前日に「売られた株!」総ザライ ―本日への影響は?―

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■日立建機 <6305>  4,382円 (-607円、-12.2%)

 東証プライムの下落率3位。日立建機 <6305> [東証P]が4日続急落。大株主の日立製作所 <6501> [東証P]が4日、保有株を一部譲渡すると発表した。7日付で1500万株を国内外の機関投資家に売却するという。これに伴い、日立の議決権所有割合は25.4%から18.4%へ低下し、日立建機は持ち分法適用会社から外れる。これを受け、株式需給の悪化を意識した売りが出たようだ。なお、両社は今後もデジタル技術や自律運転技術の活用、電動化や部品供給などで協力関係を継続していくという。

■MARUWA <5344>  37,890円 (-5,090円、-11.8%) 一時ストップ安

 東証プライムの下落率4位。MARUWA <5344> [東証P]が続急落、一時ストップ安となった。5日午前10時40分ごろ、26年3月期第2四半期累計(4-9月)の連結決算の発表にあわせて、通期業績予想を修正した。売上高予想を前回予想の768億円から751億円(前期比4.5%増)、営業利益予想を288億円から270億円(同0.3%増)に引き下げており、嫌気した売りが膨らんだ。通期業績予想は9月中間期の実績を踏まえて変更した。下期の見通しは据え置いた。経常利益以下の各利益は為替要因による変動の見通しが困難であるため開示していない。9月中間期は売上高が331億1500万円(前年同期比4.9%減)、営業利益が108億4300万円(同15.2%減)で着地。主力のセラミック部品事業が半導体関連及び車載関連における市況の弱含みを受け減収減益となった。

■SBG <9984>  22,640円 (-2,520円、-10.0%)

 東証プライムの下落率5位。ソフトバンクグループ <9984> [東証P]が続急落。前日4日は1900円あまりの下落をみせており、2営業日合計の下げ幅は5000円を上回る状況となり、約5ヵ月間にわたり上昇トレンドのサポートラインとなってきた25日移動平均線もマドを開けて一気に下抜けた。日経平均への影響度では、半導体検査装置大手のアドバンテスト <6857> [東証P]とともに突出している銘柄でもあり、5日はソフトバンクG1銘柄で日経平均を600円以上押し下げていた。前日4日の米国株市場でエヌビディア  をはじめAI・半導体関連が軒並み急落、ナスダック総合株価指数は2%超の下落率となったが、米ハイテク株に積極投資するソフトバンクGにとって逆風材料となっていた。株式需給面では、直近10月24日現在までで3週連続して信用買い残が増加し650万株弱まで膨らんでいたが、個人投資家がここ最近のAI関連株人気にあやかってやや前のめりに買い込んでいた状況が見て取れる。米国では空売りファンドの暗躍も取り沙汰されるなか、同社株も一部個人投資家の狼狽売りを誘発したもようだ。

■帝人 <3401>  1,211円 (-128円、-9.6%)

 東証プライムの下落率6位。帝人 <3401> [東証P]が3日続急落。5日正午ごろ、26年3月期第2四半期累計(4-9月)の連結決算の発表にあわせて、通期業績予想を見直した。最終損益予想は従来の見通しである120億円の黒字から一転、100億円の赤字(前期は283億4700万円の黒字)に転落する見込みとなり、失望売りが膨らんでいた。売上高は据え置いた。炭素繊維事業における航空機用途や産業用途での販売量減少に伴う生産調整、競争激化やユーロ高を背景としたアラミド事業における固定資産の減損損失の計上、アラミドペーパー事業の譲渡による持分法損益の減少などが響いた。9月中間期は売上高が4510億4300万円(前年同期比11.1%減)、最終損益が548億3500万円の赤字(前年同期は533億6100万円の赤字)だった。

■大崎電 <6644>  1,174円 (-106円、-8.3%)

 大崎電気工業 <6644> [東証P]が急反落。4日取引終了後に発表した上期(4-9月)の連結決算は売上高が454億2900万円(前年同期比2.2%増)、営業利益が18億8000万円(同8.7%増)だった。国内事業が堅調で全体を牽引した。政策保有株の売却益計上により、純利益は6億9300万円(同21.3%増)となった。決算内容は良好だったものの、目先材料出尽くしとの見方から利益確定売りが先行していた。

■PALTAC <8283>  4,277円 (-339円、-7.3%)

 PALTAC <8283> [東証P]が急反落。同社は11月4日大引け後(15:30)に決算を発表、26年3月期第2四半期累計(4-9月)の経常利益(非連結)は前年同期比3.6%減の156億円に減り、従来の0.1%増益予想から一転して減益で着地。これが嫌気されたようだ。

■あすか薬HD <4886>  1,977円 (-137円、-6.5%)

 あすか製薬ホールディングス <4886> [東証P]が4日ぶり急反落。4日の取引終了後に26年3月期の連結業績予想について、売上高を750億円から710億円(前期比10.7%増)へ、営業利益を68億円から60億円(同12.5%増)へ、純利益を52億円から50億円(同2.0%減)へ下方修正したことが嫌気された。ベトナム子会社でこれまで総額で売り上げ計上していた輸入品販売取引について、純額で売り上げを計上する方法に変更したことが要因。また、将来の成長に向けたパイプラインの拡充及び創薬力強化を目的とした研究開発投資を積極的に推進していることに伴い、研究開発費などが想定よりも増加する見込みとなったことも響くという。同時に発表した9月中間期決算は、売上高352億5300万円(前年同期比8.9%増)、営業利益26億4900万円(同20.8%減)、純利益22億2600万円(同13.0%減)だった。産婦人科領域製品の子宮筋腫・子宮内膜症治療剤「レルミナ」、月経困難症治療剤「ドロエチ」が前年に引き続き増加したほか、内科領域製品の甲状腺ホルモン製剤「チラーヂン」や、難吸収性リファマイシン系抗菌薬「リフキシマ」が薬価のプラス改定の影響もあり大きく伸長した。また、アニマルヘルス事業で動物用医薬品の増加や海外事業の寄与もあり売上高は上期として過去最高を更新。ただ、研究開発費などの増加が利益を圧迫し減益となった。

※5日の下落率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋

株探ニュース

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