前日に「買われた株!」総ザライ ―本日につながる期待株は?―

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■テクニスコ <2962>  355円 (+80円、+29.1%) ストップ高

 テクニスコ <2962> [東証S]がストップ高。前日1日の米国株市場ではサンディスク  が上場来高値を更新するなどAIデータセンター周辺株の物色人気が再燃しており、その流れが東京市場にも波及した。同社は超精密加工部品メーカーで、電子デバイスが発する熱を吸収して排熱するヒートシンク製品などを主力としている。世界的なAIデータセンターへの投資が加速するなか、ソフトバンクグループ <9984> [東証P]が米オラクル  や米オープンAIと共同で推進する「スターゲート」計画でも、米国内5カ所のデータセンター投資を明らかにしマーケットの注目を浴びた経緯がある。AIデータセンター内に設置されるAIサーバーにはGPUの最先端品などハイスペックなAI半導体が大量に使われており、その電力消費で生じる熱をどう処理するかも重要な課題となっているが、そうしたなかテクニスコの持つ商品技術に改めて投資マネーの視線が向いた。

■サンバイオ <4592>  2,931円 (+500円、+20.6%) ストップ高

 サンバイオ <4592> [東証G]がストップ高。厚生労働省が2日、薬事審議会の再生医療等製品・生物由来技術部会を16日に開催すると公表した。このなかで、サンバイオの「アクーゴ脳内移植用注」の製造販売承認事項一部変更承認及び承認条件変更の可否について、議題の1つとして取り上げられることとなった。新薬の実用化を巡る思惑が広がる形となり、物色人気化につながったようだ。

■メガチップス <6875>  8,770円 (+1,190円、+15.7%)

 東証プライムの上昇率トップ。メガチップス <6875> [東証P]が12日続急騰。旧村上ファンド系の投資会社シティインデックスイレブンス(東京都渋谷区)が1日付で関東財務局に提出した大量保有報告書で、メガチップス株を5.10%(共同保有分を含む)取得したことが判明した。保有目的は「投資及び状況に応じて経営陣への助言、重要提案行為等を行うこと」としている。報告義務発生日は9月24日。これを受けて思惑的な買いが入った。

■キオクシア <285A>  5,410円 (+705円、+15.0%) ストップ高

 東証プライムの上昇率2位。キオクシアホールディングス <285A> [東証P]がストップ高。半導体メモリー大手で、NAND型フラッシュメモリーで世界屈指の実力を持つ。米ウエスタン・デジタル  からスピンオフしてフラッシュ事業を手掛ける米サンディスク  と生産ラインを共同運営しており、キオクシアは海外投資家からも注目度が高い。半導体メモリー需要はスマートフォン向けで頭打ちの兆候がみられていたが、ここAIデータセンターの新設・増設ラッシュを背景に状況が一変している。データ記録に使用するストレージデバイスであるSSDの需要がAIサーバー用で増勢一途にあり、価格も上昇傾向を強めていることから、同関連株の先高期待が強まっている。米国株市場ではその関連有力銘柄であるサンディスクが青空圏をまい進しており、前日1日も8%高で上場来高値を更新した。これを受けてキオクシアにも投資資金が誘導される格好となった。

■メタプラ <3350>  579円 (+63円、+12.2%)

 メタプラネット <3350> [東証S]が急反騰。同社は1日の取引終了後、25年12月期の連結業績予想の修正を発表。売上高予想を34億円から68億円(前期比6.4倍)、営業利益予想を25億円から47億円(同13.4倍)へ引き上げており、材料視されたようだ。ビットコイン・インカム事業の業績が当初の想定を大幅に超えた。同事業はビットコイン・トレジャリー事業全体における資本配分戦略の一環として位置づけている。メタプラはあわせてビットコインを追加購入したと開示。購入総額は916億6100万円で5268ビットコイン を取得。同社の保有枚数は3万823ビットコイン(購入総額4898億7000万円)となった。

■技術承継機構 <319A>  8,390円 (+880円、+11.7%)

