午後:債券サマリー 先物は小幅続落、5年債入札後下げ幅縮小 長期金利1.560%

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市況

 10日の債券市場で、先物9月限は小幅続落した。日銀の利上げ観測が円債相場の重荷となったが、5年債入札が無難な結果となったことを受け、午後は下げ幅を縮小した。

 財務省が実施した5年債(第180回)入札の結果は、小さければ好調とされるテール(平均落札価格と最低落札価格の差)が3銭で、前回(8月13日)と同水準。応札倍率は3.70倍となり、前回の2.96倍を上回った。新発債はクーポンが1.1%と既発の第179回債の1.0%から切り上がったこともあり、一定の需要を集めたもよう。債券需給を巡る悲観的な見方を和らげた。

 先物9月限は朝方に一時137円70銭まで下落した。米ブルームバーグ通信が9日の取引終了後、「日本銀行は、石破茂首相の退陣表明を受けて国内政治情勢が混乱する中でも、年内利上げの可能性を排除しない姿勢だ」と報じた。日銀の利上げ観測をサポートする内容となり、先物に下押し圧力を掛けた。

 日中取引ベースで先物12月限の売買高が9月限を上回り、期近物から期先物へロールオーバーをするための売買も活発化した。中期・長期ゾーンは売られ金利に上昇圧力を掛けたが、超長期ゾーンは買いが優勢となり、新発の20年債と30年債、40年債の利回りは低下した。

 先物9月限は前営業日比5銭安の137円95銭、12月限は同8銭安の136円97銭で終えた。新発10年債利回りは一時1.580%に上昇したが、その後は低下。足もとでは前営業日と比べて横ばいの1.560%で推移している。

出所:MINKABU PRESS

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