前日に「買われた株!」総ザライ (2) ―本日につながる期待株は?―

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材料

■三越伊勢丹 <3099>  2,670円 (+149.5円、+5.9%)

 東証プライムの上昇率8位。三越伊勢丹ホールディングス <3099> [東証P]が続急伸。1日の取引終了後に発表した8月度の売上速報で、国内百貨店事業の売上高が前年同月比0.7%増と6ヵ月ぶりに前年実績を上回ったことが好感された。このほか、百貨店事業の合計売上高が同6.9%増となったJ.フロント リテイリング <3086> [東証P]や、国内百貨店売上高が同6.6%増となった高島屋 <8233> [東証P]、百貨店事業の全店売上高が同5.0%増となったエイチ・ツー・オー リテイリング <8242> [東証P]、銀座本店売上高が同8.0%増となった松屋 <8237> [東証P]など、大手百貨店で8月の月次売上高が前年実績を上回ったことが好感された。

■特殊陶 <5334>  5,568円 (+274円、+5.2%)

 日本特殊陶業 <5334> [東証P]が急反発。同社は1日の取引終了後、デンソー <6902> [東証P]のスパークプラグ事業と排気センサー事業を1806億円で取得すると発表しており、シェア拡大による将来的な収益向上を期待する買いが集まった。資金は自己資金及び有利子負債調達で充当する予定。対象事業の25年3月期売上高は1918億1900万円。連結業績に与える影響は公表すべき事項が生じた場合に速やかに開示する方針。両社は2023年7月10日に、事業譲渡の検討の開始で基本合意していた。特殊陶は内燃機関製品の自動車業界全体での最適な生産体制の構築につなげるとともに、自社の事業基盤の強化につなげる。デンソーは電動化領域をはじめクリーンエネルギー領域に経営資源を振り向け、持続的な成長を図る。各国・地域の競争法当局の承認の取得が完了次第、譲渡を実行する。

■三井物 <8031>  3,544円 (+137円、+4.0%)

 三井物産 <8031> [東証P]が大幅反発。総合商社株が軒並み物色人気化し、業種別騰落でも「卸売」は33業種中で値上がり率首位となった。全体相場は半導体関連などハイテクセクターの高PER銘柄から、バリュエーションに割安感のある銘柄群に資金シフトの動きが観測されていた。流動性の高いバリュー株として商社株がそのターゲットとなっていたもようだ。前週にはウォーレン・バフェット氏率いるバークシャー・ハサウェイの三菱商の株式保有比率が議決権ベースで10%超となったことが判明した。他の大手商社株も漸次買い増すとの見方が広がるなか、これも追い風材料となって商社株が投資マネーを誘引していた格好だ。

■サン電子 <6736>  6,850円 (+210円、+3.2%)

 サン電子 <6736> [東証S]が大幅反発。1日取引終了後、総務省が公募した令和7年度「インターネット上の偽・誤情報等への対策技術の開発・実証事業」で「多元統合型偽・誤情報検出技術の研究開発と実証事業」が採択されたと発表した。サイバーセキュリティー関連ベンチャー2社と連携して取り組みを進めていく。これが材料視された。

■北海電 <9509>  1,186円 (+35円、+3.0%)

 北海道電力 <9509> [東証P]が大幅反発。 半導体製造企業ラピダスが北海道・千歳市に最先端半導体の量産を目指す巨大工場を建設しており、2027年の量産開始を目指しているが、北海電はその関連有力株として注目度が高い。また、同社は26年3月期の営業利益が前期比3割減見通しと低調ながら、8月8日に開示された25年4~6月期の同利益は前年同期比27%増の438億9800万円と好調で、進捗率の高さから通期上方修正への期待を内包している。PER10倍前後、PBRが0.7倍台に放置されており割安感も強かった。市場では「半導体関連など投資指標面で割高なハイテクセクターに足もと逆風が強まるなか、目先バリュー株への資金シフトが観測されており、同社はその受け皿となっている。また、直近9月1日付でモルガンスタンレーMUFG証券が同社株の目標株価を1450円に引き上げており、これを受けて上値余地が意識された」(中堅証券ストラテジスト)と指摘した。

