前日に「買われた株!」総ザライ ―本日につながる期待株は?―
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■アドテスト <6857> 22,120円 (+4,000円、+22.1%) ストップ高 東証プライムの上昇率トップ。アドバンテスト <6857> [東証P]がストップ高。28日の取引終了後、26年3月期の連結業績予想について、売上高を8350億円から9500億円(前期比21.8%増)へ、営業利益を3000億円から3740億円(同63.9%増)へ、純利益を2215億円から2750億円(同70.6%増)へ上方修正し、あわせて未定としていた中間配当予想を29円(前年同期19円)としたことが好感された。AI関連向け 半導体の更なる複雑化や性能向上及び生産数量の増加などを背景に、高性能半導体向けテスタ需要の拡大が続く見通し。なお、9月中間期決算は、売上高5267億3300万円(前年同期比60.0%増)、営業利益2324億3500万円(同2.5倍)、純利益1698億1300万円(同2.4倍)だった。同時に、上限を1800万株(自己株式を除く発行済み株数の2.47%)、または1500億円とする自社株買いを実施すると発表しており、これも好材料視された。取得期間は11月4日から来年10月28日までで、株主還元と資本効率の向上を目的としている。また、27年3月期を最終年度とする中期経営計画の数値目標を売上高で5600億~7000億円から8350億~9300億円へ、営業利益率で22~28%から33~36%へそれぞれ引き上げた。HPC(ハイパフォーマンス・コンピューティング)/AI半導体の試験ソリューションに対する力強い需要が継続し、策定時に掲げた目標を超過する可能性が高まったことが要因としている。 ■トーエネク <1946> 1,771円 (+300円、+20.4%) ストップ高 東証プライムの上昇率2位。トーエネック <1946> [東証P]がストップ高。28日の取引終了後、26年3月期第2四半期累計(4-9月)の連結決算の発表にあわせて、通期業績予想を修正した。営業利益予想を前回予想の180億円から200億円(前期比24.7%増)、最終利益予想を120億円から150億円(同39.3%増)に引き上げた。同時に年間配当予想は中間22円・期末30円の年52円から中間28円・期末37円の年65円に増額した。利益予想の引き上げと株主還元姿勢を評価する買いが流入した。9月中間期は配電線工事の工事量や一部の子会社の完成工事案件が予想を下回ったものの、屋内線工事を中心に採算性の向上が想定を上回った。子会社からの受取配当金や持ち分法投資利益の増加、保有株式の売却益なども収益に貢献し、売上高は1247億1400万円(前年同期比1.7%減)、営業利益は85億6600万円(同32.5%増)、最終利益が72億1600万円(同2.5倍)になった。なお、通期の売上高予想は据え置いた。配電線工事の工事量が回復していることに加え、屋内線工事の手持ち工事が豊富で、かつ好調に進捗していることを踏まえた。9月中間期時点での受注高は計1255億2600万円(同18.3%増)に上った。年間配当の65円は24年10月1日付で実施した1株につき5株の割合での株式分割後ベースで実質15円増配となる。また、同社は配当方針の変更も発表。連結配当性向の基準について、これまでの「30%以上」から「40%を目安」に改めた。 ■きんでん <1944> 6,158円 (+1,000円、+19.4%) ストップ高 東証プライムの上昇率3位。きんでん <1944> [東証P]がストップ高。28日の取引終了後、26年3月期第2四半期累計(4-9月)の連結決算の発表にあわせて、通期業績予想を上方修正した。売上高予想を従来予想の7300億円から7420億円(前期比5.2%増)、営業利益予想を670億円から810億円(同32.8%増)に引き上げた。同時に年間配当予想は中間・期末各50円の年100円から中間・期末各60円の年120円(前期は90円)に増額した。好業績と株主還元姿勢を好感した買いが集まっていた。9月中間期は良好な市場環境を背景とした採算性の向上に加え、生産性を改善する取り組みが奏功し予想を上回る業績で着地。売上高が3213億7800万円(前年同期比7.8%増)、営業利益が318億8700万円(同2.5倍)になった。