前日に「買われた株!」総ザライ (1) ―本日につながる期待株は?―

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材料

■ジオマテック <6907>  1,432円 (+300円、+26.5%) ストップ高

 ジオマテック <6907> [東証S]がストップ高。同社は11日の取引終了後、三井金属 <5706> [東証P]が開発した次世代半導体パッケージ向け特殊キャリア「HRDP」専用の第2ラインの稼働開始について発表。今後の収益貢献を期待した買いが集まった。極微細化・高集積化された次世代半導体の歩留まり・生産性の向上につながる材料で、ジオマテックが製造を担う。同社の赤穂工場でラインが完成した。生産能力はこれまでの11万平方メートルから16万平方メートルに向上。三井金属との協業体制を強化し、「HRDP」の早期事業化を促進するとしている。

■三井海洋 <6269>  13,055円 (+2,700円、+26.1%) 一時ストップ高

 東証プライムの上昇率トップ。三井海洋開発 <6269> [東証P]が急反騰、一時ストップ高となった。12日午前0時30分ごろ、25年12月期第3四半期累計(1-9月)の連結決算の発表にあわせて、通期業績予想を上方修正した。売上高予想を5851億5500万円から6547億6400万円(前期比1.1%減)、最終利益予想を427億円から520億8300万円(同49.4%増)に引き上げた。同時に期末配当予想を20円増額の80円(前期の期末配当は50円)にすると開示。年間配当は140円(前期は年間80円)となる。増益幅拡大の見通しと株主還元姿勢を評価した買いが殺到した。浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備(FPSO)は建設工事について当初想定より高い進捗が見込まれるうえ、操業中の設備の稼働も総じて好調。加えて、金利収入も増える。1-9月は売上高が4987億6700万円(前年同期比16.6%増)、最終利益が365億3600万円(同49.6%増)だった。

■三井金属 <5706>  19,150円 (+3,615円、+23.3%)

 東証プライムの上昇率2位。三井金属 <5706> [東証P]が急反騰。11日の取引終了後、26年3月期の連結業績予想について、売上高を6650億円から7150億円(前期比0.4%増)へ、営業利益を460億円から780億円(同4.4%増)へ、純利益を170億円から430億円(同33.5%減)へ上方修正し、あわせて期末配当予想を95円から110円へ引き上げ年間配当予想を210円(前期180円)としたことが好感された。機能材料セグメントで主要製品であるキャリア付極薄銅箔やAIサーバー向け電解銅箔などの需要が堅調に推移していることに加えて、触媒事業で貴金属価格の影響が好転していることや、金属セグメントでの金属価格の上昇と為替が円安で推移していることによる収益の改善などが売上高・利益を押し上げる。同時に発表した9月中間期決算は、売上高3643億1200万円(前年同期比4.6%増)、営業利益397億6700万円(同2.4%増)、純利益190億4900万円(同48.6%減)だった。機能材料セグメントの主要製品の販売量増加が牽引役となり増収、営業増益で着地。なお、最終利益は三井金属アクトの株式譲渡に伴う特別損失計上などにより減益となった。

■MTG <7806>  4,370円 (+700円、+19.1%) ストップ高

 MTG <7806> [東証G]がストップ高。美容、健康関連機器の開発・販売を手掛けるファブレスメーカーで足もとの業績は絶好調に推移している。11日取引終了後、25年9月期の決算を発表、営業利益は前の期比3.3倍となる106億6500万円と急拡大し過去最高利益を大幅に更新した。また、26年9月期についても収益拡大基調に陰りはみられず、同利益は前期比22%増の130億円と大幅増益で連続過去最高更新を見込む。好業績を背景に株主還元も強化し、前期年間配当を従来計画に7円増額となる25円(前の期実績は13円)としたほか、今期は更に5円増配となる30円を計画しており、これも株価を強く刺激する格好となった。

