前日に「買われた株!」総ザライ ―本日につながる期待株は?―

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■ユニチカ <3103>  247円 (+50円、+25.4%) ストップ高

 ユニチカ <3103> [東証P]がストップ高。同社は11日午前11時、26年3月期第2四半期累計(4-9月)の連結決算発表にあわせ、通期の業績予想を修正した。これまで未定としていた経常利益予想は60億円(前期比27.8%増)とした。9月中間期の経常増益が大幅な増益となったことも相まって、材料視されたようだ。未定としていた通期の売上高予想は1100億円(同13.0%減)とした。最終損益予想は引き続き未定とした。これまで合理的な業績予想の算定は困難としていたが、事業撤退の範囲と時期に関する見通しが明らかになりつつあることを踏まえ、今回算定した。高分子事業を中心に各分野・用途の市況が回復するほか、コストダウン施策や価格改定効果も出る。9月中間期の売上高は621億4700万円(前年同期比1.0%増)、経常利益は同4.2倍の48億2800万円、最終損益は34億8700万円の赤字(前年同期は98億4200万円の赤字)だった。9月末時点の自己資本比率は18.4%(3月末時点は10.4%)となっている。

■フォーラムE <7088>  1,590円 (+300円、+23.3%) ストップ高

 東証プライムの上昇率2位。フォーラムエンジニアリング <7088> [東証P]がストップ高。米投資ファンドKKR傘下のKJ003(東京都千代田区)が10日の取引終了後、フォーラムEの非公開化を目指してTOBを実施すると発表したことを受けて、TOB価格1710円にサヤ寄せする格好となっていた。買い付け予定数は3350万9741株(下限1561万3500株、上限設定なし)で、買付期間は11月11日から12月23日まで。TOB成立後、フォーラムE株は所定の手続きを経て上場廃止となる予定で、この発表を受けて東京証券取引所は同社株を11月10日付で監理銘柄(確認中)に指定した。なお、フォーラムEは今回のTOBに対して賛同の意見を表明し、株主に応募を推奨している。

■ユビAI <3858>  423円 (+80円、+23.3%) ストップ高

 ユビキタスAI <3858> [東証S]がストップ高。同社は11日正午ごろ、 IoT製品のセキュリティーを高める耐量子暗号への対応を低価格マイコンで実現することにメドをつけたと発表。これが材料視されたようだ。耐量子暗号への対応は、量子コンピューターの実用化を待たずに世界中で進められており、米国国立標準技術研究所(NIST)は2035年までの移行完了を推奨している。同社は今後も既存のセキュリティー基盤の多くが耐量子暗号に対応していくことを想定し、将来のIoT製品のニーズに備えたソリューションを提供するための取り組みを続けるとしている。

■アイスタイル <3660>  508円 (+60円、+13.4%) 一時ストップ高

 東証プライムの上昇率4位。アイスタイル <3660> [東証P]が3日続急騰、一時ストップ高となった。10日の取引終了後に発表した第1四半期(7-9月)連結決算が、売上高184億4200万円(前年同期比22.6%増)、営業利益10億3900万円(同36.4%増)、純利益6億4800万円(同7.6%増)と大幅営業増益となったことが好感された。化粧品ECサイト「@cosme SHOPPING」や化粧品専門店「@cosme STORE」などを展開するリテール事業で、名古屋新店を含む旗艦店やECの伸長により増収・増益を継続したことに加えて、美容総合サイト「@cosme」を基盤に化粧品ブランド向けの広告ソリューションを手掛けるマーケティング支援事業がリテール事業とのシナジーで更に成長したことが牽引。香港旗艦店「@cosme HONG KONG」のオープン前費用があったものの、これを吸収して大幅増益となった。なお、26年6月期通期業績予想は、売上高830億円(前期比20.7%増)、営業利益38億円(同20.1%増)、純利益26億5000万円(同13.9%増)の従来見通しを据え置いた。

■ブラザー <6448>  2,988円 (+342.5円、+13.0%)

