前日に「買われた株!」総ザライ ―本日につながる期待株は?―
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■富山第一銀 <7184> 1,541円 (+232円、+17.7%) 東証プライムの上昇率2位。富山第一銀行 <7184> [東証P]が急反騰。同社は29日の取引終了後、26年3月期の連結業績予想と配当予想の修正を発表した。経常利益予想を92億円から147億円(前期比22.5%減)、最終利益予想を60億円から100億円(同25.1%減)に引き上げた。最終利益予想の変更にあわせて配当予想を中間・期末各18円の年36円の予想から、中間・期末各28円の年56円(前期は34円)に修正している。減益幅が従来予想から縮小する見通しとなり、更に配当予想を増額したことを評価した買いが入った。有価証券関係損益が当初予想より増加し、減益幅縮小に寄与する。 ■イオレ <2334> 5,210円 (+705円、+15.7%) ストップ高 イオレ <2334> [東証G]がストップ高。同社は29日朝、暗号資産・ステーブルコインを利用できるクリプトクレジットカード「SlashCard」を開発・提供するSlash Vision(シンガポール)と、暗号資産金融事業における資本・業務提携を締結したと発表。更に同日の取引時間中には暗号資産の運用を行う事業会社の設立について開示した。暗号資産領域での事業展開と今後の収益貢献の思惑から前日29日後場に上げ足を速めたが、30日も資金流入が続き株価を押し上げた。イオレは10月31日に第三者割当を引き受け、Slash Vision株を8082株取得する予定。出資額が約2億400万円で、取得割合は今ラウンド終了時見込みで5.05%。Slash Visionが提供するセルフカストディ型ウォレット及びステーブルコイン対応クリプトクレジットカード機能と、イオレが進める暗号資産レンディングを中心とした金融サービスを連携させる。あわせてイオレは、暗号資産金融事業における資産運用の取り組み拡大を目的に子会社「Neo Crypto Bank」を29日に設立したと開示した。 ■スピー <4499> 2,346円 (+276円、+13.3%) Speee <4499> [東証S]が9日ぶり急反騰。東京証券取引所が29日の取引終了後、同社株を30日付で貸借銘柄に選定すると発表しており、株式流動性の向上による売買活性化への期待から買われたようだ。また、日本証券金融も30日約定分から同社株を貸借銘柄に追加している。 ■マイクロ波 <9227> 720円 (+73円、+11.3%) 一時ストップ高 マイクロ波化学 <9227> [東証G]が3日続急騰、一時ストップ高となった。同社はマイクロ波による研究開発に傾注し、産業向けに独自ソリューションを提供している。そうしたなか、29日には同社と三井物産 <8031> [東証P]がマイクロ波を用いた低炭素リチウム鉱石製錬技術の共同開発におけるパイロット機を完成し、実証試験を開始すると発表した。三井物が共同開発の相手先となっていることもあって、今後の低炭素リチウム鉱石製錬技術開発への期待が膨らむ状況にあった。 ■AViC <9554> 2,153円 (+212円、+10.9%) エイビック <9554> [東証G]が急反騰。同社は29日の取引終了後、25年9月期業績予想の上方修正を発表。今期の経常利益予想を従来の見通しから5500万円増額して7億2400万円(前期比64.2%増)に見直した。業況を評価した買いが入ったようだ。売上高予想は従来の見通しを1億3200万円上回る26億5000万円(同37.0%増)に引き上げた。エンタープライズ顧客からの受注案件が寄与したほか、リアレーションのM&Aによる効果も出た。同社は26年9月期に関して、売上高と営業利益の成長率について少なくとも今期比で30%と見込む。 ■abc <8783> 337円 (+33円、+10.9%) abc <8783> [東証S]が続急騰。29日の取引終了後、RWAfi(リアル・ワールド・アセット・ファイナンス)領域へ本格参入すると発表しており、これを好感した買いが流入した。同社のRWAfiは、従来の資産トークン化サービスとは一線を画した独自の金融モデルとしており、現実世界の資産(不動産、株式など)をブロックチェーン上でトークン化し、その結果得られる流動性向上及び資産運用益を、流動性プール(LP)に対して効率的かつ戦略的に再配分することにより、ミームコインやGameFiなどのエンターテインメント性を有する分散型金融(DeFi)エコシステムの資金循環基盤として機能させるのが目的。RWAとDeFiという従来分断されていた領域を接続し、現実資産に裏付けられた安定的なキャッシュフローとWeb3特有の高回転型トークノミクスを融合させることで、新たな金融循環モデルの確立を目指すとしている。 ■テクノ菱和 <1965> 4,960円 (+315円、+6.8%) テクノ菱和 <1965> [東証S]が4日ぶり急反発。30日午後2時ごろ、26年3月期の連結業績予想について、売上高を900億円から985億円(前期比17.0%増)へ、営業利益を101億円から128億円(同32.9%増)へ、純利益を73億円から96億5000万円(同33.0%増)へ上方修正したことが好感された。