前日に「買われた株!」総ザライ ―本日につながる期待株は?―

投稿:

材料

■グラッドC <9561>  675円 (+100円、+17.4%) ストップ高

 グラッドキューブ <9561> [東証G]がストップ高。29日正午ごろ、アリババ  グループのアリババクラウドと業務提携し、デジタルマーケティング領域における生成AIソリューションの共同開発を開始したと発表しており、好材料視された。今回の提携は、両社の技術力を融合させることで、生成AIを活用した広告画像・動画の自動制作や、AIアバターを活用した業務効率化を推進するのが狙い。グラッドCは、アリババクラウドのスケーラブルなクラウド環境を活用することで、開発効率の向上と新たな価値創出を目指すとしている。なお、同件が業績に与える影響は軽微としている。

■小林洋行 <8742>  340円 (+37円、+12.2%)

 小林洋行 <8742> [東証S]が急反騰。前週末26日の取引終了後に自社株買いを実施すると発表したことが好感された。上限を70万株(自己株式を除く発行済み株数の5.62%)、または2億円としており、取得期間は9月29日から来年3月31日まで。立会取引市場における買い付けのほか、自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)による買い付けで取得する。

■サンコール <5985>  1,058円 (+97円、+10.1%)

 サンコール <5985> [東証S]が3日ぶり急反騰。大手自動車メーカーを主要顧客にエンジン用バネなどを主力とする精密部品メーカーだが、高技術力を武器にデータセンター向け光コネクターや光アダプターなど高利益率の光関連デバイスを展開し、利益が押し上げられている。株式需給面ではここにきて貸株市場を通じた空売りのターゲットとなり、需給先行で株価は大きく下押す状況にあったが、足もとショートカバーによって戻り足が加速していた。PERに割安感があり、当面は今月22日につけた年初来高値1154円奪回を視野に入れる動きとなった。ここをクリアすると、バブル期の1991年以来約34年ぶりの高値圏に再突入することになる。

■大阪チタ <5726>  2,555円 (+234円、+10.1%)

 東証プライムの上昇率2位。大阪チタニウムテクノロジーズ <5726> [東証P]が急反騰。ここ貸株市場を通じた空売りが溜まっており、そのショートカバーを誘発していた。世界的に航空機向け需要が回復色を強めている。航空機部品に使われるチタンの中間原料である「スポンジチタン」のトップメーカーである同社と東邦チタニウム <5727> [東証P]への見直し買いを誘導していた。米国では航空機最大手のボーイング  による民間機の大型受注を巡る報道がマーケットの耳目を集めるなど、大阪チタや邦チタを取りまく収益環境が好変化をみせており、つれて株価にも浮揚力が働いた。

■エムスリー <2413>  2,372円 (+159.5円、+7.2%)

 東証プライムの上昇率4位。エムスリー <2413> [東証P]が急反発。モルガン・スタンレーMUFG証券が前週末26日、エムスリーの投資判断を従来の「イコールウェート」から「オーバーウェート」に引き下げた。目標株価はこれまでの1900円から2800円に増額修正している。同証券が行った調査では、診療所向けのクラウド型電子カルテ分野での成長余地の大きさや、オンライン予約・精算・処方システムの成長ポテンシャルが示されたと指摘。電子カルテを通じだデータの蓄積が、製薬マーケティング支援事業の成長再加速につながる可能性についても言及している。同証券はエムスリーの27年3月期営業利益予想を従来の803億円から839億円に見直している。

■FEASY <212A>  3,475円 (+195円、+6.0%)

 フィットイージー <212A> [東証S]が続急伸。22日に続き再び上場来高値を更新してきた。前週末26日取引終了後、東京証券取引所と名古屋証券取引所の承認を受け、東証スタンダード市場からプライム市場へ、名証メイン市場からプレミア市場へそれぞれ上場市場区分を変更することになったと発表した。変更日は10月15~20日までの間のいずれかの日。これが好感された。これに伴い、63万株の新株式発行と150万株の株式売り出し、上限31万9500株のオーバーアロットメントによる売り出しを実施する。新株発行による調達資金約19億円(手取り概算額)は設備や人材への投資資金、有利子負債の返済資金の一部に充てる。

■JX金属 <5016>  1,898円 (+105.5円、+5.9%)

 東証プライムの上昇率7位。JX金属 <5016> [東証P]が急反発。同社は前週末26日取引終了後、金属・リサイクル事業におけるリサイクル原料の増処理に向けた前処理プロセスの設備投資を実施することを発表、これが好感されたようだ。投資額は約70億円となる。

