前日に「買われた株!」総ザライ (1) ―本日につながる期待株は?―

投稿:

材料

■トランスGG <2342>  327円 (+80円、+32.4%) ストップ高

 トランスジェニックグループ <2342> [東証G]がストップ高。 創薬マウス作製受託で高い実績を有しており、企業間連携の動きに積極的なほか、前期買収した子会社の収益貢献などもあり、26年3月期は営業損益段階からの黒字転換が見込まれている。今年6月、日本国内において「エクソンヒト化マウス」に関する特許が正式に成立、8月には欧州でも特許が成立した。これは、ヒト疾患の分子機構解析や創薬における薬効評価、毒性試験など、幅広い分野で活用が期待される次世代モデル動物に関するもので、今後の創薬研究でも要衝となり得るものだ。高市政権が打ち出す「国家戦略技術」の対象であるバイオ分野において、国策銘柄の一角として同社の活躍に期待する声もある。

■岡本硝子 <7746>  380円 (+80円、+26.7%) ストップ高

 岡本硝子 <7746> [東証S]がストップ高。27日午前11時17分ごろ、U-MAP(名古屋市千種区)と協業し10月から量産を始めた窒化アルミニウム放熱基板に関連し、グリーンシートを製造するシート塗工機1台を増設すると発表しており、将来の業績への貢献を期待した買いが流入した。岡本硝子は2027年4月に窒化アルミニウム放熱基板の生産能力を現行の3倍へ増強させるとともに、半導体本体や半導体製造装置用の製品ラインアップを拡充させる計画を立てている。増産に向けて総額9億3500万円の設備投資を予定しており、そのうち3億円を今回の設備投資に使う。導入するシート塗工機は現行機の2倍の生産能力を有するという。同時に延期を含めて検討中としていたガラス偏光子製造設備への投資について、予定通り実施すると開示した。ファラデー回転子の供給増加が見込まれることと、偏光子の発注が増えていることを踏まえ、製造設備の発注を行った。

■Schoo <264A>  662円 (+100円、+17.8%) ストップ高

 Schoo <264A> [東証G]がストップ高。同社は27日、双方向授業型ラーニングマネジメントシステム「Schoo Swing」について、経済産業省が進める「IT導入補助金2025」の対象ツールに認定されたと発表。これを材料視した買いが入り株高に弾みがついた。今回の認定により、条件を満たした大学・専門学校などの学校法人や民間教育事業者は、補助を受けてSchoo Swingを導入できるようになるという。

■豆蔵 <202A>  3,455円 (+457円、+15.2%) 一時ストップ高

 豆蔵 <202A> [東証G]が3日続急騰、一時ストップ高となった。クラウドコンサルティングやAIコンサルティング、AIロボティクス・エンジニアリングなど企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)需要を取り込むほか、自動運転を含む先端カーエレクトロニクス領域でも実力を発揮する。業績は好調を極めており、25年3月期は営業利益が前の期比15%増の20億7000万円と2ケタ成長で過去最高を更新した。26年3月期は完全子会社3社の吸収合併に伴い単独決算に移行するが、営業利益は前期実績を16%上回る23億9300万円を予想している。27年3月期以降も2ケタの利益成長が継続する公算が大きい。同社が好業績以上にマーケットで注目を集めるのは、ヒューマノイドロボットと生成AIの融合によって実現される新たな自律型システムの世界を目指していることが挙げられ、フィジカルAI分野のキーカンパニーとしての位置付けで実需筋の買いが継続していた。なお、前日26日にM&Aに特化した情報メディアであるMergermarket(マージャーマーケット)で同社株の非公開化の可能性が報じられたが、会社側ではこの報道を否定している。目先、株式需給面からは貸株市場を通じた法人筋の空売りが急増していたが、この買い戻しも絡め足もとの株価に急速な浮揚力が働いた格好となった。

■山口FG <8418>  2,018円 (+195円、+10.7%)

 東証プライムの上昇率3位。山口フィナンシャルグループ <8418> [東証P]が6日続急騰。昨年6月につけた1959円を上回り、約1年5ヵ月ぶりに高値を更新した。26日取引終了後、自社株買いを実施すると発表した。取得上限は1000万株(自己株式を除く発行済み株式総数の4.73%)、または150億円。期間は11月27日~来年10月30日。これを好感した買いが入った。

■スカパーJ <9412>  1,917円 (+184円、+10.6%)

 東証プライムの上昇率4位。スカパーJSATホールディングス <9412> [東証P]が4日ぶり急反騰。一部で「2025年4~9月期の売上高に対する営業キャッシュフロー(CF)比率をランキングすると、宇宙事業が軌道に乗り業績好調なスカパーJSATホールディングスが5割に迫り上位に入った」と報じられたことが刺激となったようだ。加えて、同社は27日、子会社のスカパーJSATが宇宙航空研究開発機構(JAXA)から先進レーダー衛星「だいち4号」のデータ・サービス事業者として選定されたと発表。だいち4号の観測データをエンドユーザーに提供する代理店としての役割を担うとともに、人工衛星データを活用して斜面やインフラの地盤変動を宇宙からモニタリングする独自サービス「LIANA(Land-deformation and Infrastructure ANAlysis)」の機能強化を図るとしている。

■ジャパンエン <6016>  12,960円 (+1,080円、+9.1%)