 東証プライムの上昇率5位。ブラザー工業 <6448> [東証P]が3日続急騰。10日取引終了後、26年3月期業績予想の修正を発表、最終利益は従来予想の550億円から630億円(前期比15%増)に大幅増額した。これに伴い同利益は4期ぶりの過去最高益更新となる見通しだ。トップラインが会社側の想定を上回って好調に推移するなか、外国為替市場での円安進行によるメリットが生じていることが背景。同日に、独工業用ミシン開発・販売会社のコンラート・ブッシュから自動車部品向け事業を譲受することも開示しており、業容拡大に向けた期待も株高を後押ししていた。

■ヨコオ <6800>  1,971円 (+167円、+9.3%)

 東証プライムの上昇率6位。ヨコオ <6800> [東証P]が3日ぶり急反発。同社は11日正午ごろ、26年3月期通期の連結業績予想を修正。営業利益の見通しは従来の30億円から40億円(前期比5.4%減)に引き上げた。売上高予想も840億円から875億円(同5.6%増)に上方修正。上半期実績や第3四半期以降の受注見込み、想定為替レートを円安方向(1ドル=140円から145円に修正)に見直したことに加え、主にCTC(主要製品:半導体検査用ソケット及びプローブカード)セグメントにおける増収及び製品ミックス改善に伴う利益率改善などが要因だとしている。また、中間配当と期末配当をそれぞれ従来計画比1円増額の25円にすることもあわせて発表。これにより、年間配当は50円(前期は48円)となる。

■山一電機 <6941>  6,020円 (+500円、+9.1%) 一時ストップ高

 東証プライムの上昇率7位。山一電機 <6941> [東証P]が4日続急伸、一時ストップ高となった。半導体検査用やコネクター・実装用として使うICソケットで世界シェア約40%を有するグローバルニッチトップだが、AIデータセンター向け新製品の好調などが牽引し、業績は絶好調に推移している。26年3月期業績予想については営業利益段階で85億円から93億円(前期比13%増)に修正したほか、年間配当も従来計画の90円から105円(前期実績は89円)に引き上げるなど株主還元にも抜かりなく、投資価値向上に対する思惑が波状的な買いを引き寄せていた格好だ。特に、ここ世界的にマーケットの関心を集めている「フィジカルAI」に関しては、ロボット向けコネクターソリューションで同社の商機が一段と高まることへの期待が大きい。

■鹿島 <1812>  5,664円 (+461円、+8.9%)

 東証プライムの上昇率8位。鹿島建設 <1812> [東証P]が続急伸。11日正午ごろに26年3月期の連結業績予想について、売上高を2兆9500億円から3兆円(前期比3.0%増)へ、営業利益を1590億円から2020億円(同33.0%増)へ、純利益を1300億円から1550億円(同23.2%増)へ上方修正し、あわせて期末配当予想を56円から76円へ引き上げ年間配当予想を132円(前期104円)としたことを好感した買いが流入した。大型工事を中心とした順調な進捗により、土木・建築両事業で売上高及び売上総利益率が向上していることが要因。また、国内関係会社で建設事業の順調な進捗に加えて、不動産販売事業の収益性が向上していることも寄与する。なお、同時に発表した9月中間期決算は、売上高1兆3729億円(前年同期比3.9%増)、営業利益1086億7200万円(同2.3倍)、純利益773億2800万円(同2.2倍)だった。

■ピーエス <1871>  2,060円 (+161円、+8.5%)

 東証プライムの上昇率10位。ピーエス・コンストラクション <1871> [東証P]が4日続急伸。同社は11日午後2時、26年3月期第2四半期累計(4-9月)の連結決算の発表とともに、通期の業績予想を見直し、最終利益予想を62億円から79億円(前期比3.9%減)に引き上げた。期末配当予想も増額修正しており、評価された。今期の売上高予想は1420億円から1460億円(同7.6%増)に上方修正した。手持ち工事の進捗や設計変更の獲得が寄与。土木事業で原価改善効果も出て、業績予想に反映した。期末配当予想は従来の見通しから22円増額の62円に見直した。年間配当予想は102円(前期比30円増配)となる。9月中間期の売上高は730億5100万円(前年同期比12.6%増)、最終利益は43億6300万円(同16.9%増)だった。

■エスケーエレ <6677>  3,155円 (+242円、+8.3%)

