前日に「買われた株!」総ザライ ―本日につながる期待株は?―
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■杉田エース <7635> 1,530円 (+300円、+24.4%) ストップ高 杉田エース <7635> [東証S]がストップ高。12日の取引終了後、創業家によるMBOの一環として、杉田エース取締役副社長の杉田力介氏が代表取締役を務めるUMK(東京都墨田区)が同社株の非公開化を目指しTOBを実施すると発表した。TOB価格の1株1710円へサヤ寄せする格好になった。買付予定数の下限は168万3035株(所有割合31.37%)で、上限は設定しない。買付期間は11月13日から12月25日を予定している。なお、12日の終値は1230円だった。TOB成立後、所定の手続きを経て杉田エースは上場廃止となる見通し。杉田エースはTOBに賛同の意見を表明し、株主に応募の推奨を行った。東京証券取引所は12日、杉田エースを監理銘柄(確認中)に指定している。 ■サンユ <1841> 1,550円 (+300円、+24.0%) ストップ高 サンユー建設 <1841> [東証S]がストップ高。12日の取引終了後、馬場雄一郎副社長が代表を務めるカバロ企画(東京都大田区)がMBOの一環として、非公開化を目的にサンユー建設に対してTOBを実施すると発表しており、TOB価格の1600円にサヤ寄せする格好となった。非公開化により迅速かつ柔軟な経営判断や機動的な経営資源配分を実現し、中長期的な視点で企業価値の向上を図るのが狙い。買い付け予定数は205万9981株(下限95万7500株、上限設定なし)で、買付期間は11月13日から12月25日までを予定。TOB成立後、サンユー建設株は所定の手続きを経て上場廃止となる予定で、この発表を受けて東京証券取引所は同社株を11月12日付で監理銘柄(確認中)に指定している。なお、サンユー建設は今回のTOBに対して賛同の意見を表明し、株主に応募を推奨している。 ■エムスリー <2413> 2,629.5円 (+500円、+23.5%) ストップ高 東証プライムの上昇率トップ。エムスリー <2413> [東証P]がストップ高。医療従事者向けプラットフォーム(会員制サイト)など製薬マーケティング支援業務を主力展開するほか、治験周辺分野にも業容を広げている。足もとの業績は回復色が強く、12日取引終了後に発表した25年4-9月期業績は最終利益が前年同期比31%増の227億円と大幅増益を達成した。主力の医療従事者向けプラットフォームが医療現場のデジタルトランスフォーメーション(DX)需要取り込みが進み収益に反映された。とりわけ7-9月期の業績好調ぶりが際立っており、最終利益は前年同期比80%増という目を見張る伸びを示している。同社の株価は、今年2月を境に上下動を繰り返しながらも26週移動平均線を下値支持ラインとした切り上げ波動を継続、9月に2475円の年初来高値を形成後は調整局面にあったが、同移動平均線とのカイ離修正完了で仕切り直しの買いを一気に誘引する格好となった。 ■スター精 <7718> 2,112円 (+400円、+23.4%) ストップ高 東証プライムの上昇率2位。スター精密 <7718> [東証P]がストップ高。同社は12日の取引終了後、米タイヨウ・パシフィック・パートナーズ傘下の投資ファンドが非公開化を目的としてスター精に対しTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表した。TOB価格は1株2210円。スター精の株価はTOB価格にサヤ寄せする流れとなった。買付予定数の下限は1480万700株で、上限は設定しない。買付期間は13日から12月25日まで。TOB成立後、所定の手続きを経て、スター精は上場廃止となる見通し。スター精はファンド傘下で構造改革を進める方針で、TOBに賛同の意見を表明した。東京証券取引所は12日、スター精を監理銘柄(確認中)に指定している。 ■アウトルック <5596> 1,591円 (+300円、+23.2%) ストップ高 アウトルックコンサルティング <5596> [東証G]がストップ高。12日取引終了後、親会社であるマネーフォワード <3994> [東証P]傘下のマネーフォワードクラウド経営管理コンサルティングから完全子会社化を目的としたTOBを受けたことを明らかにした。TOB価格は1株1800円。これにサヤ寄せする格好となった。買い付け予定数は101万1249株(下限・上限設定なし)、買い付け期間は11月13日~12月25日。