■SWCC <5805>  9,450円 (+1,500円、+18.9%) ストップ高

 東証プライムの上昇率3位。SWCC <5805> [東証P]がストップ高。12日午後2時、26年3月期第2四半期累計(4-9月)の連結決算の発表にあわせて、通期業績予想を修正した。売上高予想を2600億円から2700億円(前期比13.5%増)、最終利益予想を150億円から160億円(同40.3%増)に引き上げた。同時に中間配当を従来の見通しから10円増額の90円、期末配当予想を10円増額の110円とし、年間配当予想を20円増額の200円(前期は136円)とした。増益幅の拡大見通しと株主還元姿勢を評価した買いを引き寄せた。底堅い電力インフラ需要が追い風となるほか、リボン状光ファイバー心線「e-Ribbon」が北米AIデータセンター向けに販売が好調に推移する。自動車向けも上期は堅調に推移しており、収益改善策の効果も見込んで業績予想を見直した。9月中間期は売上高が1288億6000万円(前年同期比9.8%増)、最終利益が73億500万円(同2.0倍)だった。

■オプトラン <6235>  1,801円 (+247円、+15.9%)

 東証プライムの上昇率4位。オプトラン <6235> [東証P]が急反騰。11日の取引終了後、25年12月期第3四半期累計(1-9月)の連結決算を発表した。売上高が273億1000万円(前年同期比5.9%減)、最終利益が20億6400万円(同62.0%減)だった。大幅な減益だったものの、第3四半期(7-9月)の受注高が109億5600万円(前年同期比2.6倍)に上った。第2四半期(4-6月)比では35.2%増となっており、収益環境の底入れを期待した買いが優勢になった。 半導体光学融合・電子デバイスや自動車関連のEV・コネクテッドカーが大きく伸びたほか、光学部品におけるデータセンター関連需要も増加した。1-9月は利益率の高いALD装置(原子層堆積装置)の販売台数が減少したうえ、円高による為替差損や持ち分法による投資損失を計上した。

■エクサWiz <4259>  743円 (+100円、+15.6%) ストップ高

 エクサウィザーズ <4259> [東証G]がストップ高。11日の取引終了後、26年3月期の連結業績予想について、営業利益を10億円から13億5000万円(前期比58.7倍)へ上方修正したことが好感された。売上高は118億円(同20.3%増)の計画通りに進捗している一方、AIプロダクト事業が大きく成長したことに加え、AIソリューションサービス事業でも構造改革の成果が着実に現れ、収益性の高い事業への変革を実現していることから、営業利益予想を引き上げる。なお、同時に発表した9月中間期決算は、売上高52億3800万円(前年同期比14.0%増)、営業利益5億4600万円(前年同期2億4500万円の赤字)だった。

■メック <4971>  5,310円 (+705円、+15.3%) ストップ高

 東証プライムの上昇率5位。メック <4971> [東証P]がストップ高。11日の取引終了後、25年12月期第3四半期累計(1-9月)の連結決算の発表にあわせて、通期業績予想を上方修正した。売上高予想を200億円から203億円(前期比11.3%増)、最終利益予想を36億円から43億円(同87.6%増)に引き上げた。また、配当方針を変更し、期末配当予想を従来の見通しから30円増額の60円とした。年間配当予想は85円(前期は45円)となる。業況と株主還元姿勢を好感した買いが殺到している。利益率の高い製品の需要が堅調に推移するうえ、特別利益として経済産業省による補助金の収入を計上する。1-9月期の売上高は149億8700万円(前年同期比9.5%増)、最終利益は33億2900万円(同26.7%増)だった。配当方針については従来、連結配当性向30%の目標を掲げていたが、今後は連結配当性向35%以上かつ株主資本配当率(DOE)4.0%以上を基本方針とする。株主優待制度についても変更し、保有株式数の区分を見直すとともに、長期保有の優待制度を導入。100株以上500株未満を1年以上3年未満保有する株主に対しQUOカード1000円分、500株以上保有する株主には2000円分を贈呈する。3年以上保有する株主には1000円分を上乗せする。

