前日に「買われた株!」総ザライ (1) ―本日につながる期待株は?―

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■カウリス <153A>  2,582円 (+500円、+24.0%) ストップ高

 カウリス <153A> [東証G]がストップ高。金融機関向けマネーロンダリング対策に特化したクラウド型不正アクセス検知サービスを展開している。大手電力10社が不正な預金口座開設や悪用を防ぐマネロン対策で金融機関と連携することが報じられているが、同社はそのキーカンパニーとして注目度が高まった。18日朝方取引開始前に同社は、現在展開する不正検知サービスについて「全国規模で均一に利用可能な仕組みを構築するために全国10社の一般送配電事業者と業務提携した」と開示している。新たな事業として電力10社と連携し、電力契約情報を活用した不正口座開設防止・継続的顧客管理の高度化及び管理コストの低減を同時に実現するサービス提供を開始するとしている。これを受け同社の中長期的な業容拡大への期待が膨らみ、投資マネーを呼び込む格好となった。

■電算 <3640>  3,160円 (+504円、+19.0%) ストップ高

 電算 <3640> [東証S]がストップ高。17日の取引終了後、9月中間期の連結業績予想について、売上高を89億9400万円から105億円(前年同期比44.0%増)へ、営業利益を9億1300万円から16億円(同5.5倍)へ、純利益を6億3800万円から10億2500万円(同4.6倍)へ上方修正したことが好感された。自治体情報セキュリティー対策などの新規案件の獲得や受注額の増加など販売が順調に推移したことに加えて、下期から上期に前倒しで売り上げを計上できた案件があったことなどが要因としている。

■さくらネット <3778>  3,310円 (+502円、+17.9%) ストップ高

 東証プライムの上昇率トップ。さくらインターネット <3778> [東証P]がストップ高。読売新聞オンラインが18日、「政府は自国のデータや技術をもとにした国産AI(人工知能)の開発に乗り出す」と報じた。記事によると、総務省が所管する情報通信研究機構(NICT)が収集した日本語データを提供し、プリファード・ネットワークス(東京都千代田区)がAIを共同開発。開発した国産AIをさくらネットが国内のデータセンターを通じて提供することが想定されているという。この報道を受けて買いが膨らんだ。

■東京衡機 <7719>  319円 (+45円、+16.4%) 一時ストップ高

 東京衡機 <7719> [東証S]が4日ぶり急反騰、一時ストップ高となった。素材や部材などの試験・計測機メーカーで自動車や総合重機、鉄鋼メーカー向けなどで実績が高く、エンジニアリング事業にも展開する。採算性向上に向けた経営努力を反映し、足もとの利益は従前の想定を上回って推移している。17日取引終了後、同社は26年2月期の業績予想の修正を発表、営業利益は1億2600万円から1億7700万円(前期比7.1倍)に増額した。これを手掛かり材料に上値を見込んだ投資資金の流入が加速する格好となった。

■Fusic <5256>  2,600円 (+347円、+15.4%)

 フュージック <5256> [東証G]が3日続急騰。同社は18日、宇宙ビジネス振興イベント「九州宇宙ビジネスキャラバン2025鹿児島」に協賛すると発表しており、これが株価を刺激したようだ。このイベントは、九州地域における宇宙産業の成長と新たなプレーヤーの発掘・育成を目的としたもの。同社はクラウドコンピューティングや人工知能(AI)などの技術を活用し、宇宙関連の政府機関や企業とさまざまなプロジェクトを推進している。

■AB&C <9251>  1,148円 (+150円、+15.0%) ストップ高

 AB&Company <9251> [東証G]がストップ高。同社は17日の取引終了後、配当方針の変更を発表した。新たな方針では配当性向50%を基準に算出した額と60円を比べて高い額を配当とする。これに伴い、25年10月期の期末一括配当予想を前回予想から31円93銭増額の60円(前期は28円07銭)に引き上げており、株主還元に意欲的な姿勢を評価する買いが集まった。AB&Cはあわせて株主優待の変更も開示した。従来はオンラインストア優待券について、100株以上500株未満を保有する株主に8000円相当、500株以上を保有する株主に2万4000円相当贈っていた。今後は100株以上200株未満を保有する株主に7000円相当のオンラインストア割引券、200株以上500株未満を保有する株主に1万円相当のオンラインストア優待券、500株以上を保有する株主に2万円相当のオンラインストア優待券を贈呈。600株以上を保有する株主は優待券の代わりに2万6000円相当のオリジナルドライヤーを選ぶこともできる。そのほか、美容室の運営に取り組む同業のSENSE(東京都千代田区)を完全子会社化することも発表した。取得価額は非開示。9月26日を株式譲渡実行日とする。連結業績に与える影響は軽微とした。

■キッズスター <248A>  2,238円 (+275円、+14.0%)