 エスケーエレクトロニクス <6677> [東証S]が続急伸。同社は10日取引終了後、26年9月期通期の連結業績予想を公表。営業利益の見通しを前期比19.4%増の46億円としていることや、期末一括配当計画を前期比22円増配の152円としていることが好感されたようだ。売上高は同4.5%増の305億円を見込む。有機ELパネル用フォトマスクは、パネルメーカーから高精度・高精細な技術への期待が更に高まり、新たな第8世代有機ELパネル工場向け需要が増加するとみている。

■プロネクサス <7893>  1,178円 (+87円、+8.0%)

 プロネクサス <7893> [東証P]が3日続急伸。10日の取引終了後に自社株買いを実施すると発表しており、これを好感した買いが入った。上限を100万株(自己株式を除く発行済み株数の3.92%)、または10億円としており、取得期間は11月11日から来年6月23日まで。資本効率の向上や経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の実施、株主への一層の利益還元を目的に実施する。また、同時に発表した9月中間期連結決算が、売上高184億2100万円(前年同期比3.0%増)、営業利益30億1800万円(同4.6%減)、純利益20億7100万円(同33.9%減)と減益だったものの、各利益が通期計画を上回って着地したことも好材料視された。個人投資家数の増加に伴い株主総会招集通知の印刷部数が増加したことに加えて、会計コンサルティングファームのJBAホールディングスを8月に連結子会社化したことや、決算支援・開示書類作成に係るアウトソーシングサービスが伸長したことが売り上げ増を牽引。また、子会社シネ・フォーカスにおける医学会・展示会や企業関連のイベント支援も受注も拡大した。開示書類作成支援システムのバージョンアップに係る費用や営業体制強化に伴う人件費の増加により減益を余儀なくされたが、通期計画は上回った。なお、26年3月期通期業績予想は、売上高318億円(前期比2.6%増)、営業利益28億円(同13.4倍)、純利益18億円(同4.0倍)の従来見通しを据え置いた。

■朝日放送HD <9405>  788円 (+54円、+7.4%)

 朝日放送グループホールディングス <9405> [東証P]が4日続急伸。10日の取引終了後に26年3月期の連結業績予想について、売上高を925億円から927億円(前期比0.8%増)へ、営業利益を27億円から36億円(同38.9%増)へ、最終利益を31億円から41億円(同63.8%増)へ上方修正し、あわせて配当予想を中間6円・期末8円の年14円から中間8円・期末10円の年18円に引き上げたことが好感された。主力の放送・コンテンツ事業で、テレビスポット収入が上振れて推移していることに加えて、投資有価証券売却益の計上を見込むことが要因としている。なお、同時に発表した9月中間期決算は、売上高466億8700万円(前年同期比12.1%増)、営業利益12億8000万円(前年同期11億6000万円の赤字)、最終利益24億200万円(同8億5200万円の赤字)だった。

■おきなわFG <7350>  4,250円 (+260円、+6.5%)

 おきなわフィナンシャルグループ <7350> [東証P]が続急伸。11日正午ごろ、26年2月期第2四半期累計(4-9月)の連結決算の発表にあわせて、通期業績予想を修正した。最終利益予想を前回予想の90億円から100億円(前期比25.9%増)に引き上げた。同時に年間配当予想は中間・期末各60円の年120円から中間・期末各70円の年140円(前期は105円)に増額すると開示。収益の向上と株主還元姿勢を評価した買いが流入した。経常収益は据え置いた。グループ各社の業績が堅調に推移するなか、沖縄銀行の与信費用の減少や物件費などの削減が利益を押し上げた。9月中間期は経常収益が341億1400万円(前年同期比20.3%増)、最終利益が52億3400万円(同36.8%増)だった。

■UACJ <5741>  2,100円 (+112円、+5.6%)

