【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─政局大揺れの局面で狙う注目株5選!

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コラム

「政局大揺れの局面で狙う注目株5選!」

●エントリーポイントの見極め肝要な高市関連

 週末10日の日経平均株価は490円ほどの下落だった。最近は上昇に慣れすぎてしまい、100円下げたくらいでも「市場全体がピーク打ちしたのではないか」――こう不安になってしまいかねないが、490円程度の下げならば下落率は1%ほどにすぎない。正直、大した下げではない。

 それにしても、今月に入ってからの日経平均株価の上昇ぶりには目を見張るものがある。高市早苗氏が自民党総裁に選ばれたことで、政治的安定と積極的な財政出動など政策への期待が一気に高まり、東京市場が「高市トレード」と呼ばれる新局面に突入したのはご存知の通りだ。しかも、防衛関連のほか、AI(人工知能)や核融合発電、量子コンピューターといった先端技術関連銘柄が買いを集め、市場の牽引役となっている。

 ただ、こんな状況を手放しで喜ぶわけにもいかない。最近の日経平均株価の急騰には注意が必要でもある。急騰の大きな要因として、ソフトバンクグループ <9984> [東証P]やファーストリテイリング <9983> [東証P]といった値がさ株の急伸が影響しているからだ。これらは指数への寄与度が極めて大きく、実際の市場全体の地合い以上に日経平均株価が押し上げられている側面がある。そのため、株価水準が実体経済とかけ離れつつあるとの指摘にも納得できる点がある。

 こんな状況の場合、値がさの数銘柄だけで高値を支え続けるのはとても無理だ。そのため、短期的な調整は避けられず、週末の下げもその流れに位置づけられる。しかし、このような目先の下げは、過熱を冷ます健全な動きと考えたい。中長期的には、AIや量子分野など政府が後押しする可能性の高いテーマは、依然として成長余地が大きいからだ。

 それゆえ関連銘柄は押し目を待って拾う戦略が現実的だ。焦って高値を追わず、冷静にエントリーポイントを見極める姿勢が、今後の投資成績を左右する。高市トレードの本格的な展開は、まだこれからだからだ。

●自公連立崩壊で銘柄選びにリスクヘッジの視点

 ただ、週末10日、これまで連立政権を組んでいた公明党が自民党に連立解消を申し入れた。これにより高市氏の首相就任がなくなることもあり得る。ここではその可能性も考慮して、高市クイーン降臨相場とは関連性の低い銘柄に目を向けたい。

 そこで、注目銘柄。まずはランサムウェアの攻撃を受け、業務が止まってしまったアサヒグループホールディングス <2502> [東証P]だ。卑劣で悪意ある攻撃にもかかわらず、株式市場は容赦なく同社株を売り、株価は下げてしまった。しかし、この種の問題はしばらくすると解決する。いまはそれを待てばよい。いつまで待てばよいのかは残念ながら分からないが、1年もかかることはあるまい。あやふやな表現とはなるが、いずれ解決するのだ。それに備えて現在の水準あたりで拾っておきたい。

 最近急落した銘柄では、ソニーフィナンシャルグループ <8729> [東証P]がある。ソニーグループ <6758> [東証P]がソニーフィナンシャルをパーシャル・スピンオフの形で分離したのは9月29日。驚いたことにソニーフィナンシャルの株価は210円の高値をつけたあとに急落を開始し、10月3日には139円まで突っ込んでしまった。正直、「えっ、なんで?」だったが、ソニーの株主たちにソニーフィナンシャルの株が無償で配布されたため、早速現金化に動いた投資家が多かったのだろう。ところが、そんな下落局面でソニーフィナンシャル株を大量に取得した投資ファンドがあった。世界最大級の運用会社、ブラックロックの日本法人だ。実に共同保有者と合わせて6.39%を取得したのだ。投資巧者として知られるブラックロック。そこが大量取得したのだから、それへの追随買いを考えたい。

 アサヒグループホールディングスやソニーフィナンシャルと異なり、株価が下げたわけではないが、これから年末商戦に入ることから、松屋 <8237> [東証P]を。この百貨店は、なんといっても銀座と浅草に店舗を構えている点が好ましい。ともに外国人観光客の来訪が多く、年末に向けて一層の盛り上がりを見せる。株価は高値圏ながら、浅い押し目はあるのでそこでエントリーしたい。

 社名にAIと付くため、いわゆるAIソフト会社と思いがちだが、実は化粧品や美容家電のメーカーであるのが、Aiロボティクス <247A> [東証G]。化粧品は「ユンス」、美容家電は「ブライト」のブランドで知られており、AI活用のマーケティングで収益を伸ばしている。製品を自社が製造しないファブレス企業であることもあって、さらなる成長が楽しみな企業になる。

 最後に、CEホールディングス <4320> [東証S]を。電子カルテに強く、主に中小病院向けに提供している。いま病院も人手不足やシステムの更新などでIT化が急務となっている。そんなニーズを満たすのがこの企業だ。株価の急騰はないものの、着実高はあるとみる。

2025年10月10日 記

株探ニュース

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