前日に「買われた株!」総ザライ (1) ―本日につながる期待株は?―
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■イトヨーギョ <5287> 1,439円 (+300円、+26.3%) ストップ高 イトーヨーギョー <5287> [東証S]がストップ高。下水道インフラ関連株に投資資金の攻勢が加速していた。今年1月に埼玉県八潮市の県道交差点で起こった大規模な道路陥没事故を受けて、下水道の予防保全や点検・補修を国策として推進する動きが株式市場でもテーマ買いの動きに発展している。市場では「水道事業に関しては、行政と民間企業が協業で上下水道インフラを管理・運営する『ウォーターPPP』推進への期待も買いの根拠となったようだ」(中堅証券アナリスト)という声もある。とはいえ、関連銘柄は足もと思惑先行で買われ過ぎている面は否めないが、貸株市場を経由した機関投資家の空売りも含め、ショートポジションの積み上がりが踏み上げ相場を演出しているケースもあり、総花的な急騰劇の行方にマーケットの視線が集まっていた。 ■エディア <3935> 1,229円 (+132円、+12.0%) エディア <3935> [東証S]が続急騰。同社は3日の取引終了後、日本ファルコム <3723> [東証G]と「イース」「ドラゴンスレイヤー英雄伝説」「風の伝説ザナドゥ」の全世界向け商品化ライセンス契約を締結したと発表しており、これを材料視した買いが入った。エディアは自社が保有するレトロゲームのIPを用いて現行機への移植を行い、海外市場向けのライセンスアウトなどを進めてきた。今後は自社保有IPに加え幅広いレトロゲームのIPの商品化に向け取り組みを加速する。「イース」など3作品はファルコムを代表するゲームシリーズとして世界中のファンから支持されている。 ■ダイワ通信 <7116> 1,106円 (+116円、+11.7%) 一時ストップ高 ダイワ通信 <7116> [東証S]が続急騰、一時ストップ高となった。同社は4日正午、25年3月期の連結決算を発表した。売上高が52億4100万円(前の期比7.3%増)、営業利益が4億5300万円(同93.9%増)だった。一方、最終損益は1億6300万円の赤字(前の期は1億1700万円の黒字)となった。子会社と取引先の間における不適切な取引に関する調査費用などの特別損失を計上した。前3月期は、セキュリティ事業が防犯需要の高まりや大手事務機器メーカー・大手警備会社との連携強化により防犯カメラの売り上げが大きく伸びた。モバイル事業は出店している商業施設内で積極的な販促を行い新規顧客の獲得に注力した。同社の決算発表は、子会社の不適切取引などが発覚したことなどを受け延期されており、4日に第3四半期決算と25年3月期通期決算が同時に公表された。なお、26年3月期通期の業績見通しは未定としている。 ■ココルポート <9346> 1,800円 (+170円、+10.4%) ココルポート <9346> [東証G]が3日ぶり急反騰。障害福祉サービスを手掛けており、業績は増収増益基調を続けている。PER11倍台と割安感がある一方、配当利回りが高いのが特長。そうしたなか、光通信 <9435> [東証P]グループ会社の光通信が3日付で提出した大量保有報告書によると、光通信のココルポート株式保有比率は5.04%となり、新たに5%を超過したことが分かった。保有目的は「純投資」としており、ココルポートの株式価値向上に対する期待が株価を刺激していた。 ■アイケイHD <2722> 456円 (+41円、+9.9%) IKホールディングス <2722> [東証S]が続急伸。4日午前10時30分、8月度の連結月次情報を開示した。連結売上高は前年同月比30.2%増の14億1400万円と大幅な増収となり、好感されたようだ。前年同月比で2ヵ月連続のプラスとなり、増収率は昨年10月以来の高水準となった。韓国コスメのコンビニエンスストアでの販売が始まったことを背景に、セールスマーケティング事業の売上高が45.9%増と大きく伸長した。 ■アサカ理研 <5724> 1,430円 (+120円、+9.2%) アサカ理研 <5724> [東証S]が7日続急伸。4日はマドを開けての急騰を演じ3ヵ月ぶりに年初来高値を更新、需給相場の様相を呈し始めた。都市鉱山から独自技術を使って金やプラチナなど貴金属回収を手掛けており、ここにきて金市況の上昇が加速するなか、関連有力株としてにわかに頭角を現してきた。欧州や米国などの財政悪化懸念やトランプ関税の影響に伴うインフレ圧力などが意識されるなか、金だけでなくプラチナ価格の上昇も目立っており、株式市場でも非鉄セクターをはじめその関連株への視線が熱を帯びていた。同社株は急騰習性があり、最近では2020年秋口から年末にかけて大相場を形成。さらにさかのぼり、14年11月には8営業日連続のストップ高を交え、わずか13営業日で株価を約18倍化させた経緯がある。信用買い残もピーク時から整理が進捗している一方、貸株市場を通じた機関投資家のショートが入りやすい銘柄で、踏み上げ相場の素地を内包していた。 ■PHCHD <6523> 1,092円 (+79円、+7.8%) 東証プライムの上昇率5位。PHCホールディングス <6523> [東証P]が急伸。同社は4日、子会社のアセンシアが事業展開する持続血糖測定(CGM)システム「Eversense」の販売事業を米センシオニックス・ホールディングスに譲渡すると発表。これが評価材料となったようだ。PHCHDは収益性改善と効率的な事業運営の実現に取り組んでおり、今回の事業譲渡はその一環。