利益成長“青天井”銘柄リスト【総集編】第4弾 31社選出 <成長株特集>
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本特集では、7月下旬から8月中旬までの決算発表集中期間に配信した「利益成長“青天井"銘柄リスト」を、“全期間”を対象に再構成した総集編をお届けします。 シリーズ最終回となる第4弾では、第1弾を配信した9月21日時点の時価総額が50億円以上250億円未満の中から、25年4-6月期に四半期ベースの過去最高益を更新し、かつ今期も最高益を見込む、いわゆる利益が“青天井”状況になっている銘柄をリストアップした。 下表では、本決算月にかかわらず、25年4-6月期に経常利益が全四半期ベースの過去最高益を更新した銘柄をピックアップ。さらに、会社側が今期(通期計画)も過去最高益見通しを示している31社を選び出し、4-6月期の過去最高益に対する上振れ率が大きい順に記した。 上振れ率トップとなったのは、小田原エンジニアリング <6149> [東証S]。25年4-6月期(第2四半期)は、主力の巻線機事業で前期からずれ込んでいた案件を含むxEV(電動車)用モーター巻線システムのほか、下期に予定していた追加治具や改造案件を前倒しで売上計上した。また、海外顧客向けを中心に消耗品や予備品も好調に推移し、経常利益は21.1億円と過去最高益2.3倍も上回って着地。25年12月期の同利益は24.4億円(前期比88.6%増)と2期ぶりの最高益更新を見込むが、上期実績の通期計画に対する進捗率は83.8%に達しており、業績上振れが有力視される。 2位のアーバネットコーポレーション <3242> [東証S]は主力の都市型賃貸マンションの引き渡しが集中したことに加え、好立地・好採算プロジェクトの増加によって利益率も向上し、4-6月期(第4四半期)の経常利益は前年同期比3.3倍の32.3億円と8四半期ぶりに過去最高益を更新した。同時に発表した26年6月期の同利益は前期比2.3%増の28.5億円と3期連続で最高益を更新する見通しだ。 3位の東洋テック <9686> [東証S]は主力の警備事業で大阪・関西万博関連の売り上げが拡大し、4-6月期(第1四半期)の経常利益は9.6億円(前年同期比37.1倍)と23四半期ぶりの最高益更新を果たした。前期に実施したM&Aの効果に加え、ビル管理事業で価格改定や不採算取引の見直しを進めたことも利益拡大につながった。26年3月期の同利益は前期比92.9%増の20.5億円と34期ぶりに過去最高益を更新する見通しだが、第1四半期実績の通期計画に対する進捗率は47.0%と高水準で業績上振れが期待される。 4位の和心 <9271> [東証G]は訪日外国人客数の増加を追い風に、和装小物店の来店客数が大きく伸びたほか、店舗関連費用の削減を進めたことも寄与し、4-6月期(第2四半期)の経常利益は1.9億円(前年同期比62.7%増)と3四半期ぶりに過去最高益を達成した。業績好調に伴い、減益予想だった25年12月期の同利益を従来の3.8億円→5.1億円に大幅上方修正し、2期連続で過去最高益を更新する見通しとなった。 5位には外食店向けカット野菜やホール野菜の販売を手掛けるデリカフーズホールディングス <3392> [東証S]が入った。4-6月期(第1四半期)は外食産業における売上拡大基調や省力化ニーズの高まりを捉え、経常利益は9.5億円(前年同期比17.7倍)と2四半期連続で過去最高益を更新した。調達コスト・在庫管理の徹底や廃棄ロス削減などに加え、物流子会社が収益性の高い新規取引先の獲得を進めたことも寄与した。26年3月期の同利益は前期比69.7%増の15億円と2期ぶりの最高益更新を見込むが、第1四半期実績だけで進捗率が63.7%に達しており、業績上振れが濃厚とみられる。好決算を受けて株価は急騰し、9月25日に上場来高値1015円まで上値を伸ばしている。 6位にリスト入りしたスペースシャワーSKIYAKIホールディングス <4838> [東証S]は4-6月期(第1四半期)の経常利益が6.3億円(前年同期比2.6倍)と7四半期ぶりの最高益更新を遂げた。日本最大級のヒップホップフェスティバル「POP YOURS」のチケット収入や活動を再開した所属アーティストSuchmosの公演収入が拡大したことに加え、前期に発生した経営統合一時費用の剥落や構造改革によるコスト削減効果も大幅増益につながった。26年3月期の同利益は13億円(前期比46.2%増)と2期連続の最高益更新を計画するが、第1四半期実績の対通期計画進捗率は48.8%と高水準で業績上振れ期待も強く、株価は18年5月以来の高値圏に急浮上している。 7位のレントラックス <6045> [東証G]は主力のインターネット成果報酬型広告サービスで金融、自動車、エステクリニック、転職求人、物販などの領域に注力したほか、販管費の減少なども寄与し、4-6月期(第1四半期)の経常利益は4.5億円(前年同期比64.1%増)に拡大して着地。