手持ち工事の進捗が見込まれることに加えて、受注が旺盛なことが要因。また、生産性の向上なども利益押し上げに貢献する。 ■四国銀 <8387> 1,519円 (+88円、+6.2%) 東証プライムの上昇率8位。四国銀行 <8387> [東証P]が急反発。2018年5月以来、およそ7年4ヵ月ぶりの高値圏に浮上した。同社は30日午後2時、26年3月期の業績予想の修正を発表。純利益予想を従来の見通しから84億円増額して155億円(前期比2.3倍)に引き上げた。過去最高益を更新する見通しを示し、好感された。持ち分法適用関連会社の四銀総合リースを完全子会社化することに伴い、約84億円を負ののれん発生益などとして特別利益に計上する。経常利益の予想は据え置いた。 ■邦ガス <9533> 4,558円 (+235円、+5.4%) 東証プライムの上昇率10位。東邦ガス <9533> [東証P]が急反発。30日前引け後、取得上限500万株(自己株式を除く発行済み株数の5.3%)、または150億円とする自社株買いの実施を発表した。期間は10月1日~来年3月31日。これを好感した買いが入った。 ■マイクロアド <9553> 465円 (+20円、+4.5%) マイクロアド <9553> [東証G]が7日ぶり大幅反発。同社は30日、韓国向けマーケティング事業を展開するビーウェル(大阪市中央区)と業務提携したと発表しており、これが材料視されたようだ。この提携により、同社は日本企業の韓国進出を支援するマーケティングサービスを開始するほか、韓国人に対する訪日インバウンドプロモーションにも対応することで、クロスボーダーマーケティング事業の更なる拡大を目指すとしている。 ■AKIBA <6840> 359円 (+15円、+4.4%) AKIBAホールディングス <6840> [東証S]が大幅反発。メモリー製品の販売を主力とし、米エヌビディアの製品取り扱いでも実績が高い。直近ではエヌビディアの最先端半導体 チップを搭載した小型のAIスパコンを取り扱うなど新たな展開をみせている。26年3月期は営業利益段階では3期連続の減益を見込むものの、トップラインは3期連続増収と売上規模の拡大が続いている。27年3月期については売上高200億円台乗せが射程圏で、増収効果を映し営業利益も2ケタ以上の伸び率で増益転換が見込まれる。時価予想PERは依然8倍台で割安感があった。 ■キオクシア <285A> 4,875円 (+200円、+4.3%) キオクシアホールディングス <285A> [東証P]が大幅続伸。29日の米市場で米サンディスク の株価が急騰したことが刺激となったもよう。また、同社とサンディスクが30日、人工知能(AI)需要に対応する北上工場(岩手県北上市)の第2製造棟(K2棟)が稼働を開始したと発表していることも材料視されたようだ。K2棟は、AIの普及などによる中長期的なフラッシュメモリー市場の拡大に備え、CBA(CMOS directly Bonded to Array)技術を導入した第8世代3次元フラッシュメモリー製品(218層)、並びに今後も進化を続けるフラッシュメモリーの生産に対応。26年前半に本格的な出荷を開始し、市場動向にあわせて設備投資を継続することで生産能力を段階的に引き上げるとしている。 ■FIG <4392> 332円 (+13円、+4.1%) FIG <4392> [東証P]が3日ぶり大幅反発。29日の取引終了後に、25年12月期の配当予想を期末一括5円から期末一括10円(前期5円)に増額修正したことが好感された。連結配当性向30%以上を基準とする配当方針を決定したことに伴い増額した。 ■キャピタルA <3965> 879円 (+32円、+3.8%) キャピタル・アセット・プランニング <3965> [東証S]が大幅反発。29日の取引終了後、25年9月期連結業績予想について、売上高を87億8000万円(前期比18.1%増)へ、営業利益を4億5000万円から5億2500万円(同76.8%増)へ、純利益を2億8500万円から3億5500万円(同2.3倍)へ上方修正したことが好感された。生命保険会社からの顧客管理システムの再構築、法人向けペーパーレス申込システムや代理店向け設計書・申込書システムなどの受注が下期に好調だったことが要因。また、証券会社に対してIFA向け投資商品発注サポートシステムの開発を行ったことや、メガバンググループ向けに新NISA対応のゴールベースマネジメントシステムを投入したことなど、受託開発分野の売り上げが増加することも寄与する。 ■ダイジェト <6138> 1,087円 (+39円、+3.7%) ダイジェット工業 <6138> [東証S]が大幅高で4日続伸。30日午後1時ごろ、保有する投資有価証券の一部を売却するのに伴い、26年3月期第3四半期に投資有価証券売却益1億8300万円(見込み)を特別利益として計上すると発表したことが好材料視された。なお、通期業績予想への影響は他の要因も含めて精査中としている。 ■ベイカレント <6532> 8,700円 (+250円、+3.0%) ベイカレント <6532> [東証P]が大幅反発。