前日に「買われた株!」総ザライ (1) ―本日につながる期待株は?―

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■住友ファーマ <4506>  2,702円 (+264円、+10.8%)

 東証プライムの上昇率3位。住友ファーマ <4506> [東証P]が3日ぶり急反騰。今月上旬にマドを開けて買われて以降、機関投資家とみられる継続的な実需買いが観測され、特に前週11日から20日までの8営業日で陰線を形成した日はわずか1日しかない。高市政権が重点投資の対象に掲げる17の戦略分野には「創薬・先端医療」が含まれており、再生医療分野など次世代医薬で高い技術力を有する企業にマーケットの視線が向いている。住友ファーマは中枢神経領域に優位性を持つ医薬品会社だが、iPS細胞関連の研究でも先駆しているほか、売り上げの8割を海外で占めるグローバル企業であり、外国人投資家の目にもとまりやすい。一方、外国人持ち株比率は現状で13%強にとどまり、国内大手製薬メーカーと比較しても大幅に低いことから、海外資金による組み入れ競争の動きが株価上昇を助長しているとの見方もある。

■ウルフハンド <194A>  2,257円 (+216円、+10.6%)

 WOLVES HAND <194A> [東証G]が3日ぶり急反騰。同社は20日午後1時すぎ、動物病院を運営するSee(札幌市豊平区)の株式を取得し子会社化すると発表。これによるシナジーなどが期待されたようだ。株式譲渡実行日は11月30日を予定し、取得価額(アドバイザリー費用などを含む)は5億9700万円。Seeがグループ入りすることで北海道から沖縄まで全国的な事業基盤の確立・強化につながるとしている。

■SOMPO <8630>  4,955円 (+472円、+10.5%)

 東証プライムの上昇率4位。SOMPOホールディングス <8630> [東証P]が4日ぶり急反騰。同社は19日の取引終了後、26年3月期第2四半期累計(4-9月)の連結決算発表にあわせ、通期の業績予想を見直し、純利益の見通しを従来の3350億円から5400億円(前期比2.2倍)に上方修正した。過去最高益の更新を計画する。また、取得総数2400万株(自己株式を除く発行済み株式総数の2.64%)、取得総額770億円を上限とする自社株買いの実施を発表。これらを好感した買いが入った。金融商品の未実現損益の増加とともに、国内外の自然災害による発生保険金がこれまでの予想を下回る見通しとなったことを業績予想に反映した。自社株の取得期間は12月1日から26年3月31日まで。9月中間期の純利益は3604億2800万円(前年同期比97.4%増)だった。

■玉井船 <9127>  3,230円 (+265円、+8.9%)

 玉井商船 <9127> [東証S]が急反発。同社は19日の取引終了後、7月14日に開示した大規模買付行為などに関する対応方針を廃止すると発表した。ソン・ユウ・ニン氏が同社株の買い集めに動いたことを受けて導入した方針であり、新株予約権の無償割り当てなどの対抗策の発動を視野に入れたものだった。しかしソン・ユウ・ニン氏が7月以降、保有株を急速に売却していることが明らかになり、玉井船に対し当面、何らかの提案を行う具体的な蓋然性がない状況であることを踏まえ、同社は対応方針の廃止について検討。独立委員会の勧告も受け、このほど対応方針を廃止した。新株予約権の行使による1株利益の希薄化リスクが後退したとの受け止めから、買いが入ったようだ。

■アドテスト <6857>  20,835円 (+1,685円、+8.8%)

 東証プライムの上昇率9位。アドバンテスト <6857> [東証P]が3日ぶり急反発。11月に入ってから株価は調整色をみせ前日は25日移動平均線を下回るなど下値リスクが意識されたが、20日は大きく切り返し2万円大台を回復。日本時間早朝に発表された米半導体大手エヌビディア  の25年8-10月期決算は売上高が前年同期比62%増の570億600万ドル、最終利益は同65%増の319億1000万ドルといずれも四半期としては過去最高を記録した。25年11月-26年1月期の売上高見通しも前年同期比65%増を見込むなど市場コンセンサスを上回り、これを受けてエヌビディアの株価は時間外で大幅上昇しており、これが東京市場でもアドテストをはじめ半導体製造装置関連の株価を強く刺激する格好となった。特にアドテストはエヌビディアの製造する最先端AI半導体向けに検査装置を納入していることから、今後の収益成長への期待が高まった。

