前日に「買われた株!」総ザライ (1) ―本日につながる期待株は?―
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■免疫生物研 <4570> 1,301円 (+300円、+30.0%) ストップ高 免疫生物研究所 <4570> [東証G]がストップ高。19日で4日連続ストップ高となり、直近7営業日で株価は2.5倍化した。同社は今月12日に熊本大学、医薬基盤・健康・栄養研究所、CURED(熊本市)と出願していた「抗HIV抗体及びその製造方法」について、米国特許庁から特許査定の通知を受領したことを発表しており、これを契機に急速人気化した。同特許は親和性の高い完全ヒトモノクローナル抗体の物質特許で、日本、中国、香港、台湾で既に取得済みであったが、「米国の巨大マーケットで特許査定を受領したことの意義は大きい」(中堅証券アナリスト)という指摘がある。一方で、「HIV関連の特許については画期的とはいえ、まだ第一歩を踏み出した段階に過ぎず先は長い」(ネット証券アナリスト)という冷静な意見もあるが、株価は思惑先行のモメンタム相場に突入していた。また、同社は業績面でも26年3月期上期(25年4-9月)決算は営業利益段階で前年同期比2.1倍化、とりわけ7-9月期では抗体関連事業の好調やコスト削減・生産性向上などの合理化効果の発現に伴い、同5.2倍化するなど利益拡大が加速している。株式需給面では信用買い残が積み上がっておらず、発行株数が900万株強の小型株ながら、大口の買い主体が観測されるなか前日18日までの直近2営業日で740万株以上の売買高をこなしていたことは注目された。株式吸い上げによって市場に出回っている株式が品薄化していることも、人気に拍車をかける背景となったもようだ。 ■フィルC <3267> 1,008円 (+97円、+10.7%) フィル・カンパニー <3267> [東証S]が3日ぶり急反騰。18日の取引終了後、25年11月期の連結業績予想について、営業利益を5億5000万円から5億7500万円(前期比35.6%増)へ、純利益を3億2000万円から3億5000万円(同34.1%増)へ上方修正し、あわせて期末一括配当予想を15円から20円(前期10円)へ引き上げたことが好感された。第2四半期及び第3四半期に新規請負受注が計画を下回って推移したことから、売上高は100億円から82億円(同14.1%増)へ下方修正したが、開発案件の販売額が計画を上回ったことで売上総利益率が想定を上回る見通しであり、これが各利益を押し上げる。なお、配当は25年に創立20周年を迎えたことから5円の記念配当を実施する。 ■バイセル <7685> 3,915円 (+340円、+9.5%) BuySell Technologies <7685> [東証G]が急反発。モルガン・スタンレーMUFG証券が18日、バイセルの目標株価を従来の4600円から6300円に増額修正した。投資判断は「オーバーウェート」を継続する。業績面では再訪問の強化による訪問粗利の改善や、昨年買収した「福ちゃん」運営会社のPMIなどの効果が想定以上に寄与していると指摘。来期の高い利益成長は株価には十分に織り込まれていない、との見方を示している。同証券はバイセルの26年12月期営業利益予想を従来の111億円から117億円に引き上げた。 ■MRT <6034> 695円 (+49円、+7.6%) MRT <6034> [東証G]が3日ぶり急反発。18日の取引終了後、自社株買いを実施すると発表したことが好感された。上限を13万株(自己株式を除く発行済み株数の2.27%)、または1億1000万円としており、取得期間は11月19日から来年5月14日まで。経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の遂行、資本効率の向上及び株主還元を図ることが目的としている。 ■日油 <4403> 2,885.5円 (+165.5円、+6.1%) 東証プライムの上昇率2位。日油 <4403> [東証P]が4日ぶり急反発。同社は油脂化学系製品大手で 防衛関連株としても位置付けられている。26年3月期の業績予想は売上高が前期比8.4%増の2584億円、最終利益は同4.7%増の382億円。連続最高益の更新を計画する。18日に中間期の業績説明会の資料を自社のホームページ上に公開。19日にはスクリプト付きの資料を掲載した。化薬事業では防衛関連製品の売り上げの大幅な増加を背景に増収増益を予想。医薬・医療・健康事業も堅調に推移すると想定している。今後については自動車用ランプ向けの防曇材でシェア拡大に取り組む方針や、海底地盤の強度などの数値データを取得する「コーン貫入試験(CPT)」のサービスを拡大させる姿勢も示しており、見直し買いを誘う形となったようだ。 ■abc <8783> 282円 (+16円、+6.0%) abc <8783> [東証S]が5日ぶり急反発。19日午後2時ごろ、8月6日に発表した自社株買いについて、取得枠の上限を60万株(自己株式を除く発行済み株数の2.07%)、または1億5000万円から、120万株(同3.53%)、または4億円へ引き上げたことが好感された。取得期間は来年8月14日までで変更はない。現行の取得枠における取得状況と株式市場の動向を踏まえ、機動的かつ柔軟な資本政策の実施により、一層の株主還元の充実を図るために取得枠を拡大する。 ■扶桑電通 <7505> 1,609円 (+80円、+5.2%) 扶桑電通 <7505> [東証S]が3日ぶり急反発。18日の取引終了後に、証券・銀行・損害保険などの金融機関向けや公共サービス分野など幅広い領域でシステム構築を手掛けるシステムメイク(東京都品川区)の全株式を12月22日付で取得し子会社化すると発表しており、これを好感した買いが入った。扶桑電通の営業ネットワークとシステムメイクの高い開発技術を連携させることで、グループ全体の提案力や開発力の一層の強化を図るとともに、システムメイクが有する社会基盤分野での豊富な実績とノウハウを生かし、全国規模でのサービス展開を推進するのが狙いとしている。取得価額は非開示。なお、同件による業績への影響は軽微としている。同時に、27年9月期を最終年度とする中期経営計画の数値目標について、売上高460億円、営業利益18億4000万円から、売上高550億円、営業利益22億円へ上方修正しており、これも好材料視されたようだ。初年度である25年9月期に、富士通 <6702> [東証P]及び同グループとの連携強化により新規商談が活性化したことに加えて、防災・減災ビジネスやシステム標準化などの自治体向けビジネス、民需向けのパソコン・ソフトウェア販売が好調に推移し、業績が大幅に伸長したことや、中期経営計画期間内の受注残高が大幅に増加していること、更に新規商談の拡大が見込まれることなどを考慮した。 ■ハピネス&D <3174> 624円 (+30円、+5.1%) ハピネス・アンド・ディ <3174> [東証S]が3日ぶり急反発。18日の取引終了後、株主優待制度を変更すると発表した。従来は8月末の株主に同社の店舗や公式通販サイトで利用可能な優待券や割引券、2月末の株主に優待商品や同社店舗・公式通販サイトで利用可能な割引券を贈呈していた。今後は株主限定の特設ウェブサイト「ハピネス・アンド・ディ・プレミアム優待倶楽部」で1ポイント=1円相当で使える優待ポイントを、保有株式数に応じ2000~5万ポイントを贈るとしており、材料視した買いが集まった。同サイトではハピネス&Dオリジナル商品のほか、コメやブランド牛などのこだわりグルメ、家電製品、選べる体験ギフトなど5000以上の商品から選ぶことができる。来年2月末時点で100株以上を保有する株主を対象に変更する。 ■ヌーラボ <5033> 768円 (+34円、+4.6%) ヌーラボ <5033> [東証G]が3日ぶり大幅反発。18日の取引終了後に自社株買いを実施すると発表したことが好感された。上限を13万1000株(自己株式を除く発行済み株数の2.02%)、または1億円としており、取得期間は11月19日から来年2月28日まで。株主への利益還元の充実や資本効率の向上を図るとともに、将来の機動的な資本政策の遂行や取締役・従業員へのインセンティブ・プランなどの活用を目的としている。 ■フォトシンス <4379> 360円 (+15円、+4.4%) Photosynth <4379> [東証G]が大幅反発。19日午前11時ごろ、インドアゴルフスクールを運営するステップゴルフ(東京都渋谷区)と協業を始めると発表した。ステップゴルフの全国の店舗にフォトシンスが展開する「Akerun入退室管理システム」を導入するとしており、サービスの利用拡大を好感した買いが入った。両社によると、ステップゴルフの店舗は137店舗に上り、2035年までに2000店舗のオープンを目指している。 ■島津 <7701> 4,322円 (+115円、+2.7%) 島津製作所 <7701> [東証P]が3日ぶり反発。18日、同社の持続的な成長と企業価値の向上に向けたパートナーシップ契約を、ジャパン・アクティベーション・キャピタル(JAC、東京都港区)と締結したと発表。これが株価の支援材料となった。上場企業を投資対象として経営支援などを行うJACは運用するファンドを通じて島津の株式を取得。JACが保有するリソースなどを島津は最大限に活用し、中長期的な成長を目指す。 ※19日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。 株探ニュース