■タスキHD <166A>  774円 (+100円、+14.8%) ストップ高

 タスキホールディングス <166A> [東証G]がストップ高。ストップ高の水準となる774円に買われた。同社は11日の取引終了後、25年9月期の連結決算発表にあわせ、26年9月期の業績予想を公表し、今期の売上高は前期比35.0%増の1004億5000万円、最終利益は同17.6%増の58億円となる見通しを示した。3割増収で連続最高益更新の見通し。また、前期の期末一括配当は従来予想から1円増額し36円としたうえで、今期の年間配当予想は同4円増配の40円に設定した。これらを評価した買いが優勢となった。25年9月期の売上高は前の期比56.8%増の744億1200万円、最終利益は同2.2倍の49億3300万円。IoTレジデンスや資産コンサルティングが伸長し大幅な増収増益となった。26年9月期は中期経営計画で策定した水準を上方修正して業績予想を設定。更に配当方針について今期より、1株当たり当期純利益の40%以上(従来は35%)を目標に配当を実施するとともに、中間・期末の年2回(従来は年1回)行う方針に見直した。このほか、同社は日本円ステーブルコイン「JPYC」を活用した新たな不動産クラウドファンディング出資サービスの検討を始めたと発表している。

■アジアパイル <5288>  1,386円 (+161円、+13.1%)

 東証プライムの上昇率6位。アジアパイルホールディングス <5288> [東証P]が急反騰。年初来高値を約2ヵ月ぶりに大幅更新した。コンクリートパイルの製造及び施工で業界首位の実力を有するが、TSMC案件や大阪IR案件など超大型物件の獲得に伴い、業績は急拡大途上にある。11日取引終了後に26年3月期業績予想の修正を発表、営業利益段階で従来予想の73億円から90億円(前期比2.1倍)に大幅増額した。業績修正前から今期は2期ぶりとなるピーク利益更新見通しにあったが、これを大きく上乗せする形となった。好業績を背景に年間配当も上乗せし、今期は従来計画の48円に2円増額となる50円とすることを併せて発表しており、これも物色人気を増幅する背景となっている。配当利回りは株価急騰後でも3.6%弱と高い。

■日揮HD <1963>  1,802.5円 (+182.5円、+11.3%)

 東証プライムの上昇率9位。日揮ホールディングス <1963> [東証P]が3日続急騰。11日の取引終了後、26年3月期の連結業績予想について、売上高を6900億円から7700億円(前期比10.3%減)へ、営業利益を210億円から280億円(前期114億7400万円の赤字)へ、最終利益を150億円から280億円(同3億9800万円の赤字)へ上方修正したことが好感された。総合エンジニアリング事業において、海外プロジェクトの追加契約締結などにより売上計上額が増加しているほか、国内外の複数プロジェクトでの順調な工事遂行などにより採算が改善していることが要因という。また、下期の想定為替レートを1ドル=140円から145円へ見直したことも寄与する。同時に発表した9月中間期決算は、売上高3812億5400万円(前年同期比6.3%減)、営業利益157億6500万円(同26.9%増)、純利益116億6100万円(同8.7%減)だった。国内外大型プロジェクトの着実な遂行により総合エンジニアリング事業が順調に進捗。機能材製造事業は全般に底堅く推移した。

■北日銀 <8551>  4,080円 (+330円、+8.8%)

 北日本銀行 <8551> [東証P]が急反発。12日午後1時ごろ、26年3月期第2四半期累計(4-9月)の連結決算の発表にあわせて、通期業績予想を修正した。経常収益予想を281億円から289億円(前期比9.5%増)、経常利益予想を47億円から59億円(同5.8%増)、最終利益予想は31億円から40億円(同0.3%減)に引き上げた。同時に年間配当予想を中間・期末各65円の年130円から中間・期末各84円の年168円(前期は100円)としたうえ、取得総数15万株(自己株式を除く発行済み株式総数の1.80%)、取得総額5億円を上限とする自社株買い及び消却を開示。経常利益で減益予想から一転増益を見込む業況と株主還元姿勢を好感した買いが流入した。9月中間期の業績を踏まえ有価証券利息配当金が当初予想を上回ることなどを織り込んだ。9月中間期の経常収益は146億6800万円(前年同期比13.0%増)、経常利益が30億8700万円(同3.7%増)、最終利益が20億9700万円(同7.5%減)だった。自社株買いについては13日から12月19日までを取得期間とし、東京証券取引所の自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)の利用を含む市場買い付けで実施する。自己株式の消却は26年2月25日に15万株(自己株式を含む消却前の普通株式の発行済み株式総数の1.74%)を消却する。