■精工技研 <6834>  13,050円 (+940円、+7.8%)

 精工技研 <6834> [東証S]が3日ぶり急反発。光通信用デバイスと自動車部品用金型を主力展開するが、生成AI市場の急拡大を背景に世界的なデータセンター建設ラッシュとなるなか、光コネクターなどの光通信用デバイスが絶好調で収益を押し上げている。26年3月期業績は期初予想を増額し、営業利益段階で前期比74%増の49億円を予想しているが、市場では一段の上振れを見込む声も聞かれる。そうしたなか、日本時間20日朝方に発表されたエヌビディア  の決算は市場コンセンサスを上回る高水準の伸びを示したが、特にデータセンター向けに最先端AI半導体需要が爆発的に伸びていることが分かり、東京市場でもデータセンターのインフラに絡む銘柄群に投資資金が誘導された。その象徴株のひとつに位置付けられる同社の株価も強く刺激される状況となった。

■保土谷 <4112>  1,864円 (+133円、+7.7%)

 保土谷化学工業 <4112> [東証P]が3日ぶり急反発。投資事業を手掛けるDOE5パーセント(東京都渋谷区)が19日の取引終了後、関東財務局へ大量保有報告書を提出した。新たに保土谷の株式について5%を超えて保有していることが明らかになり、需給思惑的な買いが入った。大量保有報告書によると、DOE5パーセント及び共同保有者の保有割合は5.26%。報告義務発生日は11月12日。保有目的は投資及び建設的な対話を通じた中長期的な企業価値の向上とし、状況に応じて重要提案行為などを行うことを含む。

■東京精 <7729>  10,835円 (+750円、+7.4%)

 東京精密 <7729> [東証P]が3日ぶり急反発。米半導体大手エヌビディア  が市場予想を上回る好調な売上高見通しを発表し、時間外取引で株価が上昇していることが刺激となったもよう。また、19日にスズキ <7269> [東証P]と電池開発における充放電試験業務の委託について合意したことを明らかにしたことも材料視されたようだ。スズキが東京精に委託する業務は、次世代電池の技術開発に不可欠な充放電試験に関するもの。試験は東京精の放充電試験装置を用いて実施され、東京精のエンジニアが作業を担うとしている。

■アツギ <3529>  1,196円 (+71円、+6.3%)

 アツギ <3529> [東証S]が急反発。英ロンドンに本拠を置く投資ファンドのアセット・バリュー・インベスターズによるアツギ株の保有割合が23.95%から25.25%に上昇したことが19日の取引終了後に明らかとなり、思惑視した買いを誘ったようだ。同日に提出された変更報告書によると、保有目的は、純投資及び重要提案行為などを行うこと、としている。報告義務発生日は12日。

■アバントG <3836>  1,779円 (+90円、+5.3%)

 アバントグループ <3836> [東証P]が急伸。19日取引終了後、取得上限150万株、または20億円とする自社株買いの実施を発表した。期間は11月28日~来年5月29日。取得した株式は来年6月30日付で全て消却する。

■新都HD <2776>  121円 (+6円、+5.2%)

 新都ホールディングス <2776> [東証S]が急伸。20日午後2時30分ごろ、自社ブランド製品「AI対応コンテナ型データセンター」の国内製造拠点として、茨城県に第1工場を新設し、12月15日に稼働を開始すると発表しており、これを好感した買いが入った。同社が展開する「AI対応コンテナ型データセンター」は、1つのコンテナ内にITラック、電源設備、UPS、バッテリー、冷却装置、防災設備などを集約した「オールインワンモデル」と、電源、冷却、IT、監視などを機能別に分け、複数コンテナを接続してシステムを構成するモジュールモデルをラインアップ。第1工場では開発から組み立てまで一貫して対応できる製造ラインを整備しており、同社では更なる供給体制強化に向け、埼玉県で第2工場の整備を計画している。

■マテリアルG <156A>  700円 (+34円、+5.1%)

 マテリアルグループ <156A> [東証G]が続急伸。19日取引終了後、自社株買いを実施すると発表した。取得上限は30万株(自己株式を除く発行済み株式総数の3.1%)、または2億4600万円。期間は11月20日~来年2月28日。これを好感した買いが入った。

※20日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

株探ニュース

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