 技術承継機構 <319A> [東証G]が急反騰。同社は1日の取引終了後、連結子会社を通じて精密切削加工・組み立てを行う山泰製作所(新潟県南魚沼市)と鋳造を手掛ける山泰鋳工所(埼玉県川口市)を取得して子会社化すると発表。収益貢献を期待した買いが入ったようだ。取得価額は非開示。山泰製作所の24年8月期売上高は10億800万円で営業利益は2500万円。山泰鋳工所の25年5月期の売上高は13億6800万円で、営業利益は1億700万円となっている。技術承継機構の25年12月期の業績に及ぼす影響については、9月に発表した買収案件を含めて精査中とし、開示が可能となった時点で速やかに公表するとした。

■PRISMバ <206A>  175円 (+15円、+9.4%)

 PRISM BioLab <206A> [東証G]が3日ぶり急反発。同社は1日の取引終了後、新規化合物群に関する特許を取得したと発表。これを材料視した買いが入ったようだ。発明の名称は「新規二環性化合物」で、登録日は9月30日。タンパク質間相互作用(PPI)に作用する新規二環性化合物を対象とした新たな分子骨格に基づくもので、今回の特許により化合物群の多様性が更に高まり、同社の知的財産権が強化されることとなるという。

■リミックス <3825>  341円 (+22円、+6.9%)

 リミックスポイント <3825> [東証S]が急反発。同社は2日正午、これまで未定としていた26年3月期の配当予想の修正を発表。期末配当を3円(年間配当も3円)とする見通しを示した。3期ぶりの復配の見込みとなり、ポジティブ視されたようだ。

■サンリオ <8136>  7,788円 (+478円、+6.5%)

 サンリオ <8136> [東証P]が続急伸。モルガン・スタンレーMUFG証券が1日、サンリオの投資判断を「イコールウェート」から「オーバーウェート」に引き上げた。目標株価は7900円から8600円に増額修正している。日本のIP産業全般にグローバルで拡大が見込まれるなか、サンリオの小売りベースでのシェアについても拡大余地が大きいと指摘。配当・優待の権利落ちによる需給要因や、中国を中心に事業展開する海外の同業他社の株価動向などを背景とした直近のサンリオの株安はファンダメンタルズと直接関係のない要素であり、押し目買いの好機だとの見方を示している。

■精工技研 <6834>  9,470円 (+560円、+6.3%)

 精工技研 <6834> [東証S]が3日ぶり急反発。9月下旬から調整色をみせていたが、25日移動平均線との上方カイ離をほぼ埋めたところで押し目買いを誘い、目先急速に切り返す展開に。光通信用コネクターや検査装置などがデータセンター向けで高水準の需要を獲得している。AIデータセンターの普及加速に伴い課題視されている電力問題でも、同社は画期的な省電力化を実現する光電融合分野の研究開発で先行しており、関連有望株としてマーケットの熱い視線が向けられている。業績面でも26年3月期は営業利益段階で前期比7%増の30億円と好調を見込むが、更なる大幅上方修正の公算が大きいとみられている。

■SBG <9984>  19,295円 (+1,055円、+5.8%)

 ソフトバンクグループ <9984> [東証P]が3日ぶり急反発。同社の傘下にある英半導体設計のアーム・ホールディングス  に関し、ロイター通信が米国時間1日、米クアルコム  が主力半導体のCPUのアーキテクチャーをアームの最新世代版「V9」に切り替えたと報じた。収益拡大につながるとの見方から、同日のアーム株は大幅高となっており、ソフトバンクGの株価を押し上げる要因となったようだ。報道によると、V9は対話型AIや画像生成AIの処理能力を高める目的で前世代から大幅に刷新されたもので、 スマートフォンやパソコン向けのクアルコムの新型半導体に採用されるという。

■熊谷組 <1861>  1,271円 (+58円、+4.8%)