TOB成立後にアウトルック株は上場廃止となる予定で、これを受けて東京証券取引所は12日付で同社株を監理銘柄(確認中)に指定した。 ■デコルテHD <7372> 441円 (+80円、+22.2%) ストップ高 デコルテ・ホールディングス <7372> [東証G]がストップ高。IBJ <6071> [東証P]が12日の取引終了後、同社の連結子会社化を目的にTOBを実施すると発表しており、TOB価格527円にサヤ寄せする格好となった。両社は25年4月に資本・業務提携契約を締結。IBJは現在、デコルテHD株式の32.96%を所有し、持ち分法適用関連会社としているが、連結子会社化することで業務提携の深化を図り、送客の強化や効率的な人材の採用・育成、新規事業の開発などのシナジーの実現を図るのが狙い。買い付け予定数は87万8900株(下限36万1000株、上限87万8900株)、買付期間は11月13日から12月18日までとしており、TOB成立後もデコルテHDは上場を維持する予定だ。なお、デコルテHDは今回のTOBに対して賛同の意見を表明するとともに、応募するか否かは株主の判断に委ねるとしている。 ■デクセリ <4980> 2,863円 (+500円、+21.2%) ストップ高 東証プライムの上昇率3位。デクセリアルズ <4980> [東証P]がストップ高。昨年7月高値を上回り、約1年4ヵ月ぶりに上場来高値を更新した。12日取引終了後、26年3月期連結業績予想について売上高を1035億円から1140億円(前期比3.3%増)へ、営業利益を280億円から390億円(同1.9%減)へ上方修正すると発表した。配当予想は据え置いた。反射防止フィルム(ARF)などの高付加価値製品の拡大や、為替の円安が業績を押し上げる。あわせて、取得上限250万株(自己株式を除く発行済み株式総数の1.42%)、または50億円とする自社株買いの実施を発表した。期間は11月13日~12月23日。取得した株式は来年1月16日付で消却する。これら発表が好感され買いを呼び込んだ。 ■レイズネク <6379> 2,382円 (+400円、+20.2%) ストップ高 東証プライムの上昇率4位。レイズネクスト <6379> [東証P]がストップ高。13日午後2時ごろ、26年3月期第2四半期累計(4-9月)の連結決算を発表にあわせて、通期業績予想を上方修正した。売上高予想を前回予想の1575億円から1680億円(前期比6.8%増)、営業利益予想を116億円から138億円(同27.1%増)に引き上げた。同時に期末配当予想を13円増額の59円とし、年間配当予想は104円(前期は91円)にすると開示。増益幅の拡大見通しと株主還元姿勢を好感した買いが流入した。9月中間期に大型の定期修理工事における追加工事量が当初の想定を大きく上回ったことを踏まえた。9月中間期の売上高は893億4000万円(前年同期比18.9%増)、営業利益が78億9300万円(同2.2倍)だった。 ■BUF <6676> 4,395円 (+700円、+18.9%) ストップ高 バッファロー <6676> [東証S]がストップ高。12日の取引終了後に26年3月期の連結業績予想について、売上高を1060億円から1120億円(前期比21.8%減)へ、営業利益を45億円から77億円(同13.5%減)へ、純利益を32億円から65億円(同8.2%増)へ上方修正し、あわせて配当予想を中間・期末各40円の年80円から中間・期末各60円の年120円(前期120円)に引き上げたことが好感された。シマダヤ <250A> [東証S]のスピンオフにより減収減益となったものの、パソコン周辺機器が前期の値上げの浸透や為替が想定よりも円高で推移したことなどを受けて収益が改善。8月29日に国内における独占販売契約を終了した「Airdog」シリーズの寄与もあり、IT関連事業のみでは増収増益となった。なお、同時に発表した9月中間期決算は、売上高601億200万円(前年同期比18.7%減)、営業利益55億4800万円(同84.4%増)、純利益46億1600万円(同2.4倍)だった。同時に26年3月末日時点の株主から株主優待制度を拡充すると発表しており、これも好材料視された。現行制度では、毎年3月末日及び9月末日時点で1単元(100株)以上を保有する株主を対象に、継続保有期間に応じてデジタルギフトを3000円相当または5000円相当贈呈していたが、新制度では一律5000円相当(年1万円相当)のデジタルギフトを贈呈する。 ■ソラコム <147A> 1,076円 (+150円、+16.2%) ストップ高 ソラコム <147A> [東証G]がストップ高。