日本経済新聞社は日経平均株価の構成銘柄の定期入れ替えを10月1日に行う予定だ。今回はSHIFT <3697> [東証P]を新規に採用する一方で、シチズン時計 <7762> [東証P]を除外する。加えて、ベイカレントの株価換算係数を0.5から1.0に引き上げる。これに伴って、日経平均連動型のパッシブ系ファンドは9月30日引け後にリバランスを行う予定だ。ベイカレントには株価換算係数の上昇に伴う買い需要が発生する見通しで、これを見越した資金の流入が同社株の上昇に寄与したとみられている。 ■暁飯島工業 <1997> 3,530円 (+95円、+2.8%) 暁飯島工業 <1997> [東証S]が3日続伸。29日の取引終了後、26年2月末日時点の株主から株主優待制度を導入すると発表しており、好材料視された。毎年2月末日時点で3単元(300株)以上を保有する株主を対象に、茨城県産品カタログギフトを保有株数に応じて4000~1万2000円相当を贈呈する。 ■村田製 <6981> 2,815.5円 (+67.5円、+2.5%) 村田製作所 <6981> [東証P]が反発。ここAIデータセンター関連株への波状的な物色が続くなか、同社株には機関投資家とみられる実需買いが流入したもよう。積層セラミックコンデンサーの世界トップメーカーで、米アップル のiPhone向けサプライヤーとしても世界最大手に位置するが、同社はAIサーバー向けでも高水準の需要を獲得している。データセンター内のAIサーバーをはじめとする高性能IT機器には非常に数多くのデバイスが搭載されることで、コンデンサーは小型化と同時に大容量化が求められている。更に回路基板やAI半導体の発熱問題があり、高温環境下でも耐えられる商品ニーズが高まっていることで、同社はそのニーズに対応した小型で薄層化された静電容量の大きい積層セラミックコンデンサーの量産を今夏からスタートさせている。これが大口投資家の継続買いを誘導したもようだ。 ■ネクセラ <4565> 990円 (+18円、+1.9%) ネクセラファーマ <4565> [東証P]が6日ぶり反発。30日の寄り前、アッヴィ との神経疾患における複数のターゲットを対象とした創薬提携において、研究段階における2番目の重要なマイルストンを達成したと発表。これにより、ネクセラは1000万ドルを受け取ることになることが好感された。なお、同マイルストンは大半を25年12月期に、残りを26年12月期以降に収益計上する予定としている。 ■M&Aキャピ <6080> 3,205円 (+55円、+1.8%) M&Aキャピタルパートナーズ <6080> [東証P]が反発。29日の取引終了後、愛媛新聞社(愛媛県松山市)と業務提携契約を締結し、愛媛県内における「地域共創プロジェクト」を始動したと発表したことが好材料視された。同プロジェクトは、全国の新聞社や放送局などと共同で「事業承継・事業成長の選択肢」を広めるもので、愛媛新聞との提携は第21弾となり四国地域では初。提携により、両社は愛媛県経済を牽引する中小企業の経営者に対して、M&Aをはじめとする多様な事業承継・事業成長の選択肢を広める活動を加速するとしている。 ■日本光電 <6849> 1,690.5円 (+22.5円、+1.4%) 日本光電工業 <6849> [東証P]が3日ぶり反発。29日の取引終了後、アボット・ラボラトリーズ 日本法人であるアボットメディカルジャパンとのパートナーシップ契約を26年12月31日の契約期間満了をもって更新しないことを決定したと発表し、アボット製品の取り扱いを終了するとした。これに伴い、アボット事業に従事する社員への転職支援を実施することに加え、国内で一定の年齢以上の社員を対象とした早期退職者の募集を実施すると発表したが、これにより26年3月期に特別損失24億円程度を計上する一方、27年3月期には23億円程度の販管費減少が見込まれるとしたことから、これを評価する買いが入ったようだ。 ■西松建 <1820> 5,242円 (+59円、+1.1%) 西松建設 <1820> [東証P]が反発。大和証券は29日、同社株の投資判断「2(アウトパフォーム)」を継続するとともに、目標株価を5600円から6800円に引き上げた。同証券では26年3月期の連結営業利益を前期比23.2%増の260億円(会社計画250億円)と予想。第1四半期は減益だったが、第2四半期から増益に転じると見込む。今期の単体建築の完成工事総利益率は10.5%(同10.0%)を予想。国内建築は不採算案件の売り上げ比率が大きく低下するとみている。27年3月期の同利益は310億円を見込んでいる。 ■東エレデバ <2760> 2,980円 (+31円、+1.1%) 東京エレクトロン デバイス <2760> [東証P]が3日ぶり反発。29日の取引終了後、持ち分法適用関連会社であるカナダのファイダス・システムズ社の全株式を譲渡するのに伴い、26年3月期第3四半期に関係会社株式売却益約9億円を特別利益として計上すると発表したことが材料視された。なお、26年3月期通期業績予想への影響は、その他の事項を含めて精査中としている。 ※30日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。 株探ニュース