配電工事や情報通信工事、環境関連工事など各完成工事高が増えた。通期業績予想は下期について良好な市場環境に加え、手持ち工事の状況を織り込んだ。中間期時点で個別の受注工事高は4608億8900万円(同21.6%増)に上った。事務所ビルなどが増加した一般電気工事をはじめ、各工事で受注高が前年同期を超えた。 ■四国化HD <4099> 2,773円 (+366円、+15.2%) 東証プライムの上昇率4位。四国化成ホールディングス <4099> [東証P]が急反騰。29日正午ごろ、25年12月期第3四半期累計(1-9月)の連結決算の発表にあわせて、通期業績予想を修正した。営業利益予想を従来予想の94億円から100億円(前期比2.7%増)、最終利益予想を65億円から70億円(同20.6%減)に引き上げた。営業利益は減益予想から一転、前期に続き過去最高を更新する見通しとなり、評価された。売上高予想は据え置いた。化学品事業の有機化成品や建材事業がこれまでの想定を下回る見通しになったものの、ファインケミカルが計画を上回ると見込む。ファインケミカルは収益性が高く、同商材の増収が各利益の上振れにつながった。一方、為替差損の発生や前期にあった投資有価証券売却益の反動などにより、引き続き最終利益は減益での着地を予想している。1-9月期は売上高が524億7300万円(前年同期比1.0%減)、営業利益が82億7500万円(同9.5%増)、最終利益は60億2200万円(同11.0%減)だった。 ■日車両 <7102> 3,480円 (+445円、+14.7%) 東証プライムの上昇率5位。日本車輌製造 <7102> [東証P]が急反騰。前日28日は全体地合い悪に流され、大陰線を引いて7日ぶりに反落したが、29日は動きを一変させ一気に切り返す展開になった。28日取引終了後、同社は26年3月期業績予想の修正を発表、営業利益は従来計画の66億円から82億円(前期比18%増)に増額した。なお、期中2度目の上方修正であり、期初の営業利益予想は56億円だった。鉄道車両、輸送用機器・鉄構事業の各事業の売り上げが会社側想定以上に伸び、収益押し上げに貢献した。これを材料視する形で上値を見込んだ投資資金が流入した。 ■関電工 <1942> 4,885円 (+452円、+10.2%) 東証プライムの上昇率6位。関電工 <1942> [東証P]が急反騰、電力工事関連株が一斉高となった。28日の取引終了後、きんでん <1944> [東証P]とトーエネック <1946> [東証P]が26年3月期第2四半期累計(4-9月)の連結決算の発表にあわせて、26年3月期の通期業績予想を修正した。両社とも通期業績予想を引き上げ、これを受け翌29日の株価は急騰。電気工事関連株の物色人気化につながったようだ。 ■栃木銀 <8550> 550円 (+44円、+8.7%) 東証プライムの上昇率8位。栃木銀行 <8550> [東証P]が急反発。29日午後3時ごろに26年3月期連結業績予想について、最終利益を58億円から78億円(前期223億2800万円の赤字)へ上方修正し、あわせて配当予想を中間・期末各7円の年14円から中間・期末各12円の年24円へ引き上げたことが好感された。単独業績において貸出金利息、預け金利息など資金利益の増加が計画を上回る見通しという。 ■Aiロボ <247A> 1,928円 (+135円、+7.5%) Aiロボティクス <247A> [東証G]が4日続急伸。29日、展開するスキンケアブランド「Yunth(ユンス)」が、K-POPグループ「BTS」のV氏とブランドアンバサダー契約を締結したと発表しており、好材料視された。今回の取り組みは、V氏の除隊後初の日本での広告出演で、スキンケアブランドとしては日本初の単独契約となる。21世紀のポップアイコンともいわれる「BTS」のV氏をブランドアンバサダーに迎えることで、プレゼンス向上と海外市場への展開を見据えたグローバル戦略を本格的に始動するとしている。 ■高砂熱 <1969> 4,588円 (+312円、+7.3%) 高砂熱学工業 <1969> [東証P]が急反発。29日の寄り前に26年3月期の連結業績予想について、売上高を4100億円から4210億円(前期比10.3%増)へ、営業利益を360億円から433億円(同33.6%増)へ、純利益を287億円から343億円(同24.1%増)へ上方修正し、あわせて期末配当予想を44円から62円へ引き上げたことが好感された。