前週末5日に「買われた株!」総ザライ ―本日につながる期待株は?―

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材料

■IGS <4265>  387円 (+80円、+26.1%) ストップ高

 Institution for a Global Society <4265> [東証G]がストップ高。5日午前10時ごろ、企業に向けた従業員の能力・行動測定のための360度評価ツール「GROW360+(グロー・サンロクマル・プラス)」を9月から提供開始すると発表した。従来の「GROW360」と比べて使いやすさを追求し、複数の被評価者を一度に評価できる「並列評価機能」などを追加して運用負荷を大幅に軽減したという。これを材料視した買いが集まった。

■情報戦略テク <155A>  971円 (+150円、+18.3%) ストップ高

 情報戦略テクノロジー <155A> [東証G]がストップ高。4日取引終了後、取得上限40万株(自己株式を除く発行済み株数の3.85%)、または4億円とする自社株買いを実施すると発表した。期間は9月5日~12月31日。これが好感された。取得方法は市場買い付け、あるいは東京証券取引所の自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)での買い付け。東証の自己株式立会外買付取引情報によると、同社は5日朝に買い付けを実施し、20万株を取得した。

■abc <8783>  562円 (+80円、+16.6%) ストップ高

 abc <8783> [東証S]がストップ高。4日の取引終了後、カナダ上場企業グループのソウル・キャピタル・パートナーズ社と共同で設立する新会社BandGが、 ビットコイン買い付け戦略のソリューション提供を行うと発表した。ビットコイン買い付け戦略のソリューション提供を行うアレンジャーのポジションを通じて、買い付け主体となる上場企業などにおける中長期的な資産価値向上を図るのを支援する。なお、同件が業績に与える影響は軽微としている。同時に、同社が戦略的支援を行っている次世代型SocialFiアプリ「WOWOO(ワオー)」において、新たにステーブルコイン「USD1」とガバナンストークン「WLFI」を実装したと発表しており、これも好材料視された。なお、「WOWOO」は所定のテストを行った上で、9月5日をメドにGoogle Play Store上でアップデートされる予定としている。

■ヤマトインタ <8127>  478円 (+67円、+16.3%)

 ヤマトインターナショナル <8127> [東証S]が続急騰。4日に関東財務局に提出された大量保有報告書で、投資運用会社のシルバーケイプ・インベストメンツ(ケイマン諸島)が保有するヤマトインタ株の割合が5.73%と新たに5%を超えたことが判明した。保有目的は「純投資又は場合により重要提案行為を行う可能性がある」としている。報告義務発生日は8月28日。これを受けて思惑的な買いが入ったようだ。

■アクリート <4395>  1,194円 (+134円、+12.6%)

 アクリート <4395> [東証G]が続急騰。8月26日に年初来高値1685円をつけたものの、同日に値を崩して大陰線を形成、その後は下値模索の動きを強いられていた。しかし、投げ売りが一巡し25日移動平均線との上方カイ離を解消したところで再び仕切り直しの買いが流入した。スマートフォンのショートメッセージサービス(SMS)の配信代行サービス最大手だが、近年は認証用途で収益機会が広がっており、今3月期業績も営業52%増益と大幅な伸びを見込んでいる。そうしたなか、4日取引終了後、シンガポールのITソリューション企業であるCustIntCoと資本・業務提携に向けて基本合意したことを発表した。アクリートはCustIntCoが提供する音声・顔画像分析サービスを自社製品「ANOTHER AI(アナザーアイ)」として販売展開しており、これに関しCustIntCoのグローバルネットワークの活用や製品のユーザビリティー向上を図る共同開発などにより、相互関係性を強化する目的で今回の提携に至った。これを材料視する買いを呼び込む格好となった。

■愛眼 <9854>  211円 (+21円、+11.1%)

 愛眼 <9854> [東証S]が急反騰。4日に発表した8月度の月次速報で、既存店売上高が11.2%増となり、増収基調を継続していることが好感された。なお、全店売上高は同8.7%増だった。

■ミライアル <4238>  1,207円 (+95円、+8.5%)

 ミライアル <4238> [東証S]が3日続急伸。4日の取引終了後、集計中の7月中間期連結業績について、売上高が従来予想の63億円から63億4000万円(前年同期比10.3%減)へ、営業利益が2億6000万円から3億3000万円(同60.4%減)へ、純利益が2億1500万円から2億8200万円(同53.2%減)へ上振れて着地したようだと発表したことが好感された。成形機事業で、受注状況及び部品供給の安定により一定の工場稼働率を維持したことが売上高・利益を押し上げた。また、プラスチック成形事業の製品出荷増加に伴う工場稼働率の向上も寄与した。

■コニカミノル <4902>  544.8円 (+31.1円、+6.1%)