26年3月期の同利益は前期比13.6%増の12.7億円と2期連続の最高益更新を見込む。株価は9月25日に上場来高値1720円まで上昇する場面があった。 9位に入ったホクリヨウ <1384> [東証S]の4-6月期(第1四半期)経常利益は13.2億円(前年同期比4.9倍)と7四半期ぶりに過去最高益を更新した。鳥インフルエンザの発生を受けて採卵鶏が殺処分された影響で鶏卵相場が想定を上回る水準で推移したことに加え、鶏卵原価の6割を占める配合飼料価格が下落したことも利益拡大につながった。業績好調に伴い、26年3月期の同利益を従来予想の22.3億円→29.9億円と2期ぶりの最高益更新見通しに上方修正するとともに、期末一括配当を従来計画の50円→70円に大幅増額修正したことも好感され、株価は9月29日に上場来高値2580円をつけている。 ●“青天井”シリーズ ───── ・利益成長“青天井”銘柄リスト【総集編】第1弾 25社選出 ・利益成長“青天井”銘柄リスト【総集編】第2弾 27社選出 ・利益成長“青天井”銘柄リスト【総集編】第3弾 25社選出 も併せてご覧ください。 ┌─ 四半期 経常利益 ─┐ ┌── 通期 経常利益 ──┐ 予想 コード 銘柄名 上振れ率 4-6月期 過去最高 上振れ率 今期予想 過去最高 PER <6149> 小田原エンジ 127 2112 932 14.6 2440 2129 9.1 <3242> アーバネット 116 3237 1501 2.3 2850 2787 10.4 <9686> 東洋テク 52.8 964 631 45.3 2050 1411 14.0 <9271> 和心 52.4 192 126 31.1 510 389 11.1 <3392> デリカフHD 46.5 955 652 19.2 1500 1258 15.4 <4838> SSSKHD 46.0 635 435 46.2 1300 889 19.8 <6045> レントラクス 40.2 453 323 13.6 1279 1126 16.0 <4374> ロボペイ 39.1 224 161 42.7 685 480 26.3 <1384> ホクリヨウ 38.2 1328 961 29.1 2990 2316 9.6 <2586> フルッタ 37.5 154 112 6.0 370 349 51.4 <7075> QLSHD 29.1 226 175 13.8 676 594 11.5 <3566> ユニネク 25.3 282 225 13.8 585 514 15.9 <5621> ヒューマンT 23.3 397 322 37.4 1285 935 26.7 <9337> トリドリ 21.8 229 188 60.2 700 437 20.8 <6194> アトラエ 20.5 653 542 15.4 1781 1543 14.1 <3484> イノベHD 19.2 578 485 10.3 1578 1431 17.8 <2981> ランディクス 15.8 988 853 8.9 2300 2112 8.4 <2410> キャリアデザ 13.6 585 515 11.0 1750 1577 9.7 <3837> アドソル日進 11.3 551 495 10.4 1950 1766 17.6 <3683> サイバーリン 10.7 580 524 37.0 1734 1266 13.3 <153A> カウリス 10.5 126 114 3.1 400 388 56.8 <6039> 動物高度医療 7.9 258 239 19.0 857 720 20.2 <9346> ココルポート 7.2 268 250 3.3 823 797 12.5 <9340> アソインター 6.4 200 188 14.9 725 631 13.7 <5845> 全保連 5.2 933 887 4.9 2662 2538 13.0 <7191> イントラスト 4.7 662 632 10.9 2600 2345 15.2 <9753> IXナレッジ 4.5 657 629 1.9 1987 1950 10.0 <5244> jig.jp 3.8 548 528 3.1 1915 1858 9.6 <3947> ダイナパック 1.9 917 900 35.4 3400 2511 8.1 <9612> ラックランド 1.5 986 971 53.7 1706 1110 - <4060> rakumo 0.9 116 115 5.6 396 375 26.6 ※2024年4月以降に上場した企業と今期見通しを開示していない企業は除いた。四半期の過去最高益は原則、四半期決算の開示が本格化した03年4-6月期以降の業績に基づいたものです。 ※過去最高益は同一会計基準内が対象。 株探ニュース