■エレメンツ <5246>  1,052円 (+52円、+5.2%)

 ELEMENTS <5246> [東証G]が3日ぶり急反発。画像解析及び顔認証など生体認証を活用したクラウド型本人確認サービスなどを手掛けており、金融機関向けを中心に需要を開拓している。前週末26日取引終了後、総務省の「デジタルインフラ整備基金助成事業」の公募に同社グループ会社が実施事業者として採択されたことを発表、これを材料視する形で投資資金が集中した。

■サン電子 <6736>  8,230円 (+350円、+4.4%)

 サン電子 <6736> [東証S]が大幅反発。同社は29日、完全新作アクションゲーム「野生のラスボスが現れた!~黒翼のサバイバー~」のNintendo Switchダウンロード版の予約を開始したと発表しており、期待感が株価上昇につながったようだ。このゲームは、テレビアニメ「野生のラスボスが現れた!」をモチーフにしたもの。10月5日にNintendo Switch、PlayStation5、PlayStation4、翌6日にSteamでの発売を予定している。

■大同メ <7245>  996円 (+37円、+3.9%)

 大同メタル工業 <7245> [東証P]が大幅続伸。軸受けメタルの専業メーカーで自動車用エンジンを筆頭に幅広い分野で世界屈指の商品競争力を誇る。業績もここ数年来好調を極め、売上高の過去最高更新を続ける一方、営業利益も26年3月期は前期比2ケタ成長を予想し、過去最高を記録した12年3月期以来14年ぶりの高水準に達する見通しにある。同社はAIデータセンターを含むデータセンター向けの発電機用軸受けが新たな収益牽引役となっている。発電機は非常用向けが主であったが、AIデータセンターなど電力需要の膨大化を背景に常用でもニーズが発現しているもようで、同社の収益チャンスが高まっている。もとより、PER13倍台、PBRは0.6倍台と投資指標面からイレギュラーな安値水準にあり、一段の上値余地が意識されやすかった。

■セブン銀 <8410>  300円 (+9.9円、+3.4%)

 セブン銀行 <8410> [東証P]が大幅高で4日続伸。約8ヵ月ぶりに年初来高値を更新した。前週末26日取引終了後、伊藤忠商事 <8001> [東証P]と資本・業務提携すると発表しており、これを材料視した買いが入った。伊藤忠傘下のファミリーマートが運営するコンビニ店舗に、セブン銀が運営するATM設備を設置する。また、クレジットカードや決済など金融事業での提携に関して両社で協議を行う。伊藤忠はセブン銀が実施する第三者割り当てによる自己株式処分を引き受けて16%強の株式を保有し、更に議決権ベースで20%に至るまで市場買い付けなどで株式を追加取得する見通し。

■バリューC <9238>  1,745円 (+53円、+3.1%)

 バリュークリエーション <9238> [東証G]が大幅高で3日続伸。同社は29日、りそなホールディングス <8308> [東証P]傘下の埼玉りそな銀行と、空き家の有効活用の促進を目的とした連携協定を締結したと発表。解体業者の見積もりを比較できるサービス「解体の窓口」を運営するバリューCに対しては、事業拡大につながるとの期待から買いが入ったようだ。埼玉県内の空きや所有者に対し、協定により解体を含めて幅広い情報提供が可能になる。バリューCにとっては新たな集客チャネルとなり、顧客の獲得に直結する取り組みとなる。同社は今後、他地域へのサービス展開や新サービスの創出も視野に入れる。

■純金信託 <1540>  18,165円 (+530円、+3.0%)

 純金上場信託(現物国内保管型) <1540> [東証E]が大幅高で5日続伸。地金商最大手である田中貴金属工業が29日発表した金の1グラムあたりの店頭小売価格は、同日午後2時時点で前営業日比193円高の2万133円と、史上初めて2万円台に乗せた。金相場の先高観が膨らむなか、金価格との連動を目指すETF(上場投資信託)の純金信託に投資資金が流入したようだ。国連の対イラン制裁が再開し、核合意が実質的な崩壊をみせるなど中東情勢の先行き懸念が広がるなかで、欧州連合(EU)の首脳会議の開催が控えているデンマークでは ドローンとみられる無人機の目撃情報が相次ぎ、北大西洋条約機構(NATO)がバルト海での警戒態勢を強めている。地政学リスクの高まりや米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ観測の拡大が、金価格の上昇につながっているとみられている。