12日の取引終了後、26年3月期第2四半期累計(4-9月)の連結決算を発表した。売上高は49億8800万円(前年同期比35.9%増)、最終利益が2億3300万円(同5.3倍)だったとしており、業況を好感した買いが集まった。MVNO(仮想移動体通信事業者)事業を手掛けるミソラコネクトを連結子会社化したうえ、AIの活用を可能にするサービスの拡充などを進めたことにより、課金アカウント数と平均収益がともに伸びリカーリング収益が大幅に増加した。 ■カヤバ <7242> 4,720円 (+590円、+14.3%) 東証プライムの上昇率8位。カヤバ <7242> [東証P]が3日続急騰。12日取引終了後、26年3月期連結業績予想について売上高を4400億円から4600億円(前期比4.9%増)へ、営業利益を225億円から310億円(同36.7%増)へ上方修正すると発表した。需要が想定を上回り堅調なことや為替が円安に推移していることが要因。米国の関税措置による影響額や最新の市場見通しも織り込んだ。配当予想も120円から150円(前期は株式分割考慮ベースで110円)に増額した。これを好感した買いが集まった。 ■住友ゴ <5110> 2,171円 (+261円、+13.7%) 東証プライムの上昇率9位。住友ゴム工業 <5110> [東証P]が6日続急騰。同社は11月12日大引け後(16:30)に決算(国際会計基準=IFRS)を発表、25年12月期第3四半期累計(1-9月)の連結最終利益は前年同期比6.4倍の260億円に急拡大したことで好感されたようだ。 ■豆蔵 <202A> 3,140円 (+316円、+11.2%) 一時ストップ高 豆蔵 <202A> [東証G]が4日続急騰、一時ストップ高となった。同時に今月5日につけた上場来高値2916円を大きく上回り、未踏の3000円台乗せを果たした。12日取引終了後に26年3月期上期(25年4-9月)決算を発表、営業利益は前年同期比15%増の11億1300万円と2ケタ成長を確保。また7-9月期だけでみると営業利益の増益率は31%と更に高まる。なお、同社は子会社3社を吸収した関係で26年3月期から単独決算に移行するが、今3月期通期の単独営業利益は23億9300万円(前期は連結ベースで20億7000万円)予想と実質2ケタ成長が見込まれている。これは事前コンセンサスを上回るもので素直に好感されたようだ。また、同社はAIロボティクス・エンジニアリングで業界を先駆し、自動運転及び先端カーエレクトロニクス分野を深耕するモビリティ・オートメーションサービスを事業領域としていることが注目されている。米エヌビディアのジェンスン・ファンCEOや、ソフトバンクグループ <9984> [東証P]の孫正義会長兼社長などが、次世代の成長スポットであるとの認識を示していることから世界的にも関心が高まっている「フィジカルAI」関連の有力株として、投資マネーの視線が向かっている面もある。 ■グリーンズ <6547> 2,569円 (+246円、+10.6%) グリーンズ <6547> [東証S]が続急騰。同社は13日午後2時ごろ、26年6月期第1四半期(7-9月)の連結決算を発表。営業利益は前年同期比45.9%増の23億6200万円となり、通期計画の65億円に対する進捗率は36.3%となった。売上高は同13.0%増の135億2000万円で着地。グループ全体の客室稼働率が同2.8ポイント上昇の81.4%となったほか、客室単価が同4.6%増の1万331円となったことなどが寄与した。なお、通期業績予想については従来計画を据え置いている。 ■シチズン <7762> 1,183円 (+113円、+10.6%) シチズン時計 <7762> [東証P]が続急騰。12日の取引終了後、26年3月期第2四半期累計(4-9月)の連結決算の発表にあわせて、通期業績予想を引き上げた。売上高予想を前回予想の3180億円から3270億円(前期比3.2%増)、経常利益予想を220億円から290億円(同26.0%増)、最終利益予想は200億円から220億円(同7.9%減)とした。経常利益は減益予想から一転して増益を見込んでおり、業況を評価した買いを引き寄せた。9月中間期の業績が上振れして着地したことや10月以降の想定為替レートを1ユーロ=170円(変更前は160円)に改めたことなどを反映した。9月中間期は売上高が1592億5000万円(前年同期比1.7%増)、経常利益が161億9700万円(同32.0%増)、最終利益が118億8000万円(同3.3%減)だった。主力の時計事業は北米市場を中心に「シチズン」「ブローバ」ブランドが好調に推移したうえ、自社ECの伸長や販売単価の上昇も寄与し、収益性が大きく向上した。