2022年に共同研究契約を締結し、がんを標的疾患として複数の標的を対象とした標的タンパク質分解誘導剤を探索してきた。開発候補化合物が同定され新たな医薬品の製品化に至った場合は、進捗に応じたマイルストーンとして150億円を超える金額が手に入る場合もあるうえ、製品の売上高に対し料率1ケタ台のロイヤルティーを受け取る可能性がある。

■イーソル <4420>  557円 (+80円、+16.8%) ストップ高

 イーソル <4420> [東証S]がストップ高。27日の取引終了後、同社のexFATに対応したファイルシステム(データ管理ソフトウェア)「PrFILE2 exFAT」が、任天堂 <7974> [東証P]のゲーム機「ニンテンドースイッチ2」に採用されたと発表しており、これを好感した買いが流入した。「PrFILE2 exFAT」は、32ギガバイトを超える大容量メディアに最適化されており、microSDカードのデータの読み書きを高速で行うファイル操作機能を提供している。なお、今回の「PrFILE2 exFAT」の「ニンテンドースイッチ2」への採用は、「ニンテンドースイッチ」「ニンテンドースイッチ・ライト」に続く続いての採用となる。

■中越パ <3877>  2,047円 (+242円、+13.4%)

 東証プライムの上昇率トップ。中越パルプ工業 <3877> [東証P]が3日続急騰。2000円台に乗せ、2018年1月以来7年10ヵ月ぶりの高値圏に浮上した。27日の取引終了後、配当政策を変更し、27年3月期からは連結配当性向30%と株主資本配当率(DOE)2.5%を指標として配当額を決める方針にすると発表した。あわせて26年3月期の期末配当予想を前回予想から10円増額の50円に上方修正しており、株主還元に対する前向きな姿勢を評価した買いが流入した。年間配当予想は90円(前期は70円)とする。同時に27年3月期から31年3月期までの中期経営計画を開示。31年3月期までに営業利益80億円(26年3月期計画は37億円)、自己資本利益率(ROE)8%を目指す。新規事業に着手するほか、脱プラスチック需要を取り込むパッケージング用紙の販売促進や耐油紙をはじめとする高付加価値品の開発、抄紙機の改造や生産集約などによる事業構造の転換を進める。

■コロンビア <146A>  3,590円 (+410円、+12.9%)

 コロンビア・ワークス <146A> [東証S]が3日続急騰。27日の取引終了後、25年12月期の連結業績予想について、営業利益を47億2900万円から56億円(前期比43.9%増)へ、純利益を27億5000万円から30億8000万円(同37.6%増)へ上方修正し、あわせて期末一括配当予想を69円から70円へ引き上げたことが好感された。今期販売分の一部を26年12月期以降の販売とすることから、売上高は396億1800万円から368億円(同75.4%増)へ下方修正したが、不動産開発事業において期初計画では保守的な原価計算をしていたことに加え、想定を上回る額での販売が複数あったことから利益予想を増額した。同時に、67万1200株の公募による新株式の発行と、10万600株を上限とするオーバーアロットメントによる売り出しを実施すると発表した。発行・売出価格は12月8日から10日までのいずれかの日に決定する予定で、調達資金22億6836万円(上限)は、全額を不動産開発事業における不動産の新規取得及び開発に係る運転資金に充当する。

■AKIBA <6840>  369円 (+41円、+12.5%)

 AKIBAホールディングス <6840> [東証S]が4日続急騰。増設メモリーやフラッシュモジュールなどメモリー製品の販売を手掛け、米エヌビディア  製品の取り扱い実績も豊富だ。また、電子部品大手のローム <6963> [東証P]とはAIソリューションパートナー契約を締結している。ここ生成AI市場の急拡大を背景としたAIサーバー向け需要が引き金となって、メモリー価格の高騰が顕著となっている。同社などメモリー製品を販売する企業にとって追い風が強まるとの見方が投資資金の食指を動かしていたもようだ。

■三井E&S <7003>  6,867円 (+674円、+10.9%)

 東証プライムの上昇率3位。三井E&S <7003> [東証P]が続急騰。高市早苗政権が打ち出す財政出動を伴う経済政策にマーケットの関心が向かうなか、かつての日本のお家芸であった造船業界も国策の後押しが見込まれる状況となっている。国土交通省が造船業の設備投資を支援する「造船業再生基金」を設け、2025年度の補正予算案に1200億円を計上する方針が伝わっている。船舶用ディーゼルエンジンのトップメーカーである同社への収益メリットが期待される状況で、投資マネーの攻勢を改めて誘導する格好となっていた。加えて市場では「ゴールドマン・サックスが(同社株を)投資判断最上位、目標株価7800円で新規カバレッジ対象に掲げており、これに反応した投資マネーの買いに弾みがついた。造船業界については官民連携で総額1兆円規模の投資を行うという話も出ていることで、ファンド系資金も右に倣えで一斉に買いに動いたようだ」(中堅証券ストラテジスト)としている。

■ダイトーケミ <4366>  301円 (+29円、+10.7%)

