前週末24日に「買われた株!」総ザライ ―本日につながる期待株は?―
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■アウン <2459> 324円 (+80円、+32.8%) ストップ高 アウンコンサルティング <2459> [東証S]がストップ高。23日の取引終了後、AI Hack(東京都港区)と業務提携し、「AIOコンサルティング」サービスの内容をアップデートし、共同で提供すると発表。これを手掛かりとした買いが集まったようだ。同サービスではAI検索での言及・引用状況の分析やウェブサイト上に不足するコンテンツの特定及び制作支援、AIに引用されやすいコンテンツ構造の提案などに取り組む。今回の提携により、アウンのSEO支援のノウハウとAI Hackが持つ生成AI領域における分析技術を組み合わせ、AIが参照する情報の分析内容や施策方針をより明確にできるようになった。今後はグローバル市場を視野に入れ、多言語でのAIO分析や各国の生成AIモデルに対応した評価基準の整備を予定している。 ■ケミプロ <4960> 395円 (+80円、+25.4%) ストップ高 ケミプロ化成 <4960> [東証S]がストップ高。化学品メーカーで紫外線吸収剤や酸化防止剤などの添加剤や製紙用薬剤(顕色剤)、有機EL材料など電子材料にも展開する。商品開発力が高く、ペロブスカイト太陽電池材料の開発推進を標榜している点も注目ポイントといえる。産業技術総合研究所の「被災地企業等再生可能エネルギー技術シーズ開発・事業化支援事業」に採択されるなど実績を重ねている。ペロブスカイト太陽電池は国策支援の見込まれる分野で、高市早苗首相が総裁選で掲げた公約にもペロブスカイトの普及促進が盛り込まれており、24日午後に予定された所信表明演説を前に思惑が募っていた。 ■KOA <6999> 1,504円 (+273円、+22.2%) 一時ストップ高 東証プライムの上昇率トップ。KOA <6999> [東証P]が急反騰、一時ストップ高となった。23日取引終了後、26年3月期連結業績予想について売上高を672億円から694億円(前期比8.2%増)へ、営業利益を17億円から29億8000万円(同2.5倍)へ上方修正すると発表した。円安の影響をはじめ、日本の産業機器向け需要の増加やアジアを中心としたAI関連機器向けの伸長が要因。あわせて配当方針の変更を発表。1株当たり年間配当金の下限値を年間30円とし、連結配当性向30%前後を目安とする方針を示した。更に、2027年度(28年3月期)を最終年度とする中期経営計画を明らかにし、最終年度に売上高800億円、営業利益74億円とする目標を掲げた。これらが好感され買いを呼び込んだ。 ■キオクシア <285A> 8,780円 (+1,410円、+19.1%) 一時ストップ高 東証プライムの上昇率2位。キオクシアホールディングス <285A> [東証P]が3日続急騰、一時ストップ高となった。半導体メモリーの専業メーカーでNAND型フラッシュメモリーを主力製品としているが、最近はNANDメモリー市況が急速な盛り上がりをみせており、同社の収益環境を取りまく風向きは一変している。米国を中心にAIデータセンターが世界的な建設ラッシュとなるなか、データセンター向けに高速伝送が可能なSSD(データを記憶するストレージデバイス)の需要が増勢一途にあり、つれてNANDメモリーを供給する企業の商機が高まっている。また、市場では「今月に入って米オープンAIが韓国のサムスン電子やSKハイニックスから、AI向けのデータセンターに使うDRAMを調達することを開示している。NAND型の世界シェアでこの2社に続くのがキオクシアであり、同社には海外機関投資家の視線が集まりやすくなっている」(中堅証券ストラテジスト)という見方も示されていた。 ■大末建 <1814> 3,200円 (+500円、+18.5%) ストップ高 東証プライムの上昇率3位。大末建設 <1814> [東証P]がストップ高。24日午後3時ごろ、26年3月期の連結業績予想について、売上高を964億円から1010億円(前期比13.4%増)へ、営業利益を35億2000万円から51億2000万円(同38.6%増)へ、純利益を22億5000万円から36億2000万円(同75.7%増)へ上方修正し、あわせて配当予想を中間・期末各54円の年108円から、中間・期末各87円の年174円へ引き上げたことが好感された。