 UACJ <5741> [東証P]が急伸。11日午後2時ごろ、26年3月期第2四半期(4-9月)の連結決算の発表にあわせて、通期業績予想を修正した。売上高予想を前回予想の1兆400億円から1兆1000億円(前期比10.1%増)、最終利益予想を200億円から230億円(同17.8%減)に引き上げた。同時に期末配当予想は2円増額の22円にすると開示。業況の改善と株主還元姿勢を好感した買いを集めていた。アルミ地金価格の高騰による棚卸資産影響の好転などを織り込んだ。なお、10月1日に1株につき4株の割合での株式分割を実施しており、株式分割後ベースでの年間配当予想は42円と実質4円50銭の増配になる。9月中間期の売上高は5401億2500万円(前年同期比10.9%増)、最終利益は73億6900万円(同55.9%減)だった。缶材需要は特に北米で好調に推移したものの、原材料価格の高止まりやドル安バーツ高の為替相場が収益に影響を及ぼした。

■京急 <9006>  1,563.5円 (+82円、+5.5%)

 京浜急行電鉄 <9006> [東証P]が3日続急伸。10日の取引終了後、26年3月期第2四半期累計(4-9月)の連結決算の発表にあわせて、通期業績予想を修正した。売上高予想を前回予想の3050億円から3000億円(前期比2.1%増)とした一方、最終利益予想は233億円から310億円(同27.6%増)に引き上げた。最終利益は減益予想から一転、増益を見込む。同時に年間配当予想は中間・期末各17円の年34円から中間・期末各23円の年46円(前期は26円)に増額すると開示した。最終増益予想と株主還元姿勢を評価した買いが入った。9月中間期は前回予想から上振れして着地。売上高が1425億6500万円(前年同期比1.1%増)、営業利益が185億5600万円(同2.3%減)、最終利益が152億5700万円(同11.7%増)だった。不動産事業が減収・営業減益だったものの、レジャー・サービス事業や交通事業が増益。最終利益には特別利益として品川駅西口基盤整備事業に基づく国道用地の譲渡に伴う固定資産売却益を計上しており、通期業績予想の引き上げにもつながった。一方、通期の売上高予想は不動産事業における賃貸オフィス売却時期及び分譲マンション販売計画の見直しなどにより下方修正した。

■ソニーG <6758>  4,520円 (+236円、+5.5%)

 ソニーグループ <6758> [東証P]が続急伸。同社は11日正午、26年3月期第2四半期累計(4-9月)の連結決算発表にあわせ、通期の業績予想を上方修正した。継続事業ベースでの今期の最終利益予想を従来の見通しから800億円増額して1兆500億円(前期比1.6%減)に引き上げており、好感されたようだ。売上高予想は3000億円増額して12兆円(同0.3%減)に見直した。ゲーム&ネットワークサービス分野と音楽事業で売上高予想を引き上げた。関税影響試算額の減少による影響や、イメージング&センシング・ソリューション分野でのコスト減少による効果などが利益を押し上げる。下期の想定為替レートは1ドル=145円前後、1ユーロ=164円前後とした。加えて、同社は取得総数3500万株(自己株式を除く発行済み株式総数の0.59%)、取得総額1000億円を上限とする自社株の取得枠を設定すると発表。取得期間は12日から26年5月14日までとする。9月中間期は売上高が5兆7295億2200万円(前年同期比3.5%増)、最終利益が5704億5200万円(同13.7%増)となった。

■日本CMK <6958>  478円 (+23円、+5.1%)

 日本シイエムケイ <6958> [東証P]が続急伸。。自動車向けプリント配線板メーカーの最大手だが、26年3月期は最終利益段階で従来計画を20億円から34億円(前期比10%減)に大幅増額修正している。そうしたなか、投資運用会社のfundnoteが10日付で提出した大量保有報告書でCMKの保有株比率が6.66%と新たに5%を上回ったことが判明した。fundnoteは著名投資家の井村俊哉氏の助言に基づいた株式投資を行う日本株Kaihouファンドを運用していることで知られ、マーケットでもその動向に関心が高い。保有目的については、Kaihouの投資助言に基づき投資信託の信託財産の運用のため保有し、建設的な対話を前提としたIR・資本効率・ガバナンスの高度化と企業価値向上を促すとしているが、受益者の利益を保全するため、保有目的を「重要提案行為を行う」に変更する場合があるとしており、これが足もとの株価を強く刺激する格好となった。

