前日に「売られた株!」総ザライ ―本日への影響は?―

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材料

■モビルス <4370>  497円 (-100円、-16.8%) ストップ安

 モビルス <4370> [東証G]がストップ安。同社は前週末10日の取引終了後、25年8月期の連結決算の発表にあわせて、26年8月期の連結業績予想を開示した。売上高予想を22億9800万円(前期比23.9%増)、最終損益予想を4500万円の赤字(前期は9000万円の黒字)とした。赤字に転落する見通しとなっており、失望売りが膨らんでいた。人件費・採用費やオフィス移転に伴うコストの増加などから単体業績で大幅な減益を見込む。加えて、連結子会社でAIエージェント事業の立ち上げを進めるvottiaへの先行投資を計画している。25年8月期の連結決算は売上高が18億5400万円だった。同社は25年8月期第3四半期(3-5月)から連結決算に移行した。単独決算だった前の期は売上高が15億3400万円、最終損益が7億3100万円の赤字だった。主力のSaaSサービスは大規模のオペレーターを有するコンタクトセンターでの利用が始まるなど案件が大型化したうえ、生成AI関連の同社製品「MooA(ムーア)」の導入が進み大幅な増収になった。

■アジャイル <6573>  94円 (-18円、-16.1%)

 アジャイルメディア・ネットワーク <6573> [東証G]が続急落。14日午後0時30分ごろ、25年12月期の連結業績予想について、営業損益を1億6500万円の赤字から2億1400万円の赤字(前期3億100万円の赤字)へ、最終損益を1億7400万円の赤字から1億7700万円の赤字(同3億3700万円の赤字)へ下方修正したことが嫌気された。M&Aした企業の売上高が上乗せされるため、売上高は6億8300万円から7億5600万円(前期比66.2%増)へ上方修正されたが、子会社インプレストラベルにおける第3種旅行業登録完了の遅れから営業開始のための諸準備が予定より遅延し、営業活動にも影響が生じたことや、アンバサダー事業の営業の遅れなどが響いた。

■FIXER <5129>  523円 (-100円、-16.1%) ストップ安

 FIXER <5129> [東証G]がストップ安。前週末10日取引終了後に発表した25年8月期連結決算は売上高が39億8000万円(前の期単独64億6800万円)、営業損益が17億2900万円の赤字(同2億6000万円の黒字)だった。医療DXビジネスを推進する「GaiXer Medical Agent」の導入が期末までに完了できなかった影響などがあった。26年8月期の業績予想は非開示。配当予想は無配継続とした。大幅な営業赤字で着地したことがネガティブ視されていた。

■チヨダ <8185>  1,003円 (-119円、-10.6%)

 東証プライムの下落率トップ。チヨダ <8185> [東証P]が5日続急落。10日の取引終了後、26年2月期の連結業績予想について、売上高を860億円から818億5000万円(前期比10.9%減)へ、営業利益を36億円から17億円(同22.5%減)へ、純利益を27億5000万円から10億円(同65.8%減)へ下方修正したことが嫌気された。上期にプライベートブランド「スパットシューズ」の成長を戦略的に推進したことで、「スパットシューズ」は前年に対して7割以上の増収を達成したものの、それ以外の商品の売り上げが計画に対して約90%にとどまり、想定以上に低迷したことが要因。また、ナショナルブランドの構成比やカテゴリーの見直しを行ったものの、売り上げが想定に至らなかったことも響く。なお、同時に発表した8月中間期決算は、売上高418億3000万円(前年同期比14.4%減)、営業利益13億7900万円(同14.6%減)、純利益9億2100万円(同42.0%減)だった。

■QPS研究所 <5595>  1,757円 (-203円、-10.4%)

 QPS研究所 <5595> [東証G]が続急落。同社は前週末10日の取引終了後、26年5月期第1四半期(6-8月)の単独決算を発表。売上高は前年同期比21.5%増の4億2500万円と増収となった一方、経常損益は4億8500万円の赤字(前年同期は2億6500万円の赤字)となった。最終損益の赤字幅は縮小したものの、赤字の継続そのものは買い手控え要因となったもよう。「高市トレード」の一環として買われていた宇宙関連株の一角ではあるが、公明党の連立離脱を背景に高市新首相の誕生を巡る不透明感が台頭したことも相まって、買い持ち高を圧縮する目的の売り圧力が加わり、下値模索の展開となった。6-8月期は開発案件が順調に進捗した一方、積極的な先行投資を進めるなかにあって、通信費や製造設備の費用が膨らんだほか、開発案件に関連する原価分も増加した。事業拡大に向けた体制強化のため、採用に伴う人件費もかさんだ。

■JINSHD <3046>  7,820円 (-660円、-7.8%)

 東証プライムの下落率7位。ジンズホールディングス <3046> [東証P]が3日続急落。前週末10日取引終了後に25年8月期連結決算を発表し、売上高は972億1500万円(前の期比17.1%増)、営業利益は120億9300万円(同54.3%増)だった。インバウンド需要の取り込みや季節性商品が牽引する形で国内事業が好調だった。続く26年8月期の売上高は1116億5000万円(前期比14.8%増)、営業利益は130億円(同7.5%増)の予想。引き続き新規出店を進めるとともに、人件費などのコスト増に対応した経営効率施策に取り組む。配当予想は115円(前期109円)とした。業績拡大が続く見通しにあるものの、前期までの2ケタ営業増益との比較でやや成長が鈍化したとの見方から目先利益確定売りを誘う格好となったようだ。

■アステラス <4503>  1,586円 (-35円、-2.2%)

 アステラス製薬 <4503> [東証P]が続落。同社は14日、膵腺がんの一時治療薬として開発中の「ゾルベツキシマブ」に関し、ゾルベツキシマブとゲムシタビンおよびnab-パクリタキセルの併用療法の有効性と安全性を評価する第2相GLEAM試験の最終解析において、主要評価項目を達成しなかったと発表。これを嫌気した売りが株価の重荷となったようだ。全生存期間において統計学的に有意な改善が認められなかった。26年3月期の業績への影響は軽微としている。

■トライアル <141A>  2,248円 (-38円、-1.7%)

 トライアルホールディングス <141A> [東証G]が続落。10日の取引終了後に発表した9月度の月次売上高速報(小売)で、トライアル既存店売上高が前年同月比0.2%減と2ヵ月連続で前年実績を下回ったことが嫌気された。休日(日曜日)が前年より1日少ないことが既存店売上高を約1.5ポイント押し下げた。ただ、客単価が同4.5%増と上昇したことが寄与し、計画の範囲内での着地となったとしている。

※14日の下落率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋

株探ニュース

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