アセンシアは2020年にセンシオニックスと独占販売契約を締結し、「Eversense」を欧米で展開してきたが、今後の更なる成長のためには継続的な投資が必要であり、投資効率の観点から検証を行った結果、譲渡することが最適だとの判断に至ったという。なお、事業譲渡契約書の締結日は10月31日、譲渡完了は来年1月1日を予定しており、譲渡価額は現時点で未定だとしている。 ■Solvvy <7320> 2,262円 (+139円、+6.6%) Solvvy <7320> [東証G]が急反発。SBI証券が3日、Solvvyの目標株価を2220円から3450円に増額修正した。投資判断は「買い」を継続する。Solvvyは8月13日に中期経営計画の変更について発表し、28年6月期に売上高予想137億円(26年6月期予想は82億円)、営業利益42億円(同21億円)に伸ばす目標を掲げている。メディアシークとの経営統合によるシナジーの発現を目指す同社について、SBI証券は売上ポートフォリオの見直しによる利益増が見込まれるとしたほか、アクセンチュアとの販売代理店パートナーシップ契約により大学公式アプリなど先進ソフトウェアの供給が継続的に行われる見通しだと指摘。同証券はSolvvyの27年6月期営業利益予想を従来の25億2000万円から29億3000万円に引き上げた。 ■SBG <9984> 15,510円 (+940円、+6.5%) 東証プライムの上昇率9位。ソフトバンクグループ <9984> [東証P]が4日ぶり急反発。英国やフランス、米国での財政悪化懸念を背景に、このところ欧米の長期金利に上昇圧力が掛かっていたが、前日3日の欧米市場では金利上昇が一服し、米ナスダック総合株価指数は1%高となった。これらを背景に、ソフトバンクG株に対しては売り持ち高を解消する目的の買い戻しが集まったようだ。取引時間中においては株価指数先物への断続的な買いが裁定取引を通じて、日経平均株価への寄与度の高い同社株の押し上げにつながり、ジリ高歩調を続けることとなった。 ■フジクラ <5803> 13,140円 (+640円、+5.1%) フジクラ <5803> [東証P]が3日続急伸。全市場を通じて群を抜く売買代金をこなし、株価も700円超の上昇をみせ8月29日の上場来高値1万2800円を更新、未踏の1万3000円台に駆け上がった。生成AIの普及加速局面でAIデータセンターの建設ラッシュが見込まれており、同社など光ファイバーや光コネクターなどの光デバイスを製造する電線株に投資マネーの攻勢が止まらない状況となっていた。米国株市場でも同様の銘柄物色傾向が観測されており、前日3日はガラスの老舗メーカーで現在は光ファイバーなどを主力展開するコーニング が続伸し、2001年以来約24年ぶりの高値圏をまい進していた。これを横目に東京市場でもフジクラはAIデータセンター関連のシンボルストック的な位置付けで買い人気に沸いている状況だった。 ■ピアラ <7044> 662円 (+24円、+3.8%) ピアラ <7044> [東証S]が大幅反発。3日取引終了後、エッセンシャルワーカー 人材紹介市場へ本格参入すると発表した。第1弾として、看護師をはじめとする医療・介護・保育領域に特化した人材紹介サービス「お仕事カルテ」を開始する。これまで培ってきた広告データ資産×AI最適化技術を活用し、医療・介護現場における慢性的な人材不足の解決に貢献するという。 ■KeePer <6036> 3,300円 (+110円、+3.5%) KeePer技研 <6036> [東証P]が4日ぶり大幅反発。同社は3日の取引終了後、8月度の月次速報を公表。キーパーラボ運営事業の既存店売上高は前年同月比5.9%増の10億2528万円となった。2ヵ月ぶりに前年同月比で増収となり、評価されたようだ。猛暑のなかでユーザーが洗車を依頼するニーズが高まり、7月に続き来店台数が増加した。キーパー製品等関連事業は猛暑のなかで作業を中止せざるを得ない状況となったことなどを背景に、コーティング商材の出荷数量が低迷。同事業の売上高は前年同月を下回ったものの、両事業をあわせた全社合計の売上高は同7.3%増の18億9174万円と増収となった。 ■ギフトHD <9279> 3,060円 (+100円、+3.4%) ギフトホールディングス <9279> [東証P]が6日ぶり大幅反発。3日取引終了後、8月度の直営店売り上げ速報を発表。既存店売上高(全営業日)は前年同月比6.3%増とプラス基調を継続した。夏休みやお盆の影響でロードサイド、駅近の両立地で客足が好調だった。全店ベースでは同29.6%増だった。 ■オンワード <8016> 674円 (+21円、+3.2%) オンワードホールディングス <8016> [東証P]が大幅高で3日続伸。3日の取引終了後、8月度の月次売上概況を発表。既存店売上高は前年同月比4.3%増となり、3ヵ月ぶりに前年同月を上回った。業況を評価した買いが優勢となった。全店ベースでは昨年10月に連結対象となったウィゴーの実績を含め、同48.4%増となった。暑くて長い夏への対策として強化したボトムスなど、シーズンレスアイテムの販売が好調に推移したほか、ブラウスやジャケットの販売も堅調だった。 ■清水建 <1803> 2,063円 (+61.5円、+3.1%) 清水建設 <1803> [東証P]が大幅反発。米資産運用大手ブラックロック の日本法人ブラックロック・ジャパンが3日付で関東財務局に提出した大量保有報告書で、清水建株を5.02%(共同保有分を含む)取得したことが判明した。保有目的は「純投資(顧客および投資信託等の資産運用目的)」としている。報告義務発生日は8月29日。これを材料視する見方もあるようだ。 ※4日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。 株探ニュース