前週末10日に「売られた株!」総ザライ ―本日への影響は?―

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材料

■エアウォータ <4088>  2,076.5円 (-500円、-19.4%) ストップ安

 東証プライムの下落率トップ。エア・ウォーター <4088> [東証P]がストップ安。9日取引終了後、特別調査委員会を設置すると発表した。連結子会社の日本ヘリウムで在庫を巡る不適切な会計処理(損失の先送り)があり、また連結子会社のエア・ウォーター・エコロッカ、エア・ウォーター・メカトロニクスのほか、エアウォータ本体のプラントガス部でも同様の事案が判明したため。調査に時間を要すことから、11月14日に予定していた第2四半期決算の発表は延期するという。先行き不透明感を嫌気した売りが膨らんだ。

■トレファク <3093>  1,650円 (-147円、-8.2%)

 東証プライムの下落率4位。トレジャー・ファクトリー <3093> [東証P]が急反落。9日取引終了後に3-8月期連結決算を発表し、売上高は前年同期比14.5%増の224億5300万円、営業利益は同10.0%増の19億1900万円だった。物価高騰などを背景としたリユース需要の顕在化・利用者層の拡大が追い風となった。良好な決算内容で通期計画に対する進捗も概ね順調なものの、サプライズ感はなく目先利益確定の動きが優勢となったようだ。

■クミアイ化 <4996>  756円 (-60円、-7.4%)

 東証プライムの下落率8位。クミアイ化学工業 <4996> [東証P]が続急落。10日午後3時ごろ、25年10月期の連結業績予想について、営業利益を104億円から100億円(前期比11.9%減)へ、純利益を109億円から35億円(同74.2%減)へ下方修正したことが嫌気された。農薬及び農業関連事業で国内及び海外向けの販売が好調なことから、売上高は1593億円から1690億円(同4.9%増)へ上方修正したものの、除草剤「アクシーブ」のジェネリック対策としての価格対応などが響いた。また、持ち分法による投資利益の減少と為替差損の計上、固定資産の減損損失などの計上により、最終利益は大幅な減益を見込む。

■セブン&アイ <3382>  1,911円 (-69円、-3.5%)

 セブン&アイ・ホールディングス <3382> [東証P]が続落。9日の取引終了後、26年2月期の連結業績予想について、売上高を10兆7220億円から10兆5600億円(前期比11.8%減)へ、営業利益を4240億円から4040億円(同4.0%減)へ下方修正し、増益から一転して営業減益予想としたことが嫌気された。差別化された商品展開の効果は出ているものの、物価高の影響で節約志向が高まり、国内コンビニエンスストアが伸び悩んでおり、既存店売上高の見通しや、商品粗利率の予想を引き下げたことが要因。一方、イトーヨーカ堂の資産売却益などの寄与で、純利益は2550億円から2650億円(同53.1%増)へ上方修正した。同時に発表した8月中間期決算は、売上高5兆6166億円(前年同期比6.9%減)、営業利益2083億8800万円(同11.4%増)、純利益1218億200万円(同2.3倍)だった。スーパーストア事業の復調が業績を牽引した。

■リソー教育G <4714>  208円 (-7円、-3.3%)

 リソー教育グループ <4714> [東証P]が続落。約3ヵ月ぶりに年初来安値を更新した。9日取引終了後に発表した3-8月期連結決算は売上高が前年同期比1.1%増の167億6200万円だった一方、営業利益は同46.6%減の7億7900万円だった。主力の個別指導塾「TOMAS(トーマス)」で生徒数が想定を下回り成長が鈍化。利益面では賃料や人件費、採用コストの増加などが重しとなった。大幅減益を嫌気した売りが出た。

■丸善CHI <3159>  328円 (-11円、-3.2%)

 丸善CHIホールディングス <3159> [東証S]が大幅安。今年のノーベル文学賞が9日に発表され、ハンガリーの作家クラスナホルカイ・ラースロー氏が選ばれた。村上春樹氏や多和田葉子氏といった日本人作家の受賞による書籍販売の増加を期待していた向きの思惑が外れた格好となり、売りを誘ったようだ。

■SBG <9984>  22,245円 (-720円、-3.1%)

 ソフトバンクグループ <9984> [東証P]が大幅反落。前日9日は7300億円近い記録的な売買をこなし一時2700円を超える上昇で一気に2万3000円台まで上値を伸ばす場面があった。目先は急騰の反動も警戒されるところだったが、押し目買いニーズも強かった。直近で日経平均構成比率も首位のアドバンテスト <6857> [東証P]に肉薄していた状況で、先物を絡めたインデックス買いと合わせて同社株の値動きが、日経平均の動向に大きな影響を及ぼす状況にあった。前日9日の米国株市場ではナスダック総合株価指数が小安く、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も上昇一服となったが、個別にエヌビディア  は強い動きをみせたほか、ソフトバンクG傘下のアーム・ホールディングス  が9連騰と上げ足の強さを際立たせており株価面で追い風要因も多かった。

■久光薬 <4530>  4,085円 (-112円、-2.7%)

 久光製薬 <4530> [東証P]が続落。9日取引終了後に発表した3-8月期連結決算は売上高が前年同期比0.7%減の749億4300万円、営業利益が同9.7%減の81億2800万円だった。今年4月の薬価改定、選定療養制度の導入を含む後発品使用促進策による影響を引き続き受けた。厳しい販売競争の影響で「サロンパス」の売り上げも減少。販管費の増加も重荷となった。

■コーナン <7516>  3,860円 (-95円、-2.4%)

 コーナン商事 <7516> [東証P]が4日続落。9日取引終了後に発表した3-8月期連結決算は売上高が前年同期比3.3%増の2650億4900万円だった。一方、営業利益は同7.6%減の147億200万円となった。PRO商材(職人向け)や夏物季節品、日用品などを中心に売り上げを伸ばしたものの、新店増加により販管費が増えた。

■物語コーポ <3097>  4,010円 (-95円、-2.3%)

 物語コーポレーション <3097> [東証P]が4日続落。9日取引終了後、月次動向の速報値を発表した。9月の既存店売上高(国内直営店とFC店の合計)は前年同月比1%減となり、16ヵ月ぶりにマイナスに転じた。客数は同5.7%減だった。全店ベースの売上高は同6.8%増とプラス基調を維持した。

■三井物 <8031>  3,714円 (-79円、-2.1%)

 三井物産 <8031> [東証P]が3日ぶり反落。10日寄り付き早々に3800円台を回復し9月26日につけた年初来高値3840円の更新を視野に捉えたが、その後はやや売り物に押される展開となった。同社は9日、著名投資家ウォーレン・バフェット氏率いる投資会社バークシャー・ハサウェイが9月末時点で同社株式の10.12%(議決権ベース)を保有し筆頭株主となったことを発表した。ただ、これに先立って株価は“バフェット効果”を織り込みながら上昇基調を示していたことで、目先はいったん利益確定売りを優先する動きが観測された。テクニカル的には3700円近辺に位置する25日移動平均線が下値のサポートラインとなった。

※10日の下落率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋

株探ニュース

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