25年7-9月期【利益倍増】企業はこれだ!〔第1弾〕 32社選出 <成長株特集>
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3月期決算企業の26年3月期上期決算がほぼ出そろった。本特集では、直近3ヵ月実績である25年7-9月期に利益を大きく伸ばした企業にスポットライトを当てた。 下表では、時価総額4500億円以上の3月期決算企業(金融を除く)を対象に、25年7-9月期(第2四半期)の経常利益が前年同期と比べて2倍超の大幅増益を達成した32社をリストアップし、増益率の大きい順に並べた。併せて、四半期ベースの「増益連続期数」、4-9月期(上期)経常利益の通期計画に対する進捗割合を表す「対通期進捗率」も記した。 増益率トップとなったのは、東京ガス <9531> [東証P]。25年7-9月期(第2四半期)の経常利益は前年同期の16億円から290億円に急拡大して着地。都市ガスや電力で原油価格の下落が販売単価に反映されるまでの時間差で発生するタイムラグ影響がプラスに働いたほか、北米シェールガス事業の販売単価上昇なども利益拡大につながった。業績好調に伴い、通期の同利益予想を上方修正し、配当も従来計画の80円→100円に引き上げた。併せて、発行済み株式数の5.4%にあたる2000万株または800億円を上限に自社株買いを実施すると発表。さらに、中期経営計画で2000億円以上の株主還元目標を掲げたことも好感され、株価は1989年12月以来、約35年11ヵ月ぶりの高値圏を舞う展開となっている。 2位に入った光通信 <9435> [東証P]は7-9月期の税引き前利益が前年同期比15.6倍の526億円と3四半期ぶりに大幅増益を達成した。電気・ガス事業や保険事業で顧客契約数が増加する中、為替差損益が好転したことが利益を大きく押し上げた。併せて、通期の最終利益と配当予想を上方修正したうえ、自社株取得と消却も発表している。続く3位のコスモエネルギーホールディングス <5021> [東証P]は主力の石油事業で国内のマージン(利幅)が改善し、7-9月期の経常利益は490億円と前年同期比8.7倍に膨らんだ。 4位の東洋製罐グループホールディングス <5901> [東証P]はアルミ缶などの包装容器事業で値上げが進んだほか、機能性材料事業ではデータセンター向け磁気ディスク用アルミ板の市況が回復した。また、エンジニアリング事業で前年同期に計上した一過性の貸倒引当金繰入額もなくなり、7-9月期の経常利益は前年同期比8.5倍の165億円に急拡大した。好決算を受けて、株価は10日に3835円と約34年1ヵ月ぶりの高値をつけている。 6位の日揮ホールディングス <1963> [東証P]は総合エンジニアリング事業で海外プロジェクトの追加契約締結などによって売上計上額が増加したほか、国内外の複数プロジェクトでの順調な工事遂行を背景に採算も改善し、7-9月期の経常利益は前年同期比6.9倍の119億円と業績高変化を遂げた。業績好調に伴い、通期の同利益を従来予想の220億円→380億円(前期比3.4倍)に上方修正したことも好感され、株価は約2年1ヵ月ぶりの高値圏に浮上している。 9位にリスト入りした富士通 <6702> [東証P]は7-9月期の税引き前利益が前年同期比5.0倍の1178億円と4四半期連続の大幅増益を達成した。主力のサービスソリューション事業でDX(デジタルトランスフォーメーション)やモダナイゼーション(システム刷新)案件が増加したことに加え、富士通ゼネラルの株式売却に伴う売却益を計上したことも利益を押し上げた。16位のNEC <6701> [東証P]もデジタル投資の拡大が追い風となり、官公庁向けなどでDX支援サービス「ブルーステラ」が大きく伸びた。 25位の三井金属 <5706> [東証P]は機能材料部門でキャリア付き極薄銅箔やAIサーバー向け電解銅箔の販売が伸びたほか、金属部門では亜鉛価格の上昇などで在庫要因により採算が好転し、7-9月期は売上高、経常利益ともに過去最高を更新した。好調な業績を踏まえ、減益予想だった通期の経常利益を一転して最高益見通しに上方修正するとともに、配当も増額修正した。株価は17日に上場来高値2万1230円まで上値を伸ばす場面があった。 このほか、15位の鹿島 <1812> [東証P]、19位の日立建機 <6305> [東証P]、21位のインフロニア・ホールディングス <5076> [東証P]、24位のきんでん <1944> [東証P]、27位の大林組 <1802> [東証P]、29位の日立製作所 <6501> [東証P]も決算発表後に上場来高値を更新している。 ┌ 経常利益 ┐ 増益 対通期 予想 コード 銘柄名 増益率 7-9月期 連続期数 進捗率 PER <9531> 東ガス 1711 29066 2 57.1 10.8 <9435> 光通信 1462 52653 1 - 16.4 * <5021> コスモHD 767 49033 1 44.0 12.4 <5901> 洋缶HD 754 16554 2 69.6 11.4 <9684> スクエニHD 662 21664 1 69.6 66.9 <1963> 日揮HD 593 11944 1 55.6 16.4 <7752> リコー 580 22589 4 45.6 14.1 * <6971> 京セラ 477 23387 1 58.1 30.0 * <6702> 富士通 402 117892 4 - 18.7 * <6473> ジェイテクト 387 13352 1 52.6 25.1 * <7974> 任天堂 317 140218 1 51.3 44.2 <7261> マツダ 299 12961 1 - 35.2 <3635> コーテクHD 293 9026 1 48.1 26.4 <6724> エプソン 200 17865 1 52.2 14.8 * <1812> 鹿島 189 66537 4 52.7 17.2 <6701> NEC 178 83331 1 - - * <7003> 三井E&S 170 12586 2 73.3 23.9 <4503> アステラス 170 104190 2 84.6 19.5 * <6305> 日立建機 168 41273 1 50.4 13.0 * <1893> 五洋建 154 15103 2 69.8 17.6 <5076> インフロニア 151 23309 4 42.5 9.1 * <2433> 博報堂DY 149 7792 1 24.9 21.3 <9984> SBG 143 2996441 2 - - * <1944> きんでん 141 25284 6 39.4 19.5 <5706> 三井金属 139 29122 1 50.8 24.3 <9064> ヤマトHD 138 2909 1 - 29.7 <1802> 大林組 129 66151 1 49.2 14.5 <2282> 日ハム 119 19855 1 76.5 19.7 * <6501> 日立 118 408126 3 61.3 28.5 * <3289> 東急不HD 108 32179 4 50.1 11.2 <4528> 小野薬 107 29525 1 61.4 14.6 * <9508> 九州電 103 106140 2 87.0 5.8 ※経常利益の単位は百万円。「*」は国際会計基準を採用する銘柄。 ※前年同期(24年7-9月期)の経常利益が1億円未満の銘柄および通期予想を下方修正した銘柄は除いた。 株探ニュース
