話題株ピックアップ【夕刊】(1):日東紡、リクルート、フルヤ金属
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■日東紡績 <3110> 9,780円 +1,500 円 (+18.1%) ストップ高 本日終値 東証プライム 上昇率トップ 日東紡績<3110>がストップ高。6日の取引終了後、26年3月期第2四半期累計(4~9月)の連結決算発表にあわせ、通期の業績予想を修正した。今期の営業利益予想を従来の見通しから20億円増額して190億円(前期比15.5%増)、最終利益予想を245億円増額して375億円(同2.9倍)に引き上げた。最終利益予想は大幅な上方修正となっており、ポジティブ視した買いが優勢となっている。東京都中央区において賃貸不動産として所有する土地と地上権を住友不動産<8830>に売却する。これに伴い、固定資産売却益として約341億円を特別利益として計上する予定。直近の業績動向も加味して業績予想を見直した。また、日東紡は未定としていた期末配当予想について、86円50銭とすると発表した。年間配当予想は114円(前期比8円増配)となる。今期の売上高予想は据え置いた。9月中間期の売上高は574億1200万円(前年同期比8.2%増)、営業利益は94億5400万円(同28.7%増)、最終利益は68億7800万円(同27.1%増)となった。AIサーバー向けの需要が継続し、低誘電特性を持つスペシャルガラスなどの販売が好調に推移した。 ■リクルート <6098> 8,487円 +1,176 円 (+16.1%) 本日終値 東証プライム 上昇率2位 リクルートホールディングス<6098>がマドを開けて続騰。6日の取引終了後、26年3月期第2四半期累計(4~9月)の連結決算の発表にあわせて、通期業績予想を上方修正した。売上高予想を3兆5200億円から3兆5985億円(前期比1.2%増)、最終利益予想を4280億円から4483億円(同9.8%増)に引き上げており、業況を評価した買いが流入した。9月中間期の実績と下半期における各事業の業績見通しを踏まえた。主力のHRテクノロジー事業は欧州及びその他における売上高を前回予想から拡大するうえ、円ベースで減収の見通しとしていた米国について平均単価の上昇による増収を見込む。下期の為替レートは1ドル=145円、1ユーロ=172円、1豪ドル=97円を想定する。9月中間期は全体で売上高が1兆7935億8400万円(前年同期比0.3%減)、最終利益が2483億8000万円(同11.6%増)だった。 ■フルヤ金属 <7826> 3,100円 +338 円 (+12.2%) 一時ストップ高 本日終値 東証プライム 上昇率3位 フルヤ金属<7826>が続急騰。6日の取引終了後に、26年6月期の連結業績予想について、売上高を550億円から640億円(前期比11.5%増)へ、営業利益を75億円から100億円(同4.8%増)へ、純利益を48億円から60億円(同7.2%減)へ上方修正し、あわせて期末一括配当予想を60円から75円へ引き上げたことが好感された。データセンター需要を主因に電子部門、薄膜部門が順調に推移することが見込まれていることに加えて、サプライチェーン支援部門などで予想を上回る見通しになったことが要因としている。なお、同時に発表した第1四半期(7~9月)決算は、売上高232億100万円(前年同期比66.9%増)、営業利益34億1000万円(同23.1%増)、純利益23億2800万円(同43.1%増)だった。 ■BASE <4477> 363円 +39 円 (+12.0%) 本日終値 BASE<4477>が急騰。個人や小規模事業者を対象としたECプラットフォーム「BASE」を運営するほか、Webサービスにオンライン決済を導入できる「PAY.JP」の提供などを主力としている。M&A戦略に積極的で加速度的に業容を拡大させており、トップラインの伸びが注目される。そうしたなか、6日取引終了後に25年12月期業績予想の修正を発表、売上高は従来予想の196億円から208億3600万円(前期比30%増)に、営業利益は10億円から11億7900万円(同53%増)に増額した。更に株主還元も強化し、今期の年間配当について無配を計画していたが、これを改め初の4円配当を実施することを併せて発表した。これをポジティブ視する買いを呼び込んでいる。 ■キッコーマン <2801> 1,368.5円 +137.5 円 (+11.2%) 本日終値 東証プライム 上昇率4位 キッコーマン<2801>が後場に入り急動意、11%を超える上昇で1360円台まで水準を切り上げた。醤油メーカー最大手だが、北米が収益の主柱で海外売上比率が8割近くに達している。また、豆乳飲料も展開しており、積極的な宣伝活動も奏功して好調に売り上げを伸ばしている。7日前場取引終了後に発表した25年4~9月期の営業利益は前年同期比6%減の396億3300万円となったが、上期の減益決算は織り込み済みであったほか、7~9月期でみると同利益は前年同期比微増ながら増益で着地したことがポジティブ視されたようだ。なお、26年3月期の営業利益は前期比2%増の750億円を見込んでいる。