話題株ピックアップ【夕刊】(1):ソフトバンクG、FFRI、安川電

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■ソフトバンクグループ <9984>  22,965円   +2,355 円 (+11.4%)  本日終値  東証プライム 上昇率3位
 ソフトバンクグループ<9984>が急速に切り返す展開。前日の米国株市場ではNYダウこそわずかにマイナス圏で引けたものの、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数が1%を超える上昇で切り返し史上最高値を更新した。ナスダック指数と株価連動性の高い同社株には追い風となるほか、同社傘下の英半導体設計アーム・ホールディングスが8連騰を記録し、4.7%高と上げ足も加速していることから追い風が強まっている。また、8日にソフトバンクGはスイスの大手重電メーカーであるABBのロボット事業を買収することを表明しており、AIロボティクス分野における開発にも本腰を入れる構えにあることで株価を改めて刺激する格好となった。

■FFRIセキュリティ <3692>  10,590円   +1,030 円 (+10.8%)  本日終値
 FFRIセキュリティ<3692>が大幅高で5連騰となり2015年12月以来約10年ぶりの高値を更新した。サイバーセキュリティー専業で標的型攻撃に特化した純国産ソフト開発で強みを持ち、高市トレードではシンボルストックの一角を担う。世界トップレベルのセキュリティーエンジニアも確保し、ネット空間における国家安全保障で活躍が期待されている。業績も大幅増収増益基調を継続中で、26年3月期はトップライン、利益ともに連続過去最高更新が見込まれている。注目されるのは株式需給面であり直近3日現在の信用倍率が1.30倍、貸借倍率は0.13倍と売り長状態。更に貸株市場を通じた空売りが高水準に積み上がり、踏み上げ相場に発展する可能性を内包している。そうしたなか8日付で貸株規制が入り、現引き停止及び新規売り停止となっている。

■安川電機 <6506>  4,030円   +350 円 (+9.5%)  本日終値  東証プライム 上昇率4位
 安川電機<6506>が一時10%を超える上昇で4000円大台に乗せてきた。前週末3日に26年2月期の業績予想の上方修正を発表、営業利益は従来予想の430億円から480億円(前期比4.3%減)に大幅増額したことを受け、週明け6日にマドを開け急騰を演じ、終値で612円高の3790円まで買われた経緯がある。その後は利益確定売りでいったん下押したものの押し目買い意欲は旺盛であり、きょうは朝方から買い注文が集中しカイ気配で始まる人気となった。前日にソフトバンクグループ<9984>がスイスの大手重電メーカーABBのロボット事業を買収することを表明、AIロボティクス分野における開発にも注力する構えを明示し、マーケットの視線が集中した。ロボットとAIを融合させる「フィジカルAI」が新たなテーマとして注目されるなか、メカトロニクスの代表格である安川電は米エヌビディアと協業体制にあることから、ソフトバンクGに追随する銘柄としてファンド系大口資金の琴線に触れたようだ。

■マニー <7730>  1,428.5円   +121 円 (+9.3%)  本日終値  東証プライム 上昇率5位
 マニー<7730>はマドを開けて急伸。8日取引終了後、26年8月期連結業績予想について売上高を前期比9.4%増の328億円、営業利益を同12.3%増の92億円と発表した。営業利益は2期ぶりの増加で過去最高益を更新する見通し。配当予想も前期比2円増の41円とした。これを好感した買いが集まった。白内障手術などに使う眼科ナイフや手術用縫合針・縫合糸の販売増、前期に自主回収に伴う影響があったデンタル関連製品の売り上げ回復などを見込む。同時に発表した25年8月期決算は、売上高が前の期比5.1%増の299億6800万円、営業利益が同2.4%減の81億9300万円だった。

■ミニストップ <9946>  2,117円   +161 円 (+8.2%)  本日終値  東証プライム 上昇率7位
 ミニストップ<9946>が3日ぶりに急反騰。フシ目の2000円大台をザラ場ベースで5営業日ぶりに上回ってきた。製品ラインアップの充実に取り組み、店内加工のファストフード商品や調理パンや菓子パンなどの好調な売り上げが寄与し、利益率も改善傾向を強めている。8日取引終了後に発表した26年2月期上期(25年3~8月)決算は営業損益が11億1600万円(前年同期は7億9900万円の赤字)と大幅黒字転換した。通期見通しの12億円に対する進捗率は93%に達しており、これがポジティブサプライズとなり株価を押し上げた。

