【杉村富生の短期相場観測】 ─日本版「サッチャー」政権に期待!
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「日本版『サッチャー』政権に期待!」 ●アベノミクスに続く日本再生第2幕の開演! 寒波(冬)の到来とともに、株式市場はやや荒れもようの展開となっている。なにしろ、日経平均株価は2025年4月7日の3万0792円(ザラバベース)を安値に、10月21日には瞬間4万9945円の高値まで一気に駆け上がってきた。上昇幅は1万9153円、上昇率は62.2%に達する。5万円の大台を突破し、一段高に進むには身をかがめる必要があろう。 すなわち、値固め(調整)である。直立姿勢では飛び跳ねるのは難しい。それに、米国連邦政府の窓口閉鎖は長引いている。今後、物流などに影響が出るだろう。ロシア石油大手のロスネフチとルクオイルに対する制裁強化、インドのロシア産原油・天然ガスの輸入削減は資源・エネルギー価格を高騰させる。代替需要が発生する。 すでに、北海ブレント、WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)先物は大幅高だ。原油・ 天然ガス開発のINPEX <1605> [東証P]、石油資源開発 <1662> [東証P]、K&Oエナジーグループ <1663> [東証P]が面白い。銅鉱山を持つ日鉄鉱業 <1515> [東証P]、 金鉱山(菱刈)の住友金属鉱山 <5713> [東証P]、鉱山機械の古河機械金属 <5715> [東証P]も狙える。 物色傾向は広がりをみせている。これは買い気の強さを示す動きだ。造船セクターの三井E&S <7003> [東証P]、ジャパンエンジンコーポレーション <6016> [東証S]、レアメタル関連の東洋エンジニアリング <6330> [東証P]、三井海洋開発 <6269> [東証P]は抜群に強い。名村造船所 <7014> [東証S]は独歩高となろう。 このほか、カジノ関連のセガサミーホールディングス <6460> [東証P]、地銀向け勘定系システム開発のフューチャー <4722> [東証P]、店舗×ネット(O2O)戦略を進めているGMOコマース <410A> [東証G]、西友を買収、全国制覇を狙うトライアルホールディングス <141A> [東証G] は動兆しきりである。 ●メローニ首相は「地中海の鉄の女」! さて、日本では女性初の日本版「サッチャー」と呼ばれる高市早苗首相が誕生、高市政権が船出した。メディア、政治ジャーナリストの評価は厳しいが、筆者は意外に長期政権になる、と考えている。やはり、少数与党、保守派のイタリアのジョルジャ・メローニ首相(48歳)が参考になろう。彼女は「地中海の鉄の女」と称されている。同国初の女性首相だ。右派政党「イタリアの同胞」の党首を務めている。 2022年10月に首相に就任した時点では「どうせ、短命だろう」と言われたものだ。しかし、彼女は過激な発言を封印、欧州保守改革グループのリーダーとして積極的に活動し、いまではイタリアは「フランス以上に良好な財政状態」と評価されている。現実路線の推進である。高市政権は彼女を意識している、と思う。 高市政権の政策課題は国民の生命、財産、および生活を守ることだが、メインテーマは日本再生だ。2012年末に発足した安倍政権によるアベノミクスに続く第2弾になる。アベノミクス、そして異次元の金融緩和によって、日経平均株価は2012年10月15日の安値8488円が直近高値では約6倍になった。その再現が期待できるのではないか。 テーマ的には国家主義の視点にマトを絞ると、防衛(スタンド・オフ戦略)、宇宙開発、サイバーセキュリティ、エネルギー(核融合炉)、レアメタル(深海採掘)、防災・国土強靱化(インフラ整備)、食料安全保障、首都機能の分散(大阪)、リニア新幹線、電力の安定供給、外国人対策などをピックアップできる。 2025年10月24日 記 株探ニュース