中間期時点で受注高が計画を上回っていることに加えて、工事の進捗が順調に推移したことが要因。また、手持ち工事の利益改善や販管費抑制効果なども寄与する。 ■東京機 <6335> 563円 (+80円、+16.6%) ストップ高 東京機械製作所 <6335> [東証S]がストップ高。新聞向け輪転機の製造を主力とするが、高い技術力を横軸展開させFA分野にも領域を広げている。また、人工知能(AI)を活用した印刷の自動制御など最適化技術への取り組みにも余念がない。最近では、9月上旬に防衛省向けの搬送・格納に関する自動化・省人化装置を受注したことを発表、新境地開拓でマーケットの耳目を驚かせた。これを皮切りに今後は防衛分野向けの需要獲得にも期待がかかる。28日はトランプ米大統領との日米首脳会談を控え、 防衛関連株に対するテーマ物色の流れが強まるなか、個人投資家好みの値ごろ感と小型材料株特有の魅力を内包する同社株に資金が集中する格好となったようだ。 ■モブキャスト <3664> 56円 (+7円、+14.3%) モブキャストホールディングス <3664> [東証G]が急反騰。同社は23日取引終了後、SBIホールディングス <8473> [東証P]子会社のビットポイントジャパンと、暗号資産であるソラナ(SOL)を戦略的に保有・活用するソラナ・トレジャリー事業で業務提携したと発表。これが材料視されたようだ。同社は提携を皮切りに、ソラナ・トレジャリー事業におけるトークン保有・運用・管理の基盤を整備し、国内外の複数取引所・マーケットメーカー、OTC取引所との連携を加速させる構え。この取り組みを通じて、ソーシャルエンターテイメント&メディア事業の成長を支えるとともに、トレジャリー事業による財務基盤の強化を両輪として推進し、時価総額の向上及び上場維持基準の達成を通じて、株主価値の最大化を目指すとしている。 ■日本M&A <2127> 793.8円 (+88.2円、+12.5%) 東証プライムの上昇率6位。日本M&Aセンターホールディングス <2127> [東証P]が急反騰。23日の取引終了後、集計中の9月中間期連結業績について、売上高が従来予想の201億円から225億円(前年同期比21.0%増)へ、営業利益が68億円から83億円(同40.1%増)へ、純利益が40億円から50億円(同33.7%増)へそれぞれ上振れて着地したようだと発表したことが好感された。成約件数が488件(前年同期比7.5%増)、1件当たりM&A売上高が4460万円(前年同期比12.6%増)に上昇しており、商談開始時から成約に至るまでの一連の案件工程管理の徹底やミッドキャップ企業(売上高10億円以上または利益5000万円以上の企業)向けの施策が奏功したとしている。 ■イビデン <4062> 10,510円 (+845円、+8.7%) 東証プライムの上昇率10位。イビデン <4062> [東証P]が急反発。 半導体向けのパッケージ基板を手掛ける同社は長年、米インテルとの取引関係を構築。株式市場ではインテル関連株と位置付けられている。そのインテルが23日に発表した25年7-9月期(第3四半期)の決算は、売上高と1株利益が市場予想を上回る結果となり、第4四半期について強気な見通しを示したことも相まって、同日の時間外取引でインテル株は急騰。イビデン株への刺激材料となったようだ。 ■太平洋工 <7250> 2,960円 (+206円、+7.5%) 太平洋工業 <7250> [東証P]が3日続急伸。同社は23日の取引終了後、MBO(経営陣が参加する買収)の一環で実施しているTOB(株式公開買い付け)に関し、買付価格を1株2919円(従来は2050円)に引き上げると発表した。株価は新たなTOB価格にサヤ寄せする動きとなっていた。あわせてTOBの期限についてこれまでの10月23日から11月7日まで延長すると公表した。同社を巡ってはMBOの発表後に、旧村上ファンド関係者が設立したシンガポール拠点の投資ファンド、エフィッシモ・キャピタル・マネージメントによる株式取得が明らかとなり、直近では12.49%まで保有割合が上昇していた。 ■技術承継機構 <319A> 9,200円 (+540円、+6.2%) 技術承継機構 <319A> [東証G]が急反発。同社は23日取引終了後、子会社を通じてフォークリフトの中古販売などを行うアドバンス(大阪市西淀川区)の全株式を取得したと発表。これによるシナジーなどが期待されたようだ。