また、工作機械事業は受注が緩やかに回復し増収に転じた。ただし、過年度関税等及び過年度関税等引当金繰入額を計上したため、最終利益は減益となった。 ■カーリット <4275> 1,676円 (+153円、+10.1%) カーリット <4275> [東証P]が続急騰。12日の取引終了後に26年3月期の連結業績予想について、営業利益を31億円から35億円(前期比14.9%増)へ、純利益を27億円から28億5000万円(同10.9%増)へ上方修正し、あわせて期末一括配当予想を36円から38円(前期36円)へ引き上げており、これを好感した買いが入った。売上高は390億円から380億円(同2.9%増)へ下方修正したが、上期において国内市場の需要が堅調だったことに加え、適正価格の反映などの営業努力や一般管理費などのコスト削減効果により、化学品セグメントの化薬分野、電子材料分野及びセラミック材料分野が伸長したことが利益を押し上げる。また、金属加工セグメント及びエンジニアリングサービスセグメントが伸長していることも寄与する。なお、同時に発表した9月中間期決算は、売上高177億6300万円(前年同期比1.6%減)、営業利益15億400万円(同25.9%増)、純利益11億4900万円(同20.8%増)だった。また、あわせて上限を50万株(自己株式を除く発行済み株数の2.16%)、または5億円とする自社株買いを実施すると発表しており、これも好材料視されたようだ。取得期間は11月13日から来年2月27日までで、取得した全株式は3月27日付で消却される予定だ。 ■長谷工 <1808> 2,923円 (+225円、+8.3%) 長谷工コーポレーション <1808> [東証P]が7日続急伸。12日の取引終了後に26年3月期の連結業績予想について、売上高を1兆2300億円から1兆2400億円(前期比5.3%増)へ、営業利益を920億円から970億円(同14.5%増)へ、純利益を550億円から580億円(同68.4%増)へ上方修正したことが好感された。施工量増加により完成工事高の増加が見込まれるほか、マンション建築工事の採算性が見通しを上回って改善していることを織り込んだ。なお、同時に発表した9月中間期決算は、売上高5954億6600万円(前年同期比6.6%増)、営業利益413億3300万円(同16.7%増)、純利益242億1500万円(同25.0%増)だった。 ■平河ヒューテ <5821> 3,050円 (+232円、+8.2%) 平河ヒューテック <5821> [東証P]が続急伸。前週は業績予想の上方修正を受けてマドを開けて買われたものの、ボリンジャーバンドのプラス3σ(シグマ)の領域に踏み入れたことから目先過熱感を意識した売りに晒された。だが、PERやPBRなどに割高感はなく、押し目形成場面では波状的な買いが継続している。26年3月期営業利益は従来予想の30億円から40億円(前期比76%増)に大幅増額している。同社はネットワーク機器向けのエレクトリックワイヤーや光中継システムで実力を発揮するが、車載用ケーブルの量産品や医療用ケーブルが好調なほか、情報通信向けで追い風が強まってきた。今後、AIデータセンターの建設がグローバル規模で相次ぐなか、データセンター向け高速伝送ケーブル(AOC=ACTIVE OPTICAL CABLES)で高実績を有する同社の存在に改めてスポットが当たりそうだ。 ■すかいらーく <3197> 3,134円 (+196円、+6.7%) すかいらーくホールディングス <3197> [東証P]が3日ぶり急反発。13日午前11時45分ごろに、25年12月期の連結業績予想について、売上高を4450億円から4540億円(前期比13.2%増)へ、営業利益を250億円から290億円(同19.9%増)へ、純利益を148億円から167億円(同19.6%増)へ上方修正し、あわせて期末配当予想を12円から14円へ引き上げ年間配当予想を22円(前期18円50銭)としたことが好感された。メニュー施策、店舗中心経営によるサービス向上などによる既存店の成長に加えて、前期に子会社化した「資さんうどん」や、マレーシアの「SUKI-YA」の貢献などにより第3四半期までの業績が計画を上回る増収増益となったことが要因としている。その第3四半期累計(1-9月)決算は、売上高3396億4200万円(前年同期比15.3%増)、営業利益238億5400万円(同23.7%増)、純利益137億1400万円(同31.2%増)だった。 ※13日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。 株探ニュース