■サントリBF <2587>  4,725円 (+135円、+2.9%)

 サントリー食品インターナショナル <2587> [東証P]が続伸。2日午前に国内メディア各社が、サントリーホールディングスが同日午後3時から緊急記者会見を開き、鳥井信宏社長らが出席する、と伝えた。これを受けて同社株は上げ幅を拡大したが、東京新聞が午後に入り、「経済同友会代表幹事でサントリーホールディングス(HD、大阪市)代表取締役会長の新浪剛史氏(66)が1日、サントリーHDの取締役会に辞表を提出したことが分かった」と報じた。新浪氏が大麻取締法違反容疑の事件で福岡県警の捜査対象となり、取り調べや東京都内の自宅の捜索を受けたという。違法薬物の所持や使用は確認されていないとも伝えている。サントリBF株に対しては午後の報道を受けた売りが出て、下げに沈む場面があった。

■ワークマン <7564>  5,640円 (+120円、+2.2%)

 ワークマン <7564> [東証S]が続伸。1日の取引終了後に発表した8月度の月次売上高速報で、既存店売上高が前年同月比0.1%増と小幅ながら6ヵ月連続で前年実績を上回ったことが好感された。気温が高く推移したことで、半袖Tシャツや冷感コンプレッションウェアなどの夏物衣料に加え、アームカバーなどの防暑小物が好調に推移した。一方、前年と比べて降雨量が少なかったことから、レインウェアなどの雨関連商品は伸び悩んだ。なお、全店売上高は同3.7%増だった。

■日テレHD <9404>  3,981円 (+75円、+1.9%)

 日本テレビホールディングス <9404> [東証P]が3日続伸。子会社の日本テレビ放送網が2日、テレビ広告をオンラインでリアルタイムに発注・運用できる同社の「Ad Reach Maxプラットフォーム」について、テレビ広告業界での共通プラットフォーム化に向けた検討をすることで、TBSホールディングス <9401> [東証P]子会社のTBSテレビと基本合意書を締結したと発表。プラットフォームの拡大による広告出稿の増加と将来的な収益面での好影響を期待した買いを誘った。両社は2027年春の開始をメドに、TBSテレビのCM枠を同プラットフォームに拠出できるように共同で準備を進める。これまでテレビ広告の取引はオフラインで行われてきたが、各社が同プラットフォームにCM枠を出稿することで、「オンラインかつプログラマティックな取引」が可能になるとし、テレビ広告の新たな価値の創出と運用効率の向上を図る。

■イー・ギャラ <8771>  1,531円 (+24円、+1.6%)

 イー・ギャランティ <8771> [東証P]が続伸。1日の取引終了後、ぐんまみらい信用組合(群馬県高崎市)と売掛債権保証サービス「eG保証サービス」、決済サービス「eG Collect」「eG Pay」の紹介に関して業務提携を締結したと発表しており、好材料視された。今回の提携は、ぐんまみらい信用組合が顧客に対して、「eG保証サービス)」や「eG Collect」「eG Pay」の紹介業務を行うもの。販売網の拡大につながることから、業績への貢献を期待した買いが入ったようだ。なお、同件が業績に与える影響は軽微としている。

■都築電 <8157>  3,175円 (+30円、+1.0%)

 都築電気 <8157> [東証P]が反発。2日、クラウド賃貸管理システム「TCloud for Smart賃貸」を来年6月をメドにリリースすると発表しており、好材料視された。「TCloud for Smart賃貸」は、網羅性の高い標準機能に加え、独自業務に対応可能なセミオーダー型サービスとして開発を進めており、主要不動産テックとの標準連携や、定期エンハンス(性能向上)などの高い拡張性が特徴。また、同社が持つ広範なICT対応領域から、導入後も顧客に伴走し、課題発見やソリューションの提案が可能としている。

※2日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

株探ニュース

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