 ジャパンエンジンコーポレーション <6016> [東証S]が急反発。造船関連銘柄の一角に買いが集まっていた。日本経済新聞電子版が26日夜、「日本郵船、商船三井、川崎汽船の海運大手3社が次世代船開発で造船大手と連携する」と報じた。更に同日夕に「国土交通省は造船業の設備投資を支援する『造船業再生基金』を設ける」とも伝えている。造船業の支援に関する報道が相次ぎ、株価の刺激材料となった。内海造船 <7018> [東証S]やダイハツインフィニアース <6023> [東証S]、名村造船所 <7014> [東証S]も堅調に推移した。

■FFRI <3692>  9,040円 (+750円、+9.1%)

 FFRIセキュリティ <3692> [東証G]が続急伸。研究開発型の サイバーセキュリティー専業企業で、独立系ながら高い技術力を有し、国家安全保障の観点から存在感を示している。純国産エンドポイントセキュリティーソフト「ヤライ」が高評価を得ているほか、専門のサイバー人材を擁し、防衛省向けをはじめ官公庁案件で実績が豊富。業績は25年3月期の営業64%増益達成に続き、26年3月期も2ケタ成長トレンドが続く見通しだ。足もとの政治的、社会的な動きも同社株を刺激する。自民党が新設した「国家サイバーセキュリティ戦略本部」は21日に初会合を開き、新たな「サイバーセキュリティ戦略」の策定に関する議論を行った。直近27日には、アサヒグループホールディングス <2502> [東証P]が、ランサムウェアによるサイバー攻撃を受けたことに関する記者会見を開き、個人情報が計191万4000件流出した恐れがあると発表しており、企業のサイバーセキュリティーの重要性が改めて意識される状況となっていた。FFRIの株価は10月21日に1万3800円の年初来高値を形成した後、大幅な調整に見舞われたが75日移動平均線を下回ったところで売り物が切れ、値ごろ感からの押し目買いや、貸株市場経由で積み上がった空売り筋のショートカバーが機能して株価はリバウンドに転じていた。

■レゾナック <4004>  6,322円 (+514円、+8.9%)

 東証プライムの上昇率5位。レゾナック・ホールディングス <4004> [東証P]が続急伸。モルガン・スタンレーMUFG証券が26日、レゾナックの目標株価を従来の5700円から7700円に引き上げた。投資判断「オーバーウェート」を強調している。エヌビディア  に加え、ブロードコム  などASIC(カスタム半導体)メーカーとの取引が2026年後半以降に本格化すると想定。半導体後工程材料分野において最もシェア拡大の可能性が高いメーカーだと評価している。

■abc <8783>  290円 (+21円、+7.8%)

 abc <8783> [東証S]が続急伸。26日の取引終了後、「Web3事業部」を14日付で設立したと発表した。AIによる自動生成技術とブロックチェーン連携を組み合わせた「誰もが簡単に参加できるWeb3ゲーム体験」を軸とした事業を推進するとしており、材料視した買いが集まった。

■カヤック <3904>  600円 (+41円、+7.3%)

 カヤック <3904> [東証G]が5日続急伸。26日取引終了後、取得上限70万株(自己株式を除く発行済み株式総数の4.3%)とする自社株買いを実施すると発表した。27日朝の東京証券取引所の終値取引(ToSTNeT-2)で買い付けの委託を行う。この発表が手掛かりとなった。

■カウリス <153A>  1,372円 (+86円、+6.7%)

 カウリス <153A> [東証G]が4日ぶり急反発。同社は26日取引終了後、従来は無配としていた期末一括配当について4円80銭を実施すると発表しており、これが好感されたようだ。事業の順調な成長及び経営基盤の安定を踏まえ、株主への利益還元を開始することが可能になったと判断。創業10周年という節目にあたり、初めて配当を実施することにしたという。

■サイステップ <3810>  328円 (+19円、+6.2%)

 サイバーステップ <3810> [東証S]が続急伸。26日、子会社が新作Web3ゲーム「Sabong Birdfight(サボンバードファイト)」のβサービスを同日から開始すると発表しており、材料視した買いが集まった。サボンバードファイトは「闘鶏」をモチーフとした、鶏を育成したり、戦わせたりするゲーム。デジタル通貨「Eggle Energy」を利用し、ゲーム内で鶏や育成アイテムを購入できる。

■坪田ラボ <4890>  396円 (+21円、+5.6%)

 坪田ラボ <4890> [東証G]が3日続急伸。株価は今月中旬を境に底入れし、それ以降は5日移動平均線をサポートラインとする鋭角的な戻り足を示していた。同社は近視領域に強みを持つ慶大発のバイオベンチャーでマイルストーンやロイヤルティー収入などを収益源とし、眼鏡レンズやサプリメント開発など多角的に展開する。26日取引終了後、ハーバード大学発の化粧品ブランド「aeonia」の国内独占販売権を取得したことを発表しており、これによる業容拡大効果に期待した買いを誘導した。380円近辺から400円台にかけては滞留出来高も少なく、戻り売り圧力に乏しかった。

※27日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

株探ニュース

オンラインで簡単。
まずは無料で口座開設

松井証券ならオンラインで申し込みが完結します。
署名・捺印・書類の郵送は不要です。