■日製鋼 <5631>  9,316円 (+444円、+5.0%)

 日本製鋼所 <5631> [東証P]が続急伸。10日の取引終了後に発表した9月中間期連結決算が、売上高1356億6200万円(前年同期比25.3%増)、営業利益121億9200万円(同47.1%増)、純利益100億9200万円(同67.9%増)と大幅な増収増益で着地したことが好感された。豊富な受注残を背景に、樹脂製造・加工機械、成形機、防衛関連機器などの産業機械事業が伸長し業績を牽引した。一方、受注高は米国関税政策に端を発する投資の手控えなどにより樹脂製造・加工機械をはじめ産業機械が減少したが、高効率火力発電及び原子力発電向けの旺盛な需要を背景に素形材の受注が大幅に伸長した。なお、26年3月期通期業績予想は、売上高2900億円(前期比16.7%増)、営業利益245億円(同7.3%増)、純利益185億円(同3.0%増)の従来見通しを据え置いた。

■ANAHD <9202>  3,020円 (+141.5円、+4.9%)

 ANAホールディングス <9202> [東証P]が大幅続伸。10日の取引終了後に、上限を6750万株(自己株式を除く発行済み株数の14.23%)、または1500億円とする自社株買いを実施すると発表したことが好感された。取得期間は12月16日から来年12月15日までで、取得した自社株はその全数を消却するとしている。同時に、払込期日を12月12日とする4000万株の第1回社債型種類株式を発行すると発表した。発行価格は1株5000円で、調達資金約1939億4000万円は、航空機導入に関する設備投資資金と自社株の取得資金に充当する予定としている。

■日東工 <6651>  3,820円 (+170円、+4.7%)

 日東工業 <6651> [東証P]が大幅続伸。10日の取引終了後、26年3月期第2四半期累計(4-9月)の連結決算を発表した。売上高が889億6200万円(前年同期比8.5%増)、営業利益が52億9200万円(同30.2%増)、最終利益が34億2400万円(同34.3%減)だった。前年同期に計上した子会社株式の取得に伴う特別利益の反動で最終減益になったものの、営業利益が減益予想から一転して大幅な増益で着地しており、好感した買いが優勢になっていた。電気・情報インフラ関連の製造・工事・サービス事業における高圧受電設備の売り上げが主要部材であるトランスの規格変更前の駆け込み需要により想定を上回った。同時に約74億円を投資し、栃木野木工場第2工場(栃木県野木町)を建設すると開示した。旺盛なデータセンター需要に対応するための生産能力の増強と、システムラックをはじめとする情報通信関連製品に関する生産体制の再編を図る。27年9月に竣工し、28年4月に生産を始める。

■大成建 <1801>  12,155円 (+485円、+4.2%)

 大成建設 <1801> [東証P]が大幅続伸。11日正午ごろに鹿島 <1812> [東証P]が発表した業績・配当予想の上方修正が刺激となったことに加えて、同日午後1時ごろには大成建も26年3月期の業績・配当予想の上方修正を発表しており、これが好感された。売上高を1兆9600億円から2兆900億円(前期比3.0%減)へ、営業利益を1010億円から1480億円(同23.2%増)へ、純利益を800億円から1370億円(同10.6%増)へ上方修正し、あわせて配当予想を中間・期末各75円の年150円から中間・期末各125円の250円へ増額した。国内の土木事業において大型工事が順調に進捗することに加えて、国内の土木事業及び建築事業における追加・変更工事の獲得や原価低減に伴う利益率改善を織り込んだ。

■マルハニチロ <1333>  3,647円 (+132円、+3.8%)