 コニカミノルタ <4902> [東証P]が3日ぶり急反発。同社は4日、高精細・高速印刷に適した産業用インクジェットヘッド「KM1024iシリーズ」の新製品として、溶剤への耐久性に優れた「KM1024iSHE-HM-LV」を発売したと発表しており、これを好感した買いが入った。新製品は、溶剤に対する優れた耐久性を備えているのが特徴で、溶剤を含むディスプレー用材料、有機半導体材料、次世代太陽電池用材料、金属ナノインク材料などの塗布に適しているという。また、小液滴のインク吐出も可能で、高精度が求められる工業用途で精密な塗布が可能。更に低粘度のインクや材料塗布に対応していることから、低粘度の材料を用いるペロブスカイト層の形成などにも使用することができるという。ディスプレーや 半導体、次世代太陽電池など幅広い用途に対応することから、業績への貢献が期待されたようだ。

■santec <6777>  8,240円 (+440円、+5.6%)

 santec Holdings <6777> [東証S]が続急伸。8000円台に乗せて年初来高値を更新した。世界的にAIデータセンターに関連する設備投資が活発化しており、直近では米オープンAIによるインドでの巨大データセンター計画が報じられたほか、アマゾン・ドット・コム  によるニュージーランドでのデータセンター投資計画も9月に入り明らかとなった。AIやデータセンターに関連する銘柄に対する物色意欲が強まるなか、光部品を手掛けるsantecは26年3月期第1四半期(4-6月)は最終減益ながらも営業利益率は向上している。データセンター関連での需要捕捉による業績回復への期待から断続的に投資資金が流入し、株高に弾みをつけたとみられている。

■マックハウス <7603>  358円 (+17円、+5.0%)

 マックハウス <7603> [東証S]が急伸。5日午前9時ごろ、カジュアルファッションブランド「NAVY(ネイビー)」について、レインボーワークス(東京都世田谷区)と独占的ライセンス契約を締結したと発表しており、好材料視された。レインボーワークスは、「おさるのジョージ」「J.LEAGUE」「ペプシ」「バック・トゥ・ザ・フューチャー」「ジョーズ」「プレイボーイ」など、国内外の著名なキャラクターやブランドなど100を超える多彩なプロパティのライセンス事業を手掛ける企業。今回のライセンス契約により、マックハウスはブランドライセンス事業を開始することになり、業績への貢献が期待されている。

■マーケットE <3135>  1,848円 (+77円、+4.4%)

 マーケットエンタープライズ <3135> [東証P]が3日ぶり大幅反発。4日取引終了後、三井不動産 <8801> [東証P]傘下の三井不動産レジデンシャルと業務提携したと発表した。三井不動産レジデンシャルが供給する分譲マンションの入居者を対象に出張買取サービスを提供する。これまで出張買取イベントをテスト的に実施したことがある東京都と神奈川県に加え、9月上旬には関西の一部のエリアから先行してサービスを開始していく。これが材料視されたようだ。

■ガーデン <274A>  2,541円 (+105円、+4.3%)

 ガーデン <274A> [東証S]が大幅続伸。4日の取引終了後、グッドクリエイト(東京渋谷区)から味噌ラーメンブランド「萬馬軒(まんばけん)」事業を10月31日付で譲受すると発表しており、好材料視された。「萬馬軒」は、現在都内に4店舗を構える創業30年超の味噌ラーメンチェーン。味噌ラーメンはこれまでガーデンのラーメンブランドになかったジャンルであることに加え、1都3県の駅前好立地において突出した味噌ラーメンチェーンブランドが確立されていないことから、開拓の余地が大きいと判断し譲受に至ったとしており、中期的には30店舗、売上高30億円を目指して店舗拡大を図る。譲受価額は2億円。なお、同件による26年2月期業績に与える影響は軽微としている。

■三菱電 <6503>  3,657円 (+145円、+4.1%)

 三菱電機 <6503> [東証P]が大幅続伸。5日付の日刊工業新聞が「三菱電機は2027年度に向け、配当と自社株買いを含む総還元性向を最大70%に引き上げる」と報じた。積極的な株主還元を期待した買いを誘う格好となったようだ。同社は4月28日に開いた機関投資家・アナリスト向けの25年3月期決算説明会において、次の中期経営計画での総還元性向に関する質問に対し、ターゲットとして50%以上を基本とする考えを示していた。日刊工の記事によると、27年度までにROE(自己資本利益率)10%の達成を目指すうえで、25年3月末に現金及び現金同等物が7573億円と余剰感があることも踏まえ、資本を適正化するという。

■ナカニシ <7716>  2,109円 (+68円、+3.3%)

 ナカニシ <7716> [東証S]が3日ぶり大幅反発。SMBC日興証券は4日、ナカニシの目標株価をこれまでの2900円から3000円に増額修正した。投資評価は最上位の「1」を継続する。主力の歯科用ハンドピースについては米国でのシェア獲得が継続すると予想。北米歯科事業や外科事業の更なる拡大、新興国での価格競争への対応、資本効率を意識した経営に注力することを示した中期経営計画について、攻守兼備の戦略と評価する。同証券はナカニシの26年12月期の営業利益予想を従来の159億9100万円から165億円に引き上げた。