一部工事の工程見直しなどを行った結果、単体売上高は前回予想を下回る見込みとなったものの、効率的な施工体制などによる工事進捗とともに収益性の改善を見込むことから、連結では売上高・利益を押し上げる見通しという。 ■日ガス <8174> 2,821円 (+139円、+5.2%) 日本瓦斯 <8174> [東証P]が急反発。同社は28日の取引終了後、26年3月期第2四半期累計(4-9月)の連結決算を発表。売上高は前年同期比2.5%増の881億9500万円、最終利益は同2.1倍の34億3900万円だった。大幅な増益となったことに加え、自社株買いの実施も発表しており、好感されたようだ。電気事業で顧客の増加により販売量が伸長。燃料価格の動向も利幅を拡大させる要因となった。自社株買いは総数400万株(自己株式を除く発行済み株式総数の3.7%)、総額90億円を上限とし、10月29日から来年3月31日の間に実施する。 ■トクヤマ <4043> 3,872円 (+188円、+5.1%) トクヤマ <4043> [東証P]が急反発。29日午前9時ごろに発表した9月中間期連結決算が、営業利益191億5200万円(前年同期比37.2%増)と大幅増益となったことが好感された。塩ビ関連製品の海外市況下落などの影響を受けて売上高は1637億5600万円(同1.1%減)と減収だったものの、半導体向け多結晶シリコンをはじめ半導体関連製品の販売が堅調だったことに加えて、操業度の向上や製造コストの改善などが寄与し、営業利益は大幅増となった。なお、26年3月期通期業績予想は、売上高3645億円(前期比6.2%増)、営業利益415億円(同38.5%増)の従来見通しを据え置いた。 ■SBIリーシ <5834> 5,260円 (+240円、+4.8%) SBIリーシングサービス <5834> [東証G]が大幅反発。29日午前11時30分ごろ、26年3月期第2四半期累計(4-9月)の連結決算を発表した。売上高が263億7300万円(前年同期比29.4%増)、営業利益が53億円(同77.6%増)になった。好調な業績推移を評価する買いが集まっていた。JOLCO商品については競争力のある多様かつ十分な商品残高の確保と積極的な営業活動に取り組み、中間期における過去最高の販売額を達成した。大口顧客の獲得推進施策が奏功し、着実に営業基盤を拡大しているという。 ■SBG <9984> 27,315円 (+1,025円、+3.9%) ソフトバンクグループ <9984> [東証P]が大幅高で4日続伸。前日28日の米国株市場ではNYダウとともにハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数も4連騰で最高値更新基調を続けており、同指数と株価連動性の高い同社株には追い風となっていた。トランプ米政権肝いりの大規模AIインフラプロジェクト「スターゲート」では米オープンAIやオラクルなどとともに主導的な役割を担う。前日28日の日米首脳会談では日米両政府は会談に合わせ約4000億ドルの「日米間の投資に関する共同ファクトシート」を発表。AI電力インフラや重要鉱物など4つの投資分野を挙げている。生成AI市場の拡大と電力インフラ拡充は切っても切れない関係にあり、これに関してソフトバンクGや日立製作所 <6501> [東証P]が関心を示しているとも報じられており、海外投資家の注目度が高まったもようだ。 ■京葉銀 <8544> 1,319円 (+47円、+3.7%) 京葉銀行 <8544> [東証P]が大幅反発。29日午後1時30分ごろ、集計中の9月中間期連結業績について、純利益が従来予想の64億円から91億円(前年同期比10.0%増)へ上振れて着地したようだと発表しており、好材料視された。銀行単体において、資金利益や有価証券関係損益が従来予想を上回ったことに加えて、与信費用が想定を下回ったことが要因としている。 ■日立建機 <6305> 5,168円 (+138円、+2.7%) 日立建機 <6305> [東証P]が反発。28日の取引終了後、26年3月期の連結業績予想について、売上高を1兆3000億円から1兆3200億円(前期比3.7%減)へ、調整後営業利益を1300億円から1320億円(同9.0%減)へ、純利益を730億円から740億円(同9.1%減)へ上方修正したことが好感された。