■キオクシア <285A>  6,220円   +340 円 (+5.8%)  本日終値
 キオクシアホールディングス<285A>は3日ぶりに急反発した。9日付の日刊工業新聞が「キオクシアホールディングス(HD)は2026年に第10世代NAND型フラッシュメモリーを量産する方針を固めた」と報じ、株価の刺激材料となったようだ。記事によると、第10世代はデータを送受信するインターフェース速度が現在量産中の第8世代に比べ33%向上。量産に関しては、四日市工場(三重県四日市市)を軸に調整するとしている。

■UACJ <5741>  1,784円   +91 円 (+5.4%)  本日終値
 UACJ<5741>が5連騰。連日で年初来高値を更新した。SMBC日興証券が8日、UACJの目標株価を1400円から2000円に増額修正した。投資評価は最上位の「1」を継続する。米国での輸入関税引き上げに伴い、米国のアルミ製品価格はプレミアムを伴って上昇しており、米国事業における製品価格と材料価格のサヤ(メタル・ベネフィット)が拡大傾向にあると推定。日本とタイではコスト高を受けた製品価格への転嫁が浸透すると見込む。同証券はUACJの27年3月期営業利益予想を従来の536億円から643億円に引き上げた。

■東電HD <9501>  796.5円   +37.5 円 (+4.9%)  本日終値
 東京電力ホールディングス<9501>は5日続伸し、年初来高値を更新した。国内メディア各社が8日の取引終了後、東電HDが新潟県に対し、1000億円規模の基金の設置を提案することで調整していると報じた。柏崎刈羽原発の1~5号機の一部について、廃炉を検討しているとも伝わっている。いずれも柏崎刈羽原発6~7号機の再稼働を前提として提案するとみられている。株式市場においては地元理解のもと原子力規制委員会の審査に合格した6~7号機が早期に再稼働を果たし、東電HDの収益が改善するとの思惑から、同社株を選好する姿勢が強まったようだ。

■レゾナック <4004>  6,069円   +221 円 (+3.8%)  本日終値
 レゾナック・ホールディングス<4004>や西部ガスホールディングス<9536>が堅調推移。スウェーデン王立科学アカデミーは8日、2025年のノーベル化学賞を京都大特別教授の北川進氏ら3人に授与すると発表した。北川特別教授は気体を分離・貯蔵できる多孔性金属錯体を開発した。多孔性金属錯体の研究開発で連携を続けてきたレゾナックは同日、「永年にわたる研究活動とその成果が世界的に評価された結果であり、深く敬意を表す」とするコメントを発表。同社のほか、北川特別教授が関わる京大発ベンチャーのAtomis(神戸市中央区)のパートナー企業として名を連ねる企業として西部ガスHDや長瀬産業<8012>などに対し、日本人研究者によるノーベル化学賞の受賞を手掛かりとした買いが入った。京大と連携し、電子線・X線による複合構造解析技術の革新を目指す共同研究拠点の参画企業であるリガク・ホールディングス<268A>や日本電子<6951>も上昇している。

■TREホールディングス <9247>  1,557円   +51 円 (+3.4%)  本日終値
 TREホールディングス<9247>が急反発。同社とみずほリース<8425>は8日の取引終了後、既存事業の強化や新たな事業機会の創出などを図るため、資本・業務提携を締結したと発表した。みずほリースはみずほ証券が市場取引で取得したTREHD株式321万3200株を相対取引により追加で取得するとしており、需給思惑的な買いが流入した。これにより、みずほリースの議決権比率は3.19%から10.00%に高まる。取得予定価額は開示していない。取得期間は2026年2月16日から6月17日のいずれかの日を予定する。両社は22年11月、サーキュラーエコノミーに向けた事業スキームの構築に関する基本合意を発表。新たな事業モデルの構築に取り組んできた。

株探ニュース

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