 マルハニチロ <1333> [東証P]が大幅反発。10日の取引終了後、12月31日を基準日として1株を3株に株式分割すると発表。また、同時に発表した9月中間期連結決算が、売上高5366億9700万円(前年同期比0.9%増)、営業利益187億4000万円(同16.6%増)、純利益124億5500万円(同9.8%減)となり、営業利益は上期として過去最高を更新しており、これらを好感した買いが入った。北米事業の主力製品であるスケソウダラ相場が堅調に推移したほか、生産拠点統合などによるコスト低減効果や、米国でのカニカマ製品の販売好調などが貢献。また、国内外における水産物の販売単価上昇や今年5月に取得した欧州子会社の利益も寄与した。なお、26年3月期通期業績予想は、売上高1兆800億円(前期比0.1%増)、営業利益300億円(同1.3%減)、純利益175億円(同24.8%減)の従来見通しを据え置いた。更に、26年3月に新社名Umiosへと社名変更するのを記念して、28年3月期までの中期経営計画の期間中に新社名記念株主優待制度を導入すると発表しており、これも好材料視された。26年、27年、28年の各3月末日時点で100株以上を保有する株主を対象に、保有株数100~499株でオリジナルギフトカード500円分、同500~999株で同社商品3000円相当、同1000株以上で同社商品5000円相当をそれぞれ進呈する。

■シャープ <6753>  879.6円 (+31.2円、+3.7%)

 シャープ <6753> [東証P]が大幅続伸。10日取引終了後、26年3月期連結業績予想について純利益を320億円から530億円(前期比46.8%増)へ上方修正すると発表した。これが好感された。売上高は従来予想の1兆8700億円(同13.4%減)を据え置いた。第2四半期のパソコン事業における業績上振れを反映した。また、持ち分法による投資利益の見直しなども織り込んだ。

■プレス工 <7246>  681円 (+21円、+3.2%)

 プレス工業 <7246> [東証P]が大幅続伸。11日午後3時ごろに26年3月期の連結業績予想について、売上高を1787億円から1850億円(前期比2.6%減)へ、営業利益を97億円から111億円(同15.1%増)へ、純利益を50億円から63億円(同3.6%増)へ上方修正し、あわせて期末配当予想を17円から19円へ引き上げ年間配当予想を35円(前期32円)としたことが好感された。単独、米国、タイにおいて下期に顧客の生産台数の増加が見込まれるほか、想定為替レートを円安に見直したことが要因としている。なお、同時に発表した9月中間期決算は、売上高922億6400万円(前年同期比3.2%減)、営業利益55億3700万円(同8.7%増)、純利益31億2400万円(同8.2%減)だった。また、上限を250万株(自己株式を除く発行済み株数の2.51%)、または15億円とする自社株買いを実施すると発表しており、これも好材料視されたようだ。取得期間は11月12日から来年3月13日までで、取得した全株式を3月31日に消却する。

■ガイシ <5333>  2,993.5円 (+76.5円、+2.6%)

 日本ガイシ <5333> [東証P]が続伸。大和証券は10日、同社株のレーティングを「2(アウトパフォーム)」から「1(買い)」へ引き上げた。目標株価は2500円から3500円に見直した。「構造改革の推進で成長への階段を上るフェーズへ」と指摘。第2四半期累計(4-9月)の連結営業利益は487億円(前年同期比22.7%増)だった。エンバイロメント事業やデジタルソサエティ事業は堅調。同証券では26年3月期通期の同利益予想を従来の790億円から890億円に上方修正した。

■ディーエヌエ <2432>  2,674.5円 (+66.5円、+2.6%)

 ディー・エヌ・エー <2432> [東証P]が反発。10日の取引終了後、26年3月期第2四半期累計(4-9月)の連結決算を発表した。売上高が831億5100万円(前年同期比18.3%増)、営業利益が249億4600万円(同4.5倍)、最終利益が230億2700万円(同7.7倍)だった。営業利益の今期計画のレンジの上限(250億円)に迫った。業況を好感した買いが流入した。引き続き24年10月にリリースしたスマートフォン向けポケモンカードゲーム「Pokemon Trading Card Game Pocket(ポケポケ)」が業績に大きく貢献した。同時に資本コストや株価を意識した経営の実現のための対応について、改善に向けた取り組み方針の骨子を策定したと開示した。ROE(自己資本利益率)目標を段階的に引き上げることを目指す。まずは27年3月期までの今中期戦略期間中をメドにバランスシートマネジメントを強化し、ROEが8%以上で安定する構造を早期に確立する。また、AI領域に特化した「デライト・ベンチャーズ・ビルダー3号投資事業有限責任組合」を設立し出資すると公表した。

※11日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

株探ニュース

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