11日の株式相場見通し=売り買い交錯、目先高値警戒感もリスクオンの流れは維持
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11日の東京株式市場は売り買い交錯のなか、日経平均株価は4万3000円台後半で一進一退の地合いか。展開次第では4万4000円台に乗せる可能性がある一方、持ち高調整の売りが顕在化すれば4万3000円台半ばまで水準を切り下げるケースも考えられる。前日の欧州株市場は高安まちまちの展開となり、政局不安に揺れるフランスの主要株価指数であるCAC40は小幅ながら続伸したものの、独DAXは朝方は高かったものの上値は重く結局続落して引けた。米国株市場では景気敏感株を中心に目先高値警戒感が意識されるなか、NYダウが3日ぶりに利益確定の売りに押される形となった。なお、ハイテク株は相対的に底堅く、ナスダック総合株価指数はわずかながら上昇して着地している。この日の朝方に発表された8月の米生産者物価指数(PPI)は前月比で0.1%下落となり、事前予想の0.3%上昇を下回った。しかし、マーケットでは来週行われるFOMCで0.5%の利下げを決定するだけのインパクトはないという見方で反応は限定的だった。また、11日発表の8月の米消費者物価指数(CPI)の結果を見極めたいとの雰囲気が強く、売り買いともにポジションを一方向に傾ける動きは限られている。個別株ではクラウドサービス大手のオラクル<ORCL>が、前日の決算発表を受け36%高と急騰し注目された。エヌビディア<NVDA>も3.8%高に買われ、半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)もマドを開けて上昇する格好となった。東京市場では前日に日経平均が約3週間ぶりに史上最高値を更新した。ここ短期間で大きく水準を切り上げていることもあり利食い圧力も拭えないが、米国ではナスダック指数とS&P500指数の最高値更新基調が続くなか、これを横目にリスク選好ムードは維持されそうだ。 10日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比220ドル42セント安の4万5490ドル92セントと3日ぶり反落。ナスダック総合株価指数は同6.57ポイント高の2万1886.06だった。 日程面では、きょうは8月の企業物価指数、対外・対内証券売買契約、7~9月期法人企業景気予測調査、8月のオフィス空室率、8月の投信概況など。海外では欧州中央銀行(ECB)が政策金利を発表するほか、8月の消費者物価指数(CPI)、週間の米新規失業保険申請件数、8月の米財政収支などが注目される。 出所:MINKABU PRESS