■オークワ <8217>  968円 (+26円、+2.8%)

 オークワ <8217> [東証P]が3日続伸。前週末26日の取引終了後、集計中の8月中間期連結業績について、営業利益が従来予想の3億円から5億7000万円(前年同期比2.3倍)へ、純利益が1億円から2億4000万円(同2.8倍)へ上振れて着地したようだと発表したことが好感された。売上高は天候不順や競合環境の影響により1265億円から1244億円(同1.5%増)へ下振れて着地したものの、商品仕入れ原価の低減や業務の見直しによる販管費の抑制に努めたことで各利益は上振れた。

■バルミューダ <6612>  831円 (+20円、+2.5%)

 バルミューダ <6612> [東証G]が3日ぶり反発。29日、アップル  の元CDO(最高デザイン責任者)のジョニー・アイブ氏が率いるクリエイティブ・コレクティブ集団「LoveFrom」との共同開発によるポータブルLEDランタンを発表。ビッグネームとのコラボレーションによる事業展開への好影響を見込んだ買いが入ったようだ。航海用ランタンに着想を得た新商品「Sailing Lantern」は1000台の数量限定モデルで、価格は55万円。米国やイギリス、欧州各国、韓国、日本を中心に販売し、国内ではバルミューダのウェブサイト及び旗艦店、百貨店内でのブランドショップ各店で販売を予定する。

■オンコリス <4588>  635円 (+13円、+2.1%)

 オンコリスバイオファーマ <4588> [東証G]が続伸。前週末26日の取引終了後、腫瘍溶解ウイルスOBP-301の物流業務委託契約を締結している三井倉庫ホールディングス <9302> [東証P]と、新たに品質協定書を締結すると発表しており、これが材料視された。同社はOBP-301について、食道がんを最初の適応とする再生医療等製品としての承認申請を25年12月期に行う計画だが、今回合意した品質協定書は、OBP-301の日本国内での製造(包装・表示・保管)に係る適正な製造管理及び品質管理のための具体的な必要事項を定めた契約となる。なお、同件による25年12月期業績への直接の影響はないとしている。

■住友重 <6302>  3,615円 (+65円、+1.8%)

 住友重機械工業 <6302> [東証P]が5日続伸。日本経済新聞電子版が26日、「造船最大手の今治造船と住友重機械工業が船体建造で協業することが26日わかった」と報じた。来年で商船建造を終える予定だった傘下の横須賀造船所を活用するという。同日の株価はこの報道に反応して上昇しており、週明けの29日も引き続きこれを材料視した買いが入ったようだ。

■ブルーイノベ <5597>  2,240円 (+34円、+1.5%)

 ブルーイノベーション <5597> [東証G]が5日ぶり反発。前週末26日取引終了後、いであ <9768> [東証S]と資本・業務提携すると発表した。公共インフラ向けドローン点検ソリューションの共同開発・提供などに取り組む。これが買い手掛かりとなった。これに伴い、いであに対して第三者割当増資を実施する。また、あわせて国内投資ファンドのシンプレクス・キャピタル・インベストメント(東京都千代田区)が無限責任組合員を務める「シンプレクス・キャピタル・PIPEs投資事業有限責任組合1号」を割当予定先として、第1回無担保転換社債型新株予約権付き社債と第11回新株予約権(固定行使価額型)を発行することも明らかにした。

■ロボペイ <4374>  3,345円 (+40円、+1.2%)

 ROBOT PAYMENT <4374> [東証G]が3日ぶり反発。29日の寄り前に、請求・債権管理システム「請求管理ロボ」が、笑美面 <9237> [東証G]に採用されたと発表しており、好材料視された。笑美面では従来、請求書発行に既存の会計システムとExcelを併用しており、業務フローが分散化している点に課題を抱えていたほか、既存システムの仕様上、請求書発行時に自動で仕訳が作成されるため、経理財務部門の担当者しか操作できないといった課題を抱えていたという。今回の「請求管理ロボ」採用は、請求業務の一元管理と効率化を図るのが狙いで、Salesforceの画面上で請求から債権管理まで完結できる操作性や、経理財務以外の担当者も利用できる柔軟な権限設定、Excel管理からの脱却と請求データの一元化などの点が評価されたとしている。

※29日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

株探ニュース

オンラインで簡単。
まずは無料で口座開設

松井証券ならオンラインで申し込みが完結します。
署名・捺印・書類の郵送は不要です。