足もとで株式市場では、AI関連や半導体関連などバリュエーション面で高めに買われていた銘柄の調整が入る流れにあり、食品セクターで安定した業績を維持する同社株のようなディフェンシブ性の高い銘柄に資金シフトの動きが観測される。 ■マツダ <7261> 1,119円 +84.5 円 (+8.2%) 本日終値 東証プライム 上昇率5位 マツダ<7261>が後場にプラス圏に浮上。その後上げ幅を拡大。同社は7日午後1時30分、26年3月期第2四半期累計(4~9月)の連結決算発表にあわせ、通期の業績予想を修正した。経常利益予想のみ従来の530億円から680億円(前期比64.0%減)に引き上げた。下期の営業損益が上期比で大幅に改善する計画を示していることも相まって、見直し買いを誘う形となった。円安による為替差益やドル建て資産の金利収入が増加し、経常利益を押し上げる。通期のグローバルでの販売台数はこれまでの計画を据え置いたが、北米の販売台数見通しを引き上げ、日本と中東を含む「その他市場」の販売見通しを引き下げた。米国市場では上期は関税の影響を見極めるため慎重な生産・出荷対応を行っていたが、需要は想定を上回って推移しているという。連結全体では価格、車種構成の改善などにより、下期の営業損益は上期比で1500億円の改善を見込む。 ■ミズノ <8022> 3,005円 +226 円 (+8.1%) 本日終値 東証プライム 上昇率7位 ミズノ<8022>は後場に入り切り返し急。年初来高値を更新。7日午後1時ごろ、26年3月期第2四半期累計(4~9月)の連結決算を発表した。売上高が1265億800万円(前年同期比5.8%増)、営業利益が120億1100万円(同7.7%増)、最終利益が98億7600万円(同22.0%増)だった。特に7~9月期の最終利益は49億9600万円(同68.7%増)との計算になり、好業績を評価した買いが集まっている。9月中間期は注力カテゴリーのフットボールやスポーツスタイル、ランニングなどが成長し、過去最高の業績となった。日本国内ではゴルフやワークビジネスなどが伸び、野球・ソフトボールの落ち込みを補った。 ■中外製薬 <4519> 7,468円 +517 円 (+7.4%) 本日終値 東証プライム 上昇率10位 中外製薬<4519>が切り返し急。米食品医薬品局(FDA)が6日、新薬の審査期間を短縮化する制度「国家優先バウチャー(CNPV)プログラム」において、経口肥満症治療薬の「オルフォルグリプロン」が対象に加わったと発表した。オルフォルグリプロンは中外薬が創製し、米イーライ・リリーが開発を進めている。中外薬に対しては、新薬の早期承認による収益貢献の思惑を広げる形となり、買いが集まった。イーライ・リリーを巡っては、米国における肥満症治療薬の価格引き下げでトランプ米政権と合意したことも同日に明らかになっている。 ■ソリトンシステムズ <3040> 1,771円 +121 円 (+7.3%) 本日終値 ソリトンシステムズ<3040>が後場急伸。午前11時30分ごろに発表した第3四半期累計(1~9月)連結決算で、売上高139億400万円(前年同期比5.0%増)、営業利益18億6400万円(同79.0%増)、純利益14億1500万円(同95.0%増)と大幅増益となり、通期計画に対する営業利益の進捗率が85%に達したことが好感された。ソリトン上海が連結範囲外となったものの、特に防衛や防災分野での大型案件の獲得や校務DXに関係する文教分野での売り上げ計上などで、主力のITセキュリティー事業における自社製品/サービスの販売が好調を維持した。また、ソリトン上海が連結範囲外となったことで販管費が減少したことも寄与した。なお、25年12月期通期業績予想は、売上高195億円(前期比4.8%増)、営業利益22億円(同7.7%増)、純利益17億5000万円(同1.4%増)の従来見通しを据え置いている。 ■スクエニHD <9684> 3,214円 +192 円 (+6.4%) 本日終値 スクウェア・エニックス・ホールディングス<9684>は急反騰。6日の取引終了後、26年3月期第2四半期累計(4~9月)の連結決算を発表した。売上高が1338億9500万円(前年同期比15.0%減)、経常利益が285億5300万円(同57.4%増)、最終利益が100億5200万円(同14.5%減)だった。第2四半期(7~9月)は売上高が746億2000万円(前年同期比14.9%減)、経常利益が216億6400万円(同7.6倍)、最終利益が52億48000万円(同4.6倍)との計算になり、足もとの収益性の高まりを評価した買いが優勢になっている。9月中間期は主力のデジタルエンタテインメント事業における収益性改善やライツ・プロパティ等事業における有力IPに関するロイヤルティ収入の計上などが利益を押し上げた。一方で、通期業績の最終益予想は前回予想の287億円から169億円(前期比30.8%減)に引き下げた。デジタルエンタテインメント事業の開発体制及びグローバルで統合されたマーケティング戦略を推進するための海外組織の在り方を見直す再編のため特別損失を計上。9月中間期の98億円に加え、下期も20億円ほど発生する見通し。 株探ニュース