 キッズスター <248A> [東証G]が急反騰。17日の取引終了後、子ども社会体験アプリ「ごっこランド」及び海外版「Gokko World」が累計1000万ダウンロード(DL)を達成したと発表しており、好材料視された。「ごっこランド」は13年5月にサービスを開始した、実在する企業のお仕事の“ごっこ遊び”をしながら社会のしくみを学べる子ども向けの社会体験アプリ。25年6月末時点で90社以上の企業が出店し更なる増加が見込まれるほか、25年末から26年初頃にはタイ、インドネシアの2カ国での配信を予定し、英語版の準備も進めていることから、今後のDL数の増加も期待されている。

■MTG <7806>  4,990円 (+420円、+9.2%)

 MTG <7806> [東証G]が急反発。同社は17日、女性の身体と心に寄り添うための新カテゴリーとして「SIXPAD for Women(シックスパッドフォーウィメン)」をローンチすると発表。フェムテック・フェムケア領域への参入による将来的な収益貢献を期待した買いが続いていた。10月15日に第1弾の製品として、着用することで骨盤底筋を持ち上げ、血行を促進する「SIXPAD 骨盤底筋ケアガードル」を発売する。新カテゴリーのアンバサダーとしてタレントのRIKACOを起用。特設サイトを立ち上げて情報を発信していく。

■ジャストプラ <4287>  567円 (+47円、+9.0%)

 ジャストプランニング <4287> [東証S]が急反発。17日の取引終了後に、自社株22万2750株(消却前発行済み株数の1.79%)を9月25日付で消却すると発表したことが好材料視された。なお、消却後の発行済み株数は1222万9888株となる。

■リベラウェア <218A>  2,472円 (+182円、+8.0%)

 Liberaware <218A> [東証G]が急反発。18日、韓国ソウルを拠点とするロボティクス企業Sequor Robotics社と製品開発及び事業拡大を目的とした業務提携に関する覚書(MOU)を締結したと発表しており、これを好感した買いが入った。今回のMOU締結は、次世代の高度産業用ドローン及びロボティクス製品の研究開発と商用化を推進していくことが目的。Sequor社は自社開発技術である「Latent 3D World Model」を基盤としたフィジカルAIにより、ロボット及び自律走行ソリューション分野で高度な技術力を有していることから、リベラウェアでは締結を通じてフィジカルAIをはじめとする先端技術を自社ドローンに取り入れ、次世代ドローンの実用化準備を加速させるとしている。

■日ヒュム <5262>  4,125円 (+295円、+7.7%)

 東証プライムの上昇率7位。日本ヒューム <5262> [東証P]が急反発。国土交通省が17日、埼玉県八潮市の下水道管路の破損事故を受けて要請した下水道管路の全国特別重点調査の優先実施箇所(約813キロメートル)の調査結果を発表。8月までに約730キロメートルで目視調査などを実施した結果、原則1年以内の速やかな対策が必要と見込まれる緊急度1の要対策延長が約72キロメートルあり、貫入試験などにより空洞があることが確定した箇所が6カ所確認されたとした。これを受けて、下水道対策が改めて注目されており、下水道管更新の思惑から買われたようだ。

■T&S・G <4055>  1,275円 (+89円、+7.5%)

 ティアンドエスグループ <4055> [東証G]が3日続急伸。17日の取引終了後に発表した長期ビジョンで、31年9月期に売上高100億円(25年9月期予想40億円)、時価総額300億円(17日現在93億8800万円)を目指すとしたことが好材料視された。既存半導体顧客の深耕や新規半導体顧客の開拓、AIビジネスの拡大、プライシングの改善、更にM&Aの実施などにより業績拡大を目指す。あわせて横浜キャピタル(横浜市西区)との事業提携と、新株予約権による資金調達の実施を発表した。10月3日を割当日として新株予約権1万1287個(潜在株数112万8700株)を発行し、約13億5000万円を調達する。なお、調達資金は採用・人材基盤の強化やM&Aまたは事業・資本提携による事業の拡大、DX推進による営業基盤の拡充と生産性の向上などにあてる方針だ。

■フロンテオ <2158>  948円 (+56円、+6.3%)

 FRONTEO <2158> [東証G]が急反発。18日、同社の医学論文探索AI「KIBIT Amanogawa」が寝具ブランド「NELL」を展開するMorght(東京都港区)に導入されたと発表しており、材料視した買いが入った。フロンテオのKIBIT Amanogawaは論文探索と仮説生成の効率化・高精度化を目的に開発された独自のアルゴリズムを搭載している。疾患名や症状、調査テーマに関する単語、仮説を入力すると、特化型AIが米国国立医学図書館国立生物科学情報センターの生物・医学論文データベース「PubMed」に掲載されている論文データから高い類似性・関連性を持つ情報を即時に検出し解析・提示する。PubMedには3000万を超える論文データがある。Morghtは同サービスの導入を通じ、新製品開発に向けたエビデンスの探索を強化する。

※18日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

株探ニュース

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