■ブックオフG <9278>  1,560円 (+39円、+2.6%)

 ブックオフグループホールディングス <9278> [東証P]が反発。4日の取引終了後に発表した8月度の月次売上状況で、国内ブックオフ事業の既存店売上高が前年同月比9.3%増となり、55ヵ月連続で前年実績を上回ったことが好感された。トレーディングカード・ホビー、書籍、貴金属・時計・ブランドバッグ、アパレルなどの売り上げが前年を上回った。なお、全店売上高は同9.4%増だった。

■テンシャル <325A>  4,790円 (+105円、+2.2%)

 TENTIAL <325A> [東証G]が続伸。東京証券取引所が4日の取引終了後、同社株を5日付で貸借銘柄に選定すると発表しており、株式流動性の向上による売買活性化への期待から買われたようだ。また、日本証券金融も5日約定分から同社株を貸借銘柄に追加した。

■クスリアオキ <3549>  3,959円 (+79円、+2.0%)

 クスリのアオキホールディングス <3549> [東証P]が4日ぶり反発。香港の投資ファンドであるオアシス・マネジメントが、クスリアオキの株式を買い増していたことが4日の取引終了後に明らかとなり、思惑視した買いが入ったようだ。同日に提出された変更報告書によると、オアシス・マネジメントによる保有割合は9.67%から10.70%に上昇した。報告義務発生日は8月28日。保有目的は「ポートフォリオ投資および重要提案行為」としている。

■トヨタ <7203>  2,962.5円 (+57.5円、+2.0%)

 トヨタ自動車 <7203> [東証P]が続伸。4日にトランプ米大統領が、日本との貿易交渉での合意を履行する大統領令に署名を行った。相互関税は既存の税率が15%以上の品目には上乗せされず、15%を下回る品目については相互関税と合わせて15%が適用される。現在は一律15%を上乗せした関税が賦課されているが、これについては8月7日の発動日にさかのぼって還付されることになる。したがって眼目となっていた自動車関税についても現行の27.5%から15%に引き下げられることになり、これを好感する買いが同社株をはじめ自動車セクターに流入した。足もと外国為替市場で1ドル=148円台半ばの推移と円安水準でもみ合っていたことも、為替感応度の高い自動車メーカー各社には追い風として働いていた。

■三菱重 <7011>  3,607円 (+68円、+1.9%)

 三菱重工業 <7011> [東証P]が続伸。同社は5日、台湾の公営電力会社である台湾電力が運営するトンシャオ発電所向けに、総出力280万キロワットの天然ガス焚きガスタービン・コンバインドサイクル(GTCC)発電設備建設プロジェクトを受注したと発表。これが買い手掛かりとなったようだ。このプロジェクトは、同社をリーダーに台湾の大手エンジニアリング・建設会社であるCTCIと共同でのフルターンキー契約(設計から機器・資材・役務の調達、建設及び試運転までの全業務を単一のコントラクターが一括して定額で、納期、保証、性能保証責任を負って請け負う契約のこと)によるもの。CTCIの受注額を含むEPC(設計・調達・建設)取りまとめの総額は約7600億円だとしている。

■コーナン <7516>  4,090円 (+55円、+1.4%)

 コーナン商事 <7516> [東証P]が3日続伸。4日の取引終了後に発表した8月度の月次売上動向で、既存店売上高が前年同月比4.7%減と2ヵ月連続で前年実績を下回ったものの、想定内との見方が強いようだ。前年の防災用品の大幅な需要増による反動減の影響が大きかった。一方、令和のコメ騒動への対応としての備蓄米の販売や、高気温継続によるエアコン・扇風機・ハンディファンの好調、職人向けの内装建材・電材の販売は増加したという。なお、全店売上高は同1.6%減だった。

■伊藤忠 <8001>  8,617円 (+85円、+1.0%)

 伊藤忠商事 <8001> [東証P]が続伸。5日付の日本経済新聞朝刊で「京都大学iPS細胞研究財団(京都市)と伊藤忠商事は、患者の細胞から個別に作る『マイiPS細胞』を安く製造できる専用キットを2025年中にも国内外で販売する」と報じられており、これを材料視した買いが入ったようだ。マイiPS細胞 とは、患者本人から作製するiPS細胞のこと。患者自身の細胞のため、移植しても拒絶反応はほぼ起こらないとされる一方、オーダーメードで製造するためコストが高いという課題があった。記事によると、専用キットは培養に必要な試薬や添加剤を一つにしたもので、無菌設備がなくても製造できるとあり、これによりコストや歩留まりが改善されれば、マイiPS細胞の普及に弾みがつくとして注目されている。

※5日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

株探ニュース

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