 熊谷組 <1861> [東証P]が大幅反発。大和証券は1日、同社株のレーティングを「2(アウトパフォーム)」から「1(買い)」に引き上げた。目標株価は1125円から1650円に見直した。同証券では26年3月期の連結営業利益を前期比74.8%増の250億円(会社計画228億円)と予想。第2四半期からは、完成工事総利益率の本格回復が期待できるとみている。27年3月期の同利益は310億円を見込む。手持ち工事の大半は採算性の良い案件に入れ替わっており、今後は損失発生リスクが大きく低減すると予想。株価のバリュエーション面でのディスカウントも徐々に解消すると見込んでいる。

■ステラファ <4888>  370円 (+17円、+4.8%)

 ステラファーマ <4888> [東証G]が4日ぶり大幅反発。1日午後2時ごろ、自社製品の新たな製造委託先として選定した国内事業会社(社名非開示)との間で、長期的な安定供給を目的とした製造体制の構築に向けて開発委受託契約を締結したと発表した。既存の委託先の1社と取引が停止することになったため。新たな製造委託先からの製品出荷には製造所移管に伴う医薬品製造販売承認事項一部変更承認申請が必要となり、既に厚生労働省と申請の迅速化を含む協議を始めているという。これが材料視されたようだ。

■ヤマトモビM <7886>  988円 (+42円、+4.4%)

 ヤマト モビリティ & Mfg. <7886> [東証S]が大幅反発。同社は1日、日産車体 <7222> [東証S]グループのオートワークス京都(AWK)と業務提携したと発表しており、これが買い手掛かりとなったようだ。ヤマトモビMは、中古ディーゼルトラックを低環境負荷の電気自動車(EV)に改造する「EVコンバージョン」事業を推進中。今回の提携により、AWKの高度な技術とヤマトモビMのEVコンバージョン技術を融合させ、適応車種・型式を拡大し、幅広いラインアップを実現するとしている。

■アルゴグラフ <7595>  1,291円 (+53円、+4.3%)

 アルゴグラフィックス <7595> [東証P]が大幅高。1日取引終了後、株主優待制度を新設すると発表した。毎年3月末・9月末の年2回実施する。これが好感された。3月末の優待では100株以上を1年以上継続保有することを条件に、保有株数に応じてQUOカード1000円分、または株主優待カタログギフト3000~1万円分を贈呈。9月末の優待では100株以上を保有する株主にオリジナル壁掛けカレンダーを贈呈する。来年から始める。

■KeePer <6036>  3,750円 (+125円、+3.5%)

 KeePer技研 <6036> [東証P]が大幅反発。投資運用会社のみさき投資(東京都千代田区)が1日の取引終了後に関東財務局へ大量保有報告書を提出した。新たにKeePerの株式について5%を超えて保有していることが明らかになり、需給思惑的な買いが入った。大量保有報告書によると、みさき投資の保有割合は5.06%。報告義務発生日は9月24日。建設的な対話を通じた中長期的なリターンの拡大を保有目的とし、重要提案行為を行う可能性もあるとしている。

■ジンジブ <142A>  834円 (+27円、+3.4%)

 ジンジブ <142A> [東証G]が5日ぶり大幅反発。同社は2日午後1時ごろ、三井住友フィナンシャルグループ <8316> [東証P]子会社のプラリタウンと業務提携したと発表しており、これが株価を刺激したようだ。この提携により、プラリタウンが運営する法人向けDX支援プラットフォーム「PlariTown」に、同社の高卒採用支援サービス「ジョブドラフト」、人事支援サービス「人事部パック」、高校新卒研修「ルーキーズクラブ」の掲載。SMBCグループの法人顧客基盤を通じて、人事に課題を持つ全国の中小企業にサービス提供を拡大する機会につなげるとしている。

■平田機工 <6258>  1,935円 (+49円、+2.6%)

 平田機工 <6258> [東証P]が反発。同社は1日の取引終了後、七城工場(熊本県菊池市)付近にある工場を10月中に取得すると発表した。同社の電子機器部が担う開発・製造機能を新工場に移管することで、熊本県内における半導体関連事業の生産拠点を集約し生産効率の向上を目指すとしており、収益性の向上を期待した買いが入ったようだ。取得価額は非公表。新工場は2026年度から本格稼働する予定だ。