同社は技術を持つ企業複数社が一緒になることで、強固な企業グループの構築を目指しており、今回の買収はその一環。グループに参画するアドバンスを含む譲受先の経営支援を引き続き推進するとともに、更なる譲受機会の検討を進めるとしている。 ■QPS研究所 <5595> 1,981円 (+85円、+4.5%) QPS研究所 <5595> [東証G]が大幅反発。木原稔官房長官が24日、閣議後の記者会見において「国家情報局」の創設に関して早急に論点を整理し、検討を進める考えを示した。会見に先立ち読売新聞オンラインは同日、「政府は、国内外のインテリジェンス(情報収集、分析)活動の司令塔となる『国家情報局』を創設する方向で調整に入った」と報じた。インテリジェンスの強化に向けて、人工衛星画像の活用が一段と加速するとの思惑から、株式市場においては宇宙関連株を物色する動きが広がった。 ■アドテスト <6857> 17,080円 (+615円、+3.7%) アドバンテスト <6857> [東証P]が大幅反発。前日23日の米国株市場ではエヌビディア をはじめ半導体関連株が高く、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は大幅高で3日ぶりに反発した。これを受けて、東京市場でも目先調整していた半導体セクターに資金が還流していた。また、米株市場の前日23日取引終了後にインテル が7-9月期決算発表を行い、最終損益が7四半期ぶりに黒字転換したほか、EPSも事前コンセンサスを上回った。これを受けて同社株は時間外で大きく買われたことも、東京市場の半導体セクターに追い風となっていた。 ■三重交HD <3232> 560円 (+17円、+3.1%) 三重交通グループホールディングス <3232> [東証P]が大幅高で6日続伸。23日の取引終了後、26年3月期の連結業績予想の上方修正を発表した。売上高予想を従来予想の1070億円から1090億円(前期比5.0%増)、営業利益予想を87億円から91億円(同8.1%増)、最終利益予想を59億円から61億円(同0.7%増)に引き上げた。最終利益は減益予想から一転して増益予想となっており、好感した買いが入った。貸切バス事業やビジネスホテル事業が堅調で、第2四半期累計(4-9月)の業績は従来予想を上回って着地した。自動車販売事業での需要拡大もあって、人件費や物価上昇による影響を補う形で収益が上振れする。 ■コーテクHD <3635> 2,117円 (+63円、+3.1%) コーエーテクモホールディングス <3635> [東証P]が3日ぶり大幅反発。ゲームソフト開発を手掛けており、「無双」シリーズなど歴史題材のソフトで他社と一線を画しユーザーのニーズを取り込んでいる。足もとの業績は既存タイトルが好調なほか、経費削減努力などが利益押し上げに寄与している。23日取引終了後、同社は26年3月期上期(25年4-9月)業績予想の修正を発表、営業利益段階で従来予想の50億円から78億円(前年同期比27%減)に大幅増額修正しており、これを好感する買いを引き寄せた。 ■たけびし <7510> 2,108円 (+62円、+3.0%) たけびし <7510> [東証P]が大幅高で3日続伸。23日の取引終了後、26年3月期の連結業績予想について、売上高を1020億円から1040億円(前期比3.0%増)へ、営業利益を35億8000万円から37億円(同8.0%増)へ、純利益を24億円から26億8000万円(同0.8%増)へ上方修正したことが好感された。上期において、成長戦略の一つである医療ビジネスが堅調に推移したことに加え、半導体・デバイス分野で電子部品実装機向け産業用パソコンなどが増加したことが要因としている。 ■タムロン <7740> 1,108円 (+27円、+2.5%) タムロン <7740> [東証P]が3日続伸。23日の取引終了後に関東財務局に提出された変更報告書で、旧村上ファンド関係者が運営する投資会社エフィッシモ キャピタル マネージメントの保有割合が12.04%から13.06%に上昇したことが判明。これを受けて思惑的な買いが入ったようだ。保有目的は純投資、ただし2230万3500株については投資一任契約に基づく顧客資産運用のためとしており、報告義務発生日は10月16日となっている。 ■日揮HD <1963> 1,611円 (+33円、+2.1%) 日揮ホールディングス <1963> [東証P]が反発。