 ダイトーケミックス <4366> [東証S]が3日続急騰。 半導体集積回路製造用のフォトレジストなどに使用される感光性材料の製造や写真材料、医薬中間体などを手掛けるが、今期業績は好調な推移をみせ、25年4-9月期は営業利益段階で前年同期比14%増益と2ケタ成長を確保している。好業績を背景に株主還元にも前向きな姿勢をみせており、27日取引終了後に株主優待制度の導入を発表した。毎年3月末時点で1000株以上を保有する株主を対象に図書カードNEXT1000円分、保有期間1年以上の場合は3000円分を贈呈、初回の26年3月末に限って継続保有期間にかかわらず3000円分の図書カードNEXTを贈呈するというもので、これを好感する買いが集中した。なお、同社の年間配当は26年3月期に8円を計画しており、配当利回りは前日27日終値換算で3%近くに達していた。

■ミナトHD <6862>  1,180円 (+95円、+8.8%)

 ミナトホールディングス <6862> [東証S]が4日続急伸。26年3月期上期の好決算発表を受け12日にマドを開けストップ高に買われたが、その後も強調展開を維持、足もとで再び上昇ピッチを強め大勢2段上げの様相を呈していた。産業機器向けメモリーモジュール(コンピューター記憶装置)を主力とし、システム構築やエンジニア派遣といったソリューションビジネスでも需要開拓が進んでいる。そうしたなか、DRAMを中心とする半導体メモリー製品の価格高騰により同社にも収益メリットが及んでいる。生成AI市場の急拡大を背景としたAIデータセンター向けSSDの需要急増に加え、最近では中国のメモリー最大手CXMTが、AI半導体であるHBM(広帯域メモリー)へリソースを集中する方針に舵を切り、現在普及しているDRAM生産を段階的に終了させることが伝わった。メモリー価格を急速に押し上げる背景となっており、株式市場でもこれに伴い商機が高まっている企業に投資マネーが注目し始めた。ミナトHDは上期の好業績をベースに、今期業績予想の上振れへの期待が一段と現実味を帯びている。同社の通期営業利益は前期比11%増の8億5000万円を計画しているが、上期段階で7億円(前年同期比50%増)を達成しており、通期予想も大幅に増額される可能性がある。

■ヨコレイ <2874>  1,369円 (+106円、+8.4%)

 東証プライムの上昇率5位。ヨコレイ <2874> [東証P]が急伸。同社は28日午後1時30分ごろ、不動産投資顧問業を営むベントール・グリーンオーク(東京都港区)と戦略的パートナーシップに関する基本合意を締結したと発表。これが材料視されたようだ。基本合意の内容は「新設冷蔵物流センターの共同開発」「港湾冷蔵物流センターの建て替えに対する共同での取り組み及び老朽化した物流センターの共同再開発」「ヨコレイの海外事業の展開支援」「資産流動化の推進」など。対象物件・具体的条件・スキームなどについては、両社で協議のうえ個別契約などで定める予定だとしている。

■窪田製薬HD <4596>  54円 (+4円、+8.0%)

 窪田製薬ホールディングス <4596> [東証G]が急伸。27日の取引終了後、遠くを見ている映像環境を再現するメガネ型AR(拡張現実)デバイス「Kubota Glass」について、中国・武漢昌久視康医療器械と販売特約店契約と売買契約を締結したと発表しており、業績への貢献が期待されている。今回の契約により武漢昌久に対して、販売地域制限のない非独占販売権を付与する。武漢昌久は、眼科・視力関連分野に特化した医療機器やコンタクトレンズなどを取り扱う販売会社で、複数ブランドの製品を扱うディストリビューター。武漢市を拠点として、湖北省・湖南省・江西省の病院およびクリニック向けに販売を行っていることから、窪田製薬HDでは今後、武漢昌久と協力し、湖北省・湖南省及び江西省における「Kubota Glass」の販売拡大に取り組むとしている。

■エスクロAJ <6093>  155円 (+11円、+7.6%)

 エスクロー・エージェント・ジャパン <6093> [東証S]が急伸。27日の取引終了後、100%子会社サムポローニアが開発した相続支援システム「AI相続ミツローくん」が、富士通 <6702> [東証P]の金融機関向け相続支援サービス「FinSnaviCloud」のオプションサービスに採用されたと発表しており、これを好感した買いが入った。「FinSnaviCloud」は、富士通が提供する金融機関向けの相続支援クラウドサービスで、煩雑な相続手続きのフルデジタル化を支援し、窓口・事務センター業務の効率化や顧客へのスムーズな案内を可能とすることから、全国の銀行をはじめとする金融機関で広く活用されている。一方の「AI相続ミツローくん」は、サムポローニアが独自に開発した相続人特定に特化したシステムで、戸籍謄本から相続関係説明図を自動生成し、法定相続人の特定や相続分の計算までをワンストップで実行する。今回の採用は、金融機関向けの相続支援サービスで日本で初めて相続関係説明図の自動作成及び法定相続人の自動判定機能を提供する事例となるとしており、相続事務手続の効率化が期待されている。

■弁護士COM <6027>  2,943円 (+205円、+7.5%)

 弁護士ドットコム <6027> [東証G]が急反発。27日の取引終了後、東京証券取引所の承認を受けて、12月4日付で東証グロース市場から東証プライム市場へ市場変更されることになったと発表しており、指数連動ファンドなどによる買い需要発生を先取る形で買われた。同社は日本最大級の弁護士/法律ポータルサイト「弁護士ドットコム」の運営やクラウド型電子契約サービス「クラウドサイン」の提供が主な事業。26年3月期連結業績予想は、売上高161億円(前期比14.4%増)、経常利益20億円(同42.3%増)を見込む。

※28日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

株探ニュース

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