午後:債券サマリー 先物は反発、日銀オペ結果で需給の引き締まりを意識

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市況

 29日の債券市場で、先物中心限月12月限は反発。米長期金利の上昇に一服感が出ていることや、この日に日銀が実施した国債買いオペ結果を受け需給の引き締まりが意識されたことが相場上昇につながった。

 26日発表の米8月個人消費支出(PCE)物価指数は市場予想の範囲内で、米ミシガン大学が同日発表した9月の消費者マインド指数(確報値)では予想インフレ率が速報値から引き下げられた。米インフレ再加速への警戒感が和らぎ、米連邦準備理事会(FRB)による利下げが改めて意識されるなか、前週末の米長期金利は上昇が一服し、この日の時間外取引で低下したことが円債の支援材料となった。今週は重要なイベント(日銀短観、日銀高官発言、米経済指標など)を多く控えていることから上値に対する慎重さも感じられたが、国債買い入れオペの結果が明らかになると再び買いが流入。「残存期間5年超10年以下」と「同25年超」の応札倍率が前回を下回り、売り意欲の乏しさが示されたことを手掛かりに、債券先物は午後2時20分ごろに一時136円07銭まで上伸した。ただ、日銀の野口旭審議委員が札幌市内で行った講演で、金融政策について「政策金利調整の必要性がこれまで以上に高まりつつある」との認識を示したことが伝えられると、追加利上げを意識した売りに押されるかたちで上げ幅を縮小した。

 先物12月限の終値は、前週末比11銭高の135円90銭となった。一方、現物債市場で10年債の利回りは、午後3時時点で前週末に比べて0.015%低い1.640%で推移している。

出所:MINKABU PRESS

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