23日の取引終了後、傘下の日揮がCO2バッテリー技術を有するイタリアのエナジー・ドーム社と日本市場での協業検討を目的とした覚書(MOU)を締結したと発表しており、好材料視された。CO2バッテリー技術は、ドーム状の貯蔵容器にコンプレッサーを用いてCO2を圧縮・液化して貯蔵。貯蔵したCO2は、夜間など電力需要が高まる時間帯に再加熱・膨張させてタービンを回し発電する仕組み。エナジー・ドーム社は、イタリア・サルデーニャ島に世界初のCO2バッテリー商用プラントの運転を開始。各国におけるCO2バッテリー技術の導入を進めており、今回のMOUに基づき両社は、日本国内における本格的なCO2バッテリー商用プラントの導入に向けた協業検討を実施するとしている。 ■M&A総研 <9552> 1,136円 (+23円、+2.1%) M&A総研ホールディングス <9552> [東証P]が3日続伸。同じM&A仲介の日本M&Aセンターホールディングス <2127> [東証P]が23日の取引終了後、集計中の9月中間期連結業績について、営業利益が68億円から83億円(前年同期比40.1%増)へ上振れて着地したようだと発表し株価が急伸しており、刺激材料となったようだ。また、M&Aキャピタルパートナーズ <6080> [東証P]、ストライク <6196> [東証P]などにも同様に好業績期待の買いが入った。 ■INPEX <1605> 2,849円 (+50.5円、+1.8%) INPEX <1605> [東証P]が3日続伸。23日の米原油先物相場はWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の12月限が前日22日比3.29ドル高の1バレル=61.79ドルと上昇。トランプ米政権が22日にロシアの石油大手2社に制裁を科すことを発表したことを受け、原油市場の引き締まり観測が浮上していた。INPEXは原油高が追い風となることに加え、株価はPBR0.7倍台、配当利回り3.5%台の水準にあり見直し機運が高まっていた様子だった。 ■しまむら <8227> 9,686円 (+148円、+1.6%) しまむら <8227> [東証P]が続伸。23日の取引終了後に発表した10月度(9月21日~10月20日)の月次売上速報で、主力のしまむら業態の既存店売上高が前年同月比2.2%増と7ヵ月連続で前年実績を上回ったことが好感された。月度前半で厳しい残暑が続いたものの、婦人アウター衣料やインナー商品、服飾雑貨商品が売り上げを伸ばした。婦人アウター衣料では、シャツ・カーディガンなどの羽織物が好調。インナー商品では、「CLOSSHI」の「ヘビロテ」インナーが好調に推移した。また、服飾雑貨商品では、キャラクター雑貨が継続して売れ筋となった。なお、しまむら業態の全店売上高は同1.9%増だった。 ■マブチ <6592> 2,627円 (+34円、+1.3%) マブチモーター <6592> [東証P]が反発。23日の取引終了後、精密小型モーターやモーションコントロール製品の製造販売を行う日本パルスモーター(東京都文京区)の全株式を26年1月上旬をメドに取得し子会社化すると発表しており、好材料視された。今回の子会社化により、日本パルスモーターの強みであるモーターと制御系システムを組み合わせたモーションコントロールに関する高度な技術力と、医療分野及び産業機器分野での豊富な知見と対応力を活用することで、3つのM領域(モビリティ、マシーナリー、メディカル)での事業領域拡大に寄与すると期待している。取得価額の総額は66億円となる予定。なお、同件による25年12月期業績へ与える影響は軽微としている。 ■マクセル <6810> 2,211円 (+24円、+1.1%) マクセル <6810> [東証P]が続伸。23日の取引終了後、最大150度の高温下で充放電が可能なセラミックパッケージ型全固体電池 「PSB401010T」を開発し、11月上旬から順次サンプル出荷を開始すると発表したことが好感された。「PSB401010T」は、現在量産中の「PSB401010H」に、24年に発表した「全固体電池の作動上限温度を150度に引き上げる技術」を搭載し、耐えられる温度を25度上げたもの。高温で滅菌する工程を有する機器などに「PSB401010T」を用いることで、従来の電池を使用する場合に比べて、機器の使用可能時間が延びることが期待できるとしている。 ※24日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。 株探ニュース