■ネクソン <3659>  3,707円 (+291円、+8.5%)

 ネクソン <3659> [東証P]が4日続急伸。同社は11月11日大引け後(15:30)に決算(国際会計基準=IFRS)を発表、25年12月期第3四半期累計(1-9月)の連結最終利益は前年同期比21.0%減の811億円に減った。同時に、今期の年間配当を従来計画の30円→45円(前期は22.5円)に大幅増額修正した。また、発行済み株式数(自社株を除く)の1.3%にあたる1000万株(金額で250億円)を上限に自社株買いを実施すると発表しており、好感されたようだ。買い付け期間は11月12日から26年1月26日までとなる。

■トーカイ <9729>  2,319円 (+177円、+8.3%)

 トーカイ <9729> [東証P]が4日続急伸。同社は11月11日大引け後(15:30)に決算を発表、26年3月期第2四半期累計(4-9月)の連結経常利益は前年同期比20.0%増の46.9億円に伸び、通期計画の85.9億円に対する進捗率は54.7%に達し、5年平均の44.9%も上回った。同時に、発行済み株式数(自社株を除く)の9.8%にあたる330万株(金額で75億9000万円)を上限に、11月12日朝の東証の自己株式立会外買付取引「ToSTNeT-3」で自社株買いを実施するとしたことで好感されたようだ。今回取得した全株は11月28日付で消却する。

■住友不 <8830>  7,281円 (+463円、+6.8%)

 住友不動産 <8830> [東証P]が5日続急伸。11日の取引終了後、26年3月期第2四半期累計(4-9月)の連結決算発表にあわせ、通期の業績予想を上方修正した。最終利益予想について従来の計画を50億円増額して2100億円(前期比9.6%増)に引き上げたほか、自社株買いと株式分割も公表し、ポジティブ視した買いを誘う形となった。今期の売上高予想は200億円増額して1兆500億円(前期比3.5%増)に修正した。不動産販売事業では分譲マンション市場が好況にあり、期初予想を大きく上回る見通し。不動産賃貸事業も予定通り進捗しているという。また、取得総数1000万株(自己株式を除く発行済み株式総数の1.07%)、取得総額300億円を上限とする自社株買いを11月12日から26年3月31日の間に実施するほか、12月31日を基準日として26年1月1日付で1株を2株に分割する。分割後ベースで期末配当予想は22円。分割前のベースでは期末44円、年間86円(従来85円、前期は70円)となる。

■住友精化 <4008>  5,160円 (+325円、+6.7%)

 住友精化 <4008> [東証P]が3日続急伸。午後2時ごろに26年3月期の連結業績予想について、売上高は従来予想の1450億円(前期比1.7%減)を据え置きつつ、営業利益を90億円から113億円(同5.5%増)へ上方修正したことが好感された。原燃料価格が海外において低下していることや、為替市場において日本円が特に人民元に対して下落していることなどの影響を織り込んだ。なお、純利益は事業構造改善費用に加えて、顧客に対する製品代金の過剰請求に関する協議の状況を鑑み、過剰請求関連費用の増加を見込むことから、67億円から44億円(同26.2%減)へ下方修正した。同時に発表した9月中間期決算は、売上高727億500万円(前年同期比1.7%減)、営業利益58億8100万円(同19.9%増)、純利益32億7500万円(同1.6%減)だった。また、上限を21万株(自己株式を除く発行済み株数の1.60%)、または10億円とする自社株買いを実施すると発表しており、これも好材料視された。取得期間は11月13日から来年3月31日までで、資本効率向上と株主還元充実を図るとともに、機動的な資本政策を遂行することが目的としている。

※12日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

株探ニュース

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