北米などを中心に油圧ショベルの需要が想定を上回り堅調に推移していることに加えて、上期業績が順調に回復基調にあることなどを考慮した。なお9月中間期決算は、売上高6540億5100万円(前年同期比1.8%減)、調整後営業利益601億4800万円(同15.7%減)、純利益377億5000万円(同18.9%増)だった。 ■大有機 <4187> 3,780円 (+95円、+2.6%) 大阪有機化学工業 <4187> [東証P]が反発。独立系化学メーカーで、特殊アクリル酸エステルでは業界のフロントランナー。また、電子材料部門を主力とし、半導体レジスト用原料などを展開し需要を捉えているが、ArFエキシマレーザーに対応したレジスト用原料への引き合いが極めて旺盛で業績に貢献している。そうしたなか、29日の朝方に、25年11月期第4四半期決算で「補助金収入」3億1400万円を特別利益として計上することを発表、足もとではこれが刺激材料となった格好だ。株価は昨年7月以来約1年3ヵ月ぶりの高値圏を走るが、業績成長期待から海外筋の注目も高まっていたもよう。現状は外国人保有株比率が10%未満と低く、需給面でポートフォリオ組み入れの動きが進めば一段の上値も期待される。 ■WOWOW <4839> 1,450円 (+30円、+2.1%) WOWOW <4839> [東証P]が反発。28日の取引終了後に集計中の9月中間期連結業績について、売上高が従来予想の371億円から375億円(前年同期比0.4%増)へ、営業利益が2億円から16億円(同32.0%増)へ、最終利益が1億円から14億円(前年同期1億7900万円の赤字)へ上振れて着地したようだと発表したことが好感された。番組販売などのその他収入が想定を上回ったことなどに加えて、番組費などの一部費用の発生が下期以降へずれ込むことが要因としている。 ■日金銭 <6418> 1,014円 (+18円、+1.8%) 日本金銭機械 <6418> [東証P]が反発。28日の取引終了後に集計中の9月中間期連結業績について、最終利益が従来予想の28億円から32億円(前年同期比28.5%増)へ上振れて着地したようだと発表したことが好感された。円高に推移すると想定していた為替相場が円安に推移し、為替差益が発生したことが要因としている。 ■クオリプス <4894> 6,370円 (+90円、+1.4%) クオリプス <4894> [東証G]が5日ぶり反発。28日の取引終了後、今年4月に 再生医療等製品製造販売承認申請を行ったヒト(同種)iPS細胞由来心筋細胞シートについて、厚生労働省から虚血性心筋症による重症心不全を対象とした希少疾病用再生医療等製品に指定されたとの通知を受け取ったと発表しており、これを好材料視した買いが入った。希少疾病用再生医療等製品の指定制度は、医療上特にその必要性が高いものなどを条件に厚生労働大臣が指定する制度で、指定を受けることで、PMDA(医薬品医療機器総合機構)などによる指導や助言などの支援措置を受けることができるようになる。なお、同件が26年3月期業績に与える影響は軽微としている。 ■コメリ <8218> 3,135円 (+40円、+1.3%) コメリ <8218> [東証P]が反発。決算内容や自社株買いが好感された。同社が28日取引終了後に発表した第2四半期累計(4-9月)の連結純利益は前年同期比8.4%増の103億6000万円だった。主力カテゴリーである農業資材の販売が堅調に推移した。コメ増産に絡む関連資材などが伸びたとみられている。作業シートなど建設事業者が使用する商品の販売も順調だった。26年3月期の同利益は前期比6.4%増の146億円で据え置いた。同時に、60万株(自己株式を除く発行済み株式数の1.25%)、21億円を上限とする自社株取得枠の設定を発表。取得期間は10月29日から26年1月23日まで。取得した全株式は消却する。29日の午前8時45分、東京証券取引所の自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)において、1株3095円で22万8000株を7億566万円の取得金額で買い付けている。 ※29日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。 株探ニュース