■アドテスト <6857>  15,045円 (+370円、+2.5%)

 アドバンテスト <6857> [東証P]が続伸。そのほか、東京エレクトロン <8035> [東証P]、ディスコ <6146> [東証P]、レーザーテック <6920> [東証P]など 半導体製造装置の大手メーカーが総じて高かった。前日1日の米国株市場ではエヌビディア  が5日続伸し上場来高値を更新したのをはじめ、半導体製造装置世界トップのアプライド・マテリアルズ  が6%超、半導体メモリー大手のマイクロン・テクノロジー  は9%近い急伸をみせるなど半導体セクターへの買いが目立った。フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も4連騰で最高値街道を走っており、東京市場でも目先上昇一服局面にあった半導体主力銘柄を買い直す動きにつながった。

■西松屋チェ <7545>  2,120円 (+44円、+2.1%)

 西松屋チェーン <7545> [東証P]が4日ぶり反発。同社は1日の取引終了後、26年2月期第2四半期累計(2月21日-8月20日)の連結決算を発表した。売上高は969億7300万円、営業利益は73億500万円、最終利益は49億6900万円だった。同社は26年2月期中間期から連結決算に移行した。単独決算だった前年同期は売上高が935億1500万円、営業利益が70億2400万円、最終利益は47億4900万円だった。8月中間期の業績は単独決算だった前年同期の水準を上回っており、評価されたようだ。8月20日を基準日とする中間配当は従来の予想から1円増額して16円で決定。期末配当予想は16円で据え置いた。年間配当予想は前期比1円増配の32円となる。8月中間期は衣料部門で春物衣料が堅調に推移したほか、5月の気温上昇に伴い夏物衣料の売り上げも伸びた。雑貨部門はチャイルドシートのほか、粉ミルクのような食料品や哺乳瓶といった調乳育児用品などが好調だった。同社はあわせて取得総数28万6000株(自己株式を除く発行済み株式総数の0.48%)、取得価額5億円を上限とする自社株買いの実施を開示。取得期間は3日から24日まで。東京証券取引所における市場買い付けで実施する。

■富士製薬 <4554>  1,510円 (+26円、+1.8%)

 富士製薬工業 <4554> [東証P]が4日ぶり反発。同社は1日の取引終了後、タイのグループ会社OLICが現地で販売する医薬品「Nextstellis」について、月経困難症の効能又は効果の追加承認申請を行ったと発表しており、海外における富士製薬グループの製品の浸透に向けた動きを好感する買いが入った。Nextstellisは富士製薬グループが初めて海外で販売した医薬品。避妊の効能又は効果により、2023年4月からタイで販売されている。今回追加承認申請を行った「月経困難症」は月経痛をはじめ月経に伴いおこる病的な状態を指し、タイ国内の女性大学生を対象にした調査によると、有病率は約85%に上るという。

■高島屋 <8233>  1,745.5円 (+27.5円、+1.6%)

 高島屋 <8233> [東証P]が続伸。1日取引終了後、9月度の店頭売り上げ速報を発表。国内百貨店の合計は前年同月比4.4%増となった。免税売上高は同2.7%増、免税を除いた店頭売上高は同4.6%増だった。国内顧客は秋物衣料に動きがみられ、物産展などの催事も堅調。インバウンド顧客は化粧品や婦人服、スポーツ、子供情報ホビーなどが前年実績を上回り、全体を押し上げた。これが買い手掛かりとなった。

■エラン <6099>  779円 (+9円、+1.2%)

 エラン <6099> [東証P]が5日ぶり反発。1日取引終了後、持ち分法適用会社クラシコ <442A> [東証G]のグロース市場への新規上場が東京証券取引所から承認されたと発表した。クラシコの上場日は11月5日。これが材料視されたようだ。クラシコは上場後も引き続き持ち分法適用会社となる見込みという。一方、保有割合についてはクラシコとの関係を踏まえながら合理的に判